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今日から学校と仕事、始まります。②莞

胸のサイズが、なるたけ均一にしておくわけ

作者: 孤独

「どうして、両のおっぱいのサイズって偏りがないんだろう?ねぇ、三矢」

「おう。瀬戸、仕事中にそんな話振るなよ」


向かい席のPCを使用されている女性クリエイター陣達から、睨むような威圧を感じる。

三矢は早いところ、瀬戸の与太話を切り上げたかった。と思わせておいて、


「何が言いたい?」

「つまり、1人の女性で貧乳と巨乳を持つおっぱいってないのかなーって!世界中を見ればそーいう女性がいるかもしれないようで、いないかも」


女性陣の1人が机を蹴飛ばしたような音を出し、もう1人はいつも聴いている音楽の音量を上げた。最後の1人は黙りながら、聞き耳を立てている。

瀬戸はそんなことなどお構いなしに、三矢に自分の意見を伝えるのだ。


「左はAカップの小ぶりな胸、右はFカップの豊満な胸。たった一人の女性で、貧乳と巨乳の感触を味わえるというのは凄いことだと思わない?」


凄く下心な話しなのに、目をキラキラさせて語る瀬戸。それとは対照的な、死んだ生物を見るような目で三矢は、


「はぁ~……アホ過ぎるだろ」


その一言。


「アホってなんだよ!僕は真剣にね!言い争いとなっている、巨乳と貧乳による戦争を停戦させるため、こんな話しをしているんだよ!お互いの武器を胸に宿すという案だ!」

「なんだよ、巨乳と貧乳の戦争って……」

「形が崩れるなんて、良い受けになっていないけど!僕はね、それでも胸を揉みたい!その心なんです!」

「おう、童貞こじらせてるな」

「それ言うなよ。傷付くなぁ!」


上手い事三矢が瀬戸をあしらって、この話しは一件落着と思ったが、三矢から瀬戸に尋ねる。

このくだらない話を一撃で終わらせる、一般常識を語る口で。


「だいたい、AカップとFカップを持つ胸よりもよ。両方共、Fカップの胸を揉みたいだろ。男はそうだろ?」

「揉みたいよ!馬鹿野郎ーーー!!」

「貧乳と巨乳の両方の胸を味わいたいより、俺はストレートに巨乳が好きだと言う!」

「僕もそう言いたいです!」


三矢と瀬戸の背後から、使われていない液晶画面を持った、貧乳の女性が襲い掛かった……。



◇        ◇


「瀬戸と友ちゃんには参るぜ……」


背後からの一撃を喰らったことを理由に、小休止をさせてもらう三矢。

そんな彼にかなりおっかなビックリな感じで、様子を見に来た安西弥生がいた。


「あの、……三矢さん。これ、ジュースです」

「いいのか?」

「はい」

「さっきは悪いな、騒がせて」

「いえいえ!」


ジュースを頂いてから、安西は本音を訊いてみた。


「三矢さんって、Fカップの子が好きなんですか?」

「いや、別に。ただ瀬戸に合わせただけだぞ……というか、俺はそーいう目を安西達に向けた憶えは一度もないぞ。あいつのノリに付き合ってやっただけ」

「ご、ごめんなさい!瀬戸くんと松代さんがおかしいだけですよね!」


自分のスタイルに自信はないが、友ちゃんなんかより胸の発育はいい。

というか、やっぱりか。男性というのも見た目を意識するのか。


「……その、男性の方って、胸見るんですか?」

「………そりゃあ、見るよ。でも、顔だって見るぞ。だけどよ、やっぱり”本人の事”を人間は見るんだ。何年も付き合って、そいつの事をもっと知り、正当な評価をする。俺はそー生きてるぜ」

「そ、そうですか」



なんというか、少し甘酸っぱいオーラを出した安西であったが。それを掻き消すような邪悪過ぎる、このゲーム会社で最強の邪を持つ女性が、安西の後ろをとっていた。


「カッコ良い事を言っちゃってー、三矢くーん!」

「酉さん」

「安西。三矢くんだって野獣の男よ」

「そ、そうですか!?」

「さっきの話しをよーく思い出しなさい」

「あんた、聞いてたのかよ……くそ」


先ほど、瀬戸との会話で三矢が言った事。


【だいたい、AカップとFカップを持つ胸よりもよ。両方共、Fカップの胸を揉みたいだろ】


「そこは間をとって、Cカップとか、Dカップの胸って言うべきところなのに。三矢くん、Fカップの胸を注文してるのよ。なによ、三矢。おっぱいはおっぱいでも、巨乳の事しか考えていないじゃない、イヤらしい男」

「どー答えても、あんたは俺がイヤらしいって言うだろうが!!」



酉の言葉に、”確かに”って……。自分のサイズより大きい胸が好きと言っていた。

やはりか……。少し残念そうに退いてしまった。


「でもね。三矢くんの次の言葉、私は好きよ。だいたい、貧乳と巨乳どっちも好きって答える、優柔不断な男に告白されるより、お前のおっぱいが好きだーー!!って叫んでもらいたいわ」

「酉さん!恥じらいを覚えろ!そんなこと、人前で言うな!社長だろ!」

「そう叫ぶ男がいたら、警察に通報してあげる。セクハラってね」

「あんたも逆セクハラで訴えるからな」


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