6.ロラン・フォン・エルトリアという男①
「「神使」とは何か、ということなんだけど、それは神の使いということなんだよ。どういうことかというとね。君たちの世界には教会はあったのかな?じゃあ、そこのお嬢さんどうなんだい?」
そう言って、ロランは愛蘭に尋ねる。
「それが意味するのは神様に祈りを捧げる場所ということでいいんですか〜?」
ロランは首肯しつつ、
「うん、その認識で構わないよ。」
「じゃあ、ありますよ〜」
「うん、そうだよねー。やっぱりそれぐらいはあると思ってだんだよねー。」
ロランは自分の予想が当たっていたのか、嬉しそうだ。
「それがわかっているなら話は早いかな。そこでは神様の言葉を受け取ったりする人がいるんじゃないかい?」
そう彩音に問いかけると、
「はい、向こうでは神父や修道士って呼ばれたりしています。」
「僕のことは教会でそんな地位の人物だと思ってくれたらいいよ。この国では三人しかいないんだけどね。」
それに続いて愛蘭が純粋な疑問を口にする。
「それじゃあ、偉い人ってことなんですか〜?」
「うん?そんなことはないよ。」
そんな会話が交わされた瞬間、唐突にドアが開かれた。
「お話の腰を折ってしまい申し訳ございません、ロラン様。火急の用件があると告げた王家の使者であったのでお通しいたしました。」
ロランはさほど驚いた様子もなく、
「ふむ。そうか。ご苦労、アリア。隣室にいらっしゃるのならここにお通ししなさい。」
とそのメイドの格好の女性に言った。
「かしこまりました。」
そう言い、一礼して流麗な動作で退室していった。
「今の方は?」
「メイドのアリアだ。今後、君たちの護衛も務めてもらうことになるだろう。」
「じゃあ、後で挨拶しないとですね。」
と彩音は楽しそうに言った。
部屋の中に数刻訪れる静寂、そこではアリアと呼ばれたメイドが隣室から使者を案内する音以外は全くしない。
だが、やがてその静寂は使者の人によって破られる。
「ロラン伯、王がお呼びでございます。すぐに王城に登場なさいますよう。王妃様も心待ちにしておられます。」
「そう堅くならなくてもいいと言っているのに、君はいつもそうだね。アレン?」
「いえ、今は公務の途中なので。それに、今、勢いのあるロラン伯を敬わないものなどいないでしょう。」
「「「「「ロラン伯??」」」」」」




