4.プロローグ4〜本当の始まり〜
アルンが居なくなった部屋の中では動揺が巻き起こった。
蒼司は「俺たちのことをそもそも勝たせる気がなかったってことなのかな。」と。
彩音は「うまくいかなかってもよかったってことだったのかな。」と。
それぞれが自分の想いを語勢の差はあれど、何かしら、アルンへの不満を呟いている。
そんなみんなに、
「今、アルンを責めても仕方ないし、ここでアルンを責めたら、これからの俺たちにとって不利に働くかもしれない。それぞれ、思うことはあるかもしれないが、今は我慢してくれ。」
でも、そんなことでは到底怒りの収まらない奴もいるようで・・・
「それはそうだけどっっーーーーーーーーー
いや、まあ気にしないことにするよ。」
今の間は何だったんだろうか、明らかに不自然すぎるとわかる。
『突然気が変わった?』
いや、それにしては続ける言葉に間が開きすぎだ。
『どうして?』
いや、この教室には俺たち以外の誰も居ないはず。
なら、誰かがそうしたということ?
確かに、俺はこの状況の収拾をつけることを望んでいた。
でも、そんなことをする奴がいるのか?
俺が思索の海から抜け出したとき、一番初めに視界に入ったのは「てへっ」と言わんばかりの表情で舌を出して笑っている遥香の姿だった。
なので、俺は口パクで『後でこっち来て』と伝えると、遥香は涙目で、首をブルブルと振った。
〜回想〜
あの頃、俺はまだこっちに引っ越してきて間もない遥香とよく遊んでいた。
遥香の方から誘ってくるのが多かったけどな。
そんな小さい頃から、俺は探偵に必要なスキルを身につけさせられていた。
ある日、ひそひそ話をしようとしてきた遥香に「バレると良くないから、口だけ動かして?」と言い、遥香の言ったことを当てたことで遥香に口の動き方から何を言っているか当てる術、いわゆる読唇術を教えることになったのだった。
〜現実〜
そんな昔のことをよく覚えていたなと少し感動にも似た感情を覚えるのだった。
そんなやりとりがあって、数分後にアルンが再び戻ってきた。
「じゃあ、向こうの準備も出来たみたいだし、行きましょうか。今度の世界はしっかり人もいるし、社会秩序もある程度は出来上がっている世界よ。続きは向こうで話しましょうか。」
そうして、再び俺たちは世界を移動した。
ここからが真の本編!!




