表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/20

第10話

闇を裂くような咆哮が響き、魔王城の大扉が大きく揺れた。


「来るぞ!!」


魔王が声を張り上げると同時に、影のような魔物が何体もなだれ込んでくる。

ポナは怯えながらも魔王の横に寄り、リヒトとジュルは剣を構えた。


「こいつら……さっきより数が多い!」

「こんな短時間で、ここまで……?」


魔王が前へ踏み込み、黒い炎をまとった一撃で魔物を薙ぎ払う。

ジュルも続いて剣を振るい、リヒトは援護に回る。


「ポナ、離れるな!」

「クゥッ!」


数十分の激闘の末、最後の魔物が浄化され、蝶になって飛んでいった。


静けさが広間に戻ると、リヒトは息を整えながら口を開いた。


「……魔物が増えている理由、分かったかもしれません。」


魔王と勇者がリヒトに視線を向ける。


「魔物は怨念から生まれる、とあなたは言いましたね。その怨念が急増している理由……それは――」


リヒトは拳を固く握りしめた。


「隣国周辺の戦争です。」


魔王の表情がわずかに揺れる。


「戦争……あの付近で起きているものか。」

「はい。国同士の衝突は激しさを増し、民は苦しみ、憎しみが渦巻いている。それが“魔物の増加”に直結しているとしか思えません。」


ジュルは険しい顔で続けた。


「つまり、魔物の源を断つには……その戦争を止めるしかない。」


魔王はゆっくりと立ち上がった。


「戦争は人間同士の問題だ。だが、このままでは世界そのものが壊れる。……私も行こう。」


リヒトとジュルは同時に頷く。


「共に行きましょう、魔王デュンケルハイト。」

「戦争を終わらせるために。」


ポナだけが、不安そうに小さく鳴いた。


「クゥ……」


その声を聞き、デュンケルハイトはそっとポナの頭に手を置く。


「心配するな。守ってやる。……もう失わないようにな。」


こうして、リヒト・ジュル・デュンケルハイト、そしてポナは

世界の均衡を取り戻すため、戦争の地へ向かう旅に出るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ