pipkにあげたあれを収納したこれ(ビデオ)
pipkにあげたあれを収納したこれ
※飛龍と春蕾の話
近所に住む男の子たちと遊んでいた時に、ゴミ捨て場にビデオテープの山を見つけた。子供達の中の一人が、興味本位で何本かを持ち帰り、他の子の家にあると言っていたデッキに挿入し、その映像を共に見た。
全裸の男女が映し出される。男の人が女の人を組み敷き尻の中に何かを入れて腰を振っているものや、女の人が男の人に迫り跨っているもの。
これの何が面白いのかわからない。なぜこんなことをしているのか、なぜこれがビデオテープに収録されているのか。だけれど、他の男の子たちは興奮を隠しておらず、どこへ隠すか、誰が家へと持って帰るかと、そればかり話題にしていた。
「待て待て、どうしたの」
夜は誰かの部屋で眠っている。一人部屋が欲しいと思うこともあるが、部屋数の関係でそうはいかないのが現状。飛龍と恋人になってからは、共に眠る回数が今まで以上に増えた。
服を全て脱ぐのは恥ずかしかった。だから、ズボンだけを脱いで飛龍の体に跨ってみる。
「恋人同士って、こういうことするんじゃないの?」
あのビデオの中にいた二人はキスやらハグやらをしていた。あの二人はきっと恋人に違いない。その真似をしたのに、飛龍から与えられたのは拒絶。しかし、あの時とは違い、顔に浮かんでいるのは困惑だけだった。
「まだ早いよ。流石の私も、子供相手には勃たないから」
服を着せられ、膝の上に座らされた。
「もう少し春蕾が大人になったらね」
「大人って、いつなれるの?」
「そういうこと言わなくなったら大人よ」
「言わなかったら、ボクは大人になれる?」
「ううん。そういうこと思ってるうちはまだお子ちゃまよ。まあ、そのうち意味わかるようになるから、その時は私もちゃんと相手してあげる」
鼻を摘まれて、嫌だと顔を横に振れば飛龍は何がおかしいのか、笑い声を上げた。
「今はまだ、私の可愛い春蕾でいて?」
「……うん、いいよ。いてあげる」
飛龍の心底愛しそうな目。今はこれがあればいい、とそう思う。
頭を撫でられて抱き締められ、二人してベッドに横になった。
「ところで、どこでこんなこと知ったの?」
「ビデオ捨ててあって、みんなでそれ見たの」
「もう見ちゃダメよ? お前にはまだ早いから」
「うん、わかった」
なんせあれは、面白くないのだ。