pipkとタイツにあげたあれを収納したこれ(独白)
pipkとタイツにあげたあれを収納したこれ
※誰かと少年の話
元を辿れば、この子供との出会いは好色家でもある政治家からの依頼だった。少年へ対する性的倒錯を抱いた好色家は、欲求を満たすために子供が欲しいと依頼と金を提示してきた。
表向きは煙草輸入及び小売、本来は武器商人を生業としているが、こういった依頼も少なくはない。本職以外の依頼は断っているが、今回はそうはしなかった。好色家よりも先に依頼があった。懇意にしている上客でもある悪女から、この好色家の情報が欲しい、失脚させこちらが動きやすいようにしなければならない、と。
子供を攫ったのは万が一の保険、あの悪女が間に合わなかった時の万が一を考えて。結果から言えば、その保険は必要なくなった。だから子供はもういらなかった。金ばかりがかかる存在なんて売り飛ばすなりなんなりをするだろう、普通であれば。
近所に住む子供達と遊んでいたその子。不思議なもので、言葉が通じないのに子供というのは一挙一動の動作で通じ合うことができる。
疲労のためか、靴すら脱がずにソファで惰眠を貪っているその頭を撫でて、靴を脱がせる。
ここにいる全員、心に限界が来ていた。拠り所が欲しかった。金に武器、煙草に酒、抱いたり抱かれたり、どれでも満たされずひび割れかけていた心が、この子供のおかげで修復されている。
支えでもあると同時に弱点でもあるこの子供。全員で話し合って決めた、もし三人に命の危機が迫った場合には無事な誰かがこの子供を命に変えても守り通す、そしてその時無事でないものは切り捨てる、と。
服も着替えさせるべきかと、考えた。この調子ではきっと起きないだろうから。だが、子供の目が開く。寝惚けているのは明白。
おはよう、と声をかけてみる。すぐ寝るだろう、と考えていた。
言葉を覚え始めてから、子供の顔には表情が増えた。笑ったり怒ったり泣いたり、忙しいその顔を見るのが好きだ。
「……おはよう」
その子は笑い、すぐにまた目を閉じる。