4. 藍川遥香という少女
『もし、アルンが勝ちたいのなら、少しでも地球の中から、優秀なやつを選ぶだろうから、同じ学校の生徒が選ばれることも予想していたが、(進学校なので、頭の回るやつは多いから)、どうして遥香なんだよ』と俺は思った。
「どうしたの?そんなにポカーンとした顔しちゃって?普段なら、かい君がそんな顔することないよね?もしかして、私と一緒に異世界に来れたことが嬉しい感じなの?ねえねえ?どうなの?」
二言めにこんなことを言い出すことから察しがつくだろうが、遥香は学校で320人中260位ぐらいの成績である。
これだけならそうでもないが、1学期に遥香に精神年齢診断をかけると、3つやったすべてのサイトで、「精神年齢5歳」という診断が下されるくらいに精神が幼いのだ。
言うことは鋭い時もあるんだが、口調のせいで余計にそう感じてしまうのだ。
「いや、なんで俺の同級生の中で遥香選んだんだろう?と思ってな?」
「神様が『かいくんにも癒やしが必要だな』って思ったんじゃない?」
こんな発言をするくらいなのだから自覚はしているのだろう。
遥香は学年で1、2を争うレベルで美人なのだ。
簡単に外見を言うと、黒髪清楚の美人というところだろうか。
当時、小学生だった俺が道に迷っている遥香を助けた時に惚れてしまったらしい。
そう言う理由もあって、俺は遥香を無下に扱うことも出来ないし、この時俺は味方が1人増えたと思った。頼りになるところもあるからだ。
「まぁ、そうかもな」
ここは遥香に合わせておくのが最善だと思い、そう言った。
「それはそうとして、すぐに俺の所に来たってことは、『ルールの確認しよー』とか言いに来たんだと思うし、するか。よし、ルールの確認でもしようか」
「うんっ!そうだね!早速やろう!」
「その前に確認させてくれ」
「何〜?」
「遥香は俺の味方をしてくれるってことでいいんだよな?」
「うんっ!かいくんの幸せが私の幸せだから!」
こんなことを楽しそうに言ってくる。実際、可愛い子にこんなことを言われるのはすごく嬉しい。
でも、幼馴染だからかどうか知らないが、あまり恋愛対象としては見れないのだ。
「遥香が選んだ能力はなんなんだ?」
「あー、えっとねー」
遥香は顔を赤らめながら、こう言った。
「魅了だよ」
「かいくんを振り向かせるためにこの能力を選んだんだよ」
顔をりんごのように真っ赤に染めている遥香はとても可愛いが、ちょっと残念なところが拭えないのが、遥香っていう感じである。
次回は金曜日です!
(本編)
幕間は明日もです!
お楽しみに!




