幕間4.円卓会議
〜王城内 円卓会議〜
「して、ロラン伯よ。そなたが連れてくるという異世界からの来訪者たちはどんな様子なのだ?
まだ、会ってから数刻しか経っていないだろうが、そなたの忌憚なき意見を申してくれ。」
「はい。あの子ども達は特段危険な思想を持っていそうな様子はありません。
したがって、これから行動させる時なども監視等を付ける必要はないと判断します。
また、この世界の誰よりも深い知識を有しているようでした。
交渉次第ではその知識でもって我々に助力してくれる可能性もあるのではないかと。」
男は機嫌良く、
「よくやった!これで帝国との戦争に決着をつけることが出来そうだな。
何かそなたの功績に報いなければならんな。
希望はあるかね、伯爵?」
と言った。
すると、ロランは、
「いえ、特にこれといって私が王に求めることなどありません。私は王が今のように善政を敷いていれば、それで満足というものでございます。」
内心で言いたいことがあるのを我慢しながら、
『今はまだその時じゃない。まだ僕には力が足りないから。』
「ふむ。そうか。でも、褒美を何も与えんという訳にはいくまい。たとえ、功績が降って湧いたようなものであったとしてもな。」
そう言い、王は諸侯を見渡す。
「では、ロラン伯に何を与えるのが良いか意見のあるものはいるか。陞爵させても私はいいと思うんだがな。」
すると、
「私から意見を述べさせていただいてもよろしいでしょうか。」
王は大きくうなづいて、
「申してみよ、ヴィンロン侯。」
「私はロラン伯を辺境伯として領地貴族にしてはいかがかと思います。」
「ふむ、辺境伯にするのか。して、そのようなことを申すからには理由があるはずであろう。その理由も申せ。」
「ロラン伯は先の内戦で、王を王位につけるのに尽力なさいました。そして今、現に王が王位につかれております。つまり、策謀や軍略にも優れていると言えるでしょう。帝国を食い止めてくださるのではないですかな。」
そこに静止の声が掛かる。
「ヴィンロン侯よ。一体卿は何を考えているのか。今、王の忠臣であるロラン伯を辺境伯などにして王から離せば、また不正を行う輩も出てくるかも知れんのだぞ。」
「アッ、アークライト公、それは・・・」
その答えを待たず、アークライト公爵は
「王よ、どうぞ御心のままになされますよう。」
「うむ。では、今から、ロラン・フォン・エルトリア伯爵を侯爵へと陞爵する。また、二日後には国民に知らせられるように準備しておけ。では、今日はここまでとしよう。客人も待たせているのでな。
皆、謁見の間に行くように。」
そう王が宣言すると、貴族たちはいそいそと謁見の準備を始めた。




