22.武具屋②
服が並べてあるコーナーに俺はたどり着いた。
そこで俺は先程のゴッゾと名乗った店長とは真逆で色白の耳が長い種族、エルフに出会った。
「おっ、ここにある服を見にきたのかな?少年。」
そういって、そのエルフは気さくに声を掛けてきた。
「ああ、そうなんだ。いい服を探していてな。」
そう返すと、テンションが上がった様子でエルフが、
「それでここに来るとは、なかなかの通だね〜、少年。誰かに教えて貰ったのかな?
いろんな種類があるし、直感で一着選んでみてよ。一発で一番いいのを当てたら、タダでそれをあげるからさ。」
そう言って、おもむろに服を並べ始めた。
「さあ、探してみてよ!」
初対面の人にいきなりそんな風に声をかけられるものだなと感心したが、そう言えば店の人は大体そんな感じだな。
「ああ、やってみるよ。」
そう言って、服を凝視するように見せて、こっそりと「神眼」を発動させた。
どんどん選択肢が消えていく。
造りに凝っているもの、素材だけがいいものなどがどんどん消えていく。
三十着程度あった服も残り二着に絞られた。
どちらの服も見た目は日本で着てたら、「コスプレか!」とツッコミの入る服ではあるんだが、やっぱりこういうのが異世界人の琴線に触れるのだろうか。
残った二つは「神眼」でも判別が出来なかった、というより俺の知識が足りなかった。
「なあ、無属性と星属性ってどっちが「おおっと、それ以上は聞かないでもらおうか、少年!私が損をするだけになってしまう。」
そんなことを言い出すエルフのお姉さんに冷静にツッコミを入れる。
「いや、始めからお姉さんのくれた選択なら、0かマイナスになるしかないだろう?」
「そうだね、って今なんて言った?」
突然、聞き返してきたので、俺は不審に思ったが、
「いや、0かマイナスになるしかないって言ったんだけど。」
「その前、その前だよっ、少年。」
「お姉さんのせ「それだーーっ!」
そう叫びながら、彼女は俺に抱きつこうとしてきた。
突然、初対面の人に抱きつかれるなんて不審でしかないかだろうと思ったが、間に合わず、女性特有のいい香りが俺の鼻腔をくすぐった。




