表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグA【魔導工学】

俺は日本特殊防衛軍(通称JSDF)所属の鋼雷槞煌(こうらいるき)

現在某地底湖にて警備活動中。


何故地底湖にいるかって?

さぁな、俺にもなんでか分からん。


と、こんな感じに、

暇を潰すために誰に言ってるのか分からない

自己紹介をしているわけども。


こうでもしないと気が滅入ってしまうのだ。


「はぁ、今日も今日とて暇ですなぁ」


毎日毎日決まった場所を交代の時間まで巡回、

これをやってみろ?暇すぎて死にたくなるぞ。


まぁ偶に馬鹿が忍び込んで暇潰しができるんだがなw


「ドドドドドドドドド」


噂をすればおいでなすったようで、

それにこの音、まさか軍用車でもパクったのかw?

まぁ善は急げだ、さっさと行かないと暇潰しが出来なくなっちまう。


、、、何分走っただろうか

「(*´Д`)ハァハァ」


あんなに音がデカかったのにまだ見えない、

それどころかどんどん音が大きくなってる気がする。


「これは暇潰しじゃすまないかもな」

そう呟き、さっきよりも走る速度を上げ、音のなる方へ駆ける。


*数分後*


段々と音に近づいて行く、

それにつれて徐々にその姿が露になっていく。


そうそれは

「おいおい、こいつぁヤバいだろ、、、死んだな」

軍用車でも戦車でもなく、『ロボット』だったのだ。


デカさは地底湖の半分くらいあり、

「そりゃあこんなデカい音がでるわ」と、納得できる程だった。


「暇潰しにしては大きい獲物だけど、

流石にここまでとなると、本部に連絡しないとな」


俺は隊服に入っているスマホを取り出し

「ピッ」

電子機器独特の短信音を発する


「こちら特防軍第二席、地底湖にて未確認個体αを確認、

破壊を開始します。よろし?」


だが、それに対する返答は、ノイズだけだった。


「これは、、、誰かに襲撃されたのか?」

何故電波障害を疑わないのか?

そんなつまらないことを考えないで欲しい。


何故なら、JSDFで普及しているスマホは、

電子機器ではあるものの、電波を使わずに連絡が可能なのだ。


では何故連絡に出ないのか、おおよその原因は分かる、

そんなものは分かっている、だが、だがしかし、

破壊したくない、マジで破壊したくない。


「だってあれ、男のロマンじゃん!」

男なら誰しも憧れるものだろう!


だがつい、そう、つい、それを言葉に出してしまったのだ、

それが失敗だった。

気づいたらロボットは動きを止め、こっちを向いていた。


そして

「対象ヲ発見、コレヨリ捕縛を開始する。」

と、機械の声が言った。


俺はそれを見て思った、

(何かロボットの目が赤く光ってこっちに近づいてきた)

だが、声は聞こえなかったのである。


そう、本来ならば逃げるべきなのだろう、だがしかし!

俺の辞書に『ロマンを目の前にして逃げる』と言う言葉は無い!

よって俺の考えは一つ!


「コアを破壊して俺の物にしてやるぜ!」


「対象ノ敵対反応検知、捕縛カラ抹殺二移行シマス。」


何か怖い事言っている気がするが気にしないでおこう、


まずはモーションを見なくては!

いや、あくまで行動パターンの把握だから!

決して興味がある訳ではないから!


「対象の移動速度を計測中、βtypeに移行します。」


「何!モーションにタイプが存在するのか!益々盛り上がるじゃあないの!」


もう軍とかどうでもいい!俺はこのロボットを堪能するぞ!


そう思ったのも束の間


*数十秒後*


「(*´Д`)ハァハァ、何で俺のスピードについてこれんだよ!」


おかしい、明らかに人が乗っているとは思えない。


いや、人ではなく他の“ナニ”かが操作してるのか?


心当たりがあるにはある


そう、魔導人形である。

だがしかし、ここまで高性能な魔導人形は軍部以外使えないはず。


そして数秒考えた結果、

「しょうがない、破壊してしまおう」

破壊する事に決めた。


「対象ノ形態変化を確認、コレヨリ観測ヲ開始シマs」

最後の一言を言おうとした刹那、ロボットは破壊された。


何故だ、何故この姿を観測しようとした?

おかしい、軍部の物を使っているならこの力の対処方法も知ってる筈。


もしかしたら、いや、ありえない。

そう思いながら壊れたロボットの中身を見る。


「良いのか悪いのか、予想が当たってしまったな」


魔導回路が無かったのだ、そして、魔導人形も。


本来魔導回路が無ければ機械は動かせないはず。

それをこのロボットはどうやって。


そんな事を考えていると

「ピッ」

電子機器独特の短信音が鳴る。


俺が反応するより前に言い始めた

「こちら、JSDF本部、最高位階の方々は至急本部に帰還してください」


やはり、関東支部からの連絡じゃないとなると、

このロボットは俺だけの問題じゃないようだな。


恐らく地上にも現れたと考えるのが妥当だろう。


「ピッ」

「了解、至急そちらへ帰還する」


「さて、急ぎますかね」

そう言って俺は、「【妖狐】」と呼んだ。


そう呼ぶと、周りに赤い桜が舞い始め、そこから、

銀色の狐の耳と白紫色の尻尾を生やしている

紅白色の和装を着た少女が現れた。


呼び出された少女は言った

「我を呼ぶとは珍しいの、お急ぎかい?」


それはその見た目からは想像しにくい喋り方で、

だが、聞いているとしっくりくる声だった。


俺は聞かれた事に対し答える

「あぁ、神門を開いてくれ」と。


そう言われると少女は、妖言(あやかしごと)を唱え始める。

「開け、御狐(みこ)の扉、暗き儚き孤高の扉」


第一節を唱え終えると、鳥居が薄っすらと現れる。


その先は暗く、まだ鳥居の形もハッキリとはしていなかった。


少女は一息入れて、そのまま詠唱する。

「恩義を返すは我らの道、迷えば帰し、送りたもう」

二節目を唱えた少女は息をフッと吐く。


その瞬間、鳥居の形がハッキリし、

暗かった鳥居の先に、謎の施設らしき場所が映る。


俺は「ありがとな」とだけ言った。


俺は神門をくぐり、後ろへ振り向く。

その時には少女と鳥居は消えていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ