男の子のお母さんを尊敬するっていう話
みなさまごきげんよう。もしくは初めまして。くろつです。
今回のエッセイはタイトル通り、男の子のお母さん心から尊敬しますって話です。
みんながみんなこうだとは私も思いませんが、多分これをお読みの人の中にもいらっしゃると思うんですよね。
現在男の子を育てておいでで、このやんちゃっぷりはどこからきたの……ねえ、なんでその発想になったの……って日々思っておいでのかた。
さてさて、本題にサクッと入る前に、私事ではあるのですが、背景情報として、私にはホストクラブで働いている関西在住の恋人がいます。
この彼の名前を仮にハルヒとします。
そしてホストとはいえ年末年始の休みがあったので、仲のいい男子五人で誰かの家に集まったらしいんですね。
そしてその時の様子を私に話して聞かせてくれたわけです。
書いてもいい? と聞いたら、いいよー。とのこと。
仲間のひとりは幼稚園からのつきあいで、他の三人は中学校から。
現在彼らは二十六歳。そんな感じの長い付き合いだそうです。
「くろつ、帰るの遅くなってごめんな、ちょっとトラブルあって」
「どんなトラブル?」
「俺の仲間内のひとりが、通話で彼女とケンカしててん」
話を聞いてみたところ、今日は友達と会ってくるよ、と前置きして出かけたにもかかわらず、後追いでその子の彼女が、
「今どこにいるのー」
「一緒にいるの誰と誰ー」
「ほんとに男子以外いないの? 今なにしてるの?」
って聞いてきたと。
んー、女性目線で聞いていても、それは良くないねってなるやつです。
ちょっとさみしくなってきたーとか、我慢してるけど会いたいようとか、言葉の言い換えって色々できるじゃないですか。
それで、その男子が「そんな疑われてんならもういいわ」ってなって通話でケンカしたのを、他の男子四人であれこれなだめていたんだそうで。
「いや、お前、もうちょっと話し合え」
「せやかて、今でこんな疑われてるってことはよ? この先ずっとこれが続くってことやん? そんなん無理やし」
「けどよ、お前、今の彼女と別れたら、次いつ彼女できるかわからへんで。ハルヒは目ぇ合わせただけで女がついていくけどお前はちゃうやろ」
それはどっちだ。援護射撃してるのかディスってるのか。
けどまあ、目の前で着拒したのをまあまあなだめて、
「着拒元に戻せって」
「もう一遍くらい話し合ってみいや」
って落ち着かせるあたり、援護射撃なんでしょうね。
新年早々ケンカは切ないし(私もしたけど)、無事に仲直りできるよう祈っておきます。
「他にはどんな人がいるの?」
と聞いてみたところ、出ました。本題。
「幼稚園からの付き合いで、小学校も中学校も高校もずっと一緒で、高校では金賭けてどっちがたくさんナンパできるか競った仲で」
ほうほう。
その子の名前を仮にテツくんとします。
「幼稚園の時にな、非常避難用の滑り台があったんやけど、俺らどうしてもそれ滑りたくて。園児入り込み防止用の柵を俺が乗り越えようとして、けど柵に服が引っかかって、バランス崩して落ちて」
あああ、それ死ぬやつ。打ち所が悪かったらそれ死ぬやつ。
落下した本人は手を骨折。そしてそれを見たテツ、
「ハルヒが落ちるなら俺も落ちる!」
と言って自ら落下。
ハルヒは左手を、テツは右手を骨折。
先生たちにばれないよう、お昼寝の列にもぐりこむが、幼稚園の先生たちが、
「この二人が大人しく寝とるのがおかしい」
と察知し、毛布をはいだところ、骨折がばれ、二人そろって救急車で搬送される。
ばか……。
この話、聞いた瞬間思ったことはこれでした。
そして次にこう思いました。
私この子らのお母さんだったら心臓がいくつあっても足りなかった……。
この子たちのお母さん本当に大変だったと思う。
ていうか幼稚園の先生たちの察知力のすばらしさよ。
冒頭にも書いたように、みんながみんなこんな男の子ばかりだとは思いません。
けどよ? もしかしてよ?
「わかるーうちもー」
「ほんとになんで死にそうな遊びばっかりするの!」
っていう人もいるかもじゃないですか。
タイミング的にも、年末年始、冬休み、子どもたちも色々とお休みの時期ですしね。
なので、この場を借りて男子をお持ちのお母様たちに心からお疲れ様を言わせていただきます。
もうすごい、えらい、マーベラス。
ほんとに、ほんとに、心から。
このハルヒくん、中学生ではケンカ相手にナイフで刺され、「この傷見られたらおかんにも医者にも怒られる。その辺から落ちて切ったことにしよ」と思いつき、その辺の枝で傷口をひっかきまわし、本人は偽装工作のつもりでいたらしいのですが、当然医者が診れば一発でばれて、めちゃくちゃに怒られたというエピソードもあります。
ねえ、ほんとに、なんでそんなことする……??