pipkにあげたあれを収納したこれ(マンゴー)
pipkにあげたあれを収納したこれ
※カルテルの皆さんとホセ(ぺぺ)の話
※翻訳はdeepl先生にお願いしました
ビニールハウスで栽培されている花畑。土があればどこででも雑草が生えてくる。根っこから抜いて、乾いた土に水を撒く。
「ぺぺ、もうお昼だからご飯食べようか。今日はもうお手伝い終わりにしよう」
ホセの名前は友達がくれた、ホセだからぺぺ。頭についた花びらをを取ってくれるのは、ミゲルという男。
煙草臭い事務所へ行くと、ミゲルは冷蔵庫からタコスを取り出す。手を洗い、そばに戻ればそれを渡された。
「おい、グリンゴ。俺はこいつに射撃を仕込みてえんだ。ケシの手入れなんざお前がやってろ」
短くなった煙草を机に押し付け、火種を潰すアレハンドロ。椅子に乗せていた足を雑に下ろすと、大きな音が鳴った。
「なんでぇ、お前かて半分アメリカ人だろ。ガブリエル?」
「それで呼ぶなっつったろ、殺すぞ」
椅子に腰掛け、タコスを頬張る。アレハンドロは煙草を取り出し、火をつける。
「おいホセ、飯食ったら……」
「おい待てって。『ベアトリーチェ』と『vital』にバレたら殺されるぞ。『銃は触らせない』が決まりだろ」
「んなこと言ったらテメエのケシやコカインはどうなんだよ。あのニガーどもとイタ公の連中に言われただろ、『ヤクに触らせるような真似すんじゃねえ』って」
「いいんだよ、俺の場合は畑仕事ってことにしってから。火薬に関しては、匂いも全部誤魔化しようないだろ」
今度飛龍に作ってもらおう、そう思ってしまうほどにこのタコスは美味しい。
「あ、あのぉ……失礼しますよぉ……」
部屋の戸が開く。気に弱そうな若い男は、自分のことを確認すると傷のついたマンゴーを袋の中から取り出してきた。
「ぺぺちゃん、マンゴー食べる?」
この人はルイスだ。気は弱そうだが、みんながこの人を頼り、何かを話しているのをよく見かける。
不安にならないように、と日本語を覚えてくれたリチャードが教えてくれた。この人たちは麻薬カルテルの幹部だと。そして自分がこの人たちに気に入られているのは、アレハンドロ相手に喧嘩をふっかけたから。
「過保護かよ。飯なんざこいつにとってこさせろよ」
アレハンドロが三人に対して酷いことを言ったのは、まだ言葉が分からずとも声と表情で理解はできた。みんなに酷いこと言わないで、言葉が分からなかったために、身振り手振りで喧嘩を売った。
「お前、チーノのくせに根性あるな。俺の推薦だ。デカくなったら俺らんとこで食い扶持稼がせてやる」
チーノからニップへと変わり、今はホセと呼んでくれているアレハンドロ。チーノと呼べばミゲルに怒鳴られ、ニップと呼べばルイスに嗜められていたからだ。
「なんでぇ、お前、この前ぺぺとぺぺの友達にオモチャ買ってたじゃんか」
「ほんとぉ、ガビー優しいねぇ」
ミゲルとルイス、揶揄う言葉にアレハンドロは慌てて自分を取り繕おうと、声を荒げた。
「違う! 強請られたから、ガキどもうるせえし買っただけだっつーの!」
切り分けられたマンゴーを頬張った。傷物や規格外の大きさのもの、売り物にならないものを貰ったり持って帰ったりと、そんなことをしている。
この麻薬カルテルの表の顔は、果実や野菜を栽培、販売する農園だ。
「ぺぺちゃん、マンゴー美味しい?」
こっちの言葉で美味しいはなんと言うのだろうか、とルイスの言葉から考える。
「ぺぺは喋らないなあ。やっぱ日本人には難しいのか?」
「英語よりは簡単だろ」
中国語では、はおちー。英語では、やみー。そう教えられた。ぺぺは名前でマンゴーは果物、これらが美味しいを意味する言葉ではないのは理解できた。
「……ぶえの」
残りの言葉で、これだろうと思ったものを口に出してみた。
「……おい! こいつ、今喋ったぞ!」
沈黙の後に、アレハンドの口にあった煙草が机の上に落ちる。
「ぺぺ、もう一回、もう一回ホラ!」
もう一回、とミゲルが指で示す。
「……ぶえの?」
これでいいの、と首を傾げながら言えば、ミゲルとルイスは喜び、アレハンドロは新しい煙草に火をつけて、また何か喋るのではないかと、様子を見てくる。
変な人たち、と残っているマンゴーを頬張る。





