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第十三話 ガイダンス

「お、来たな神無月。おはよう」

「おはよ。北島、どした?」


 朝、教室に入り席へと座る。

 ちなみにジュリはすぐに女友達に囲まれて教室の隅へ連れて行かれてしまった。


「昨日の決闘、噂になってるぜ」

「ああ、まぁ……」


 結構派手にやらかしたもんな。

 それに相手は大国のお姫様だ。

 冷静になって考えると俺、下手したら暗殺者とか差し向けられるんじゃ。


「俺、殺されないかな……」

「仮にも神様に祝福受けてる奴を暗殺するなんて普通ありえないだろ」

「それもそうか」


 神の祝福を受けている者をむやみに手をかけると、祝福を与えていた神から祟られる事があるらしい。

 しかも絶対に逃げられないそうだ。


 北島が言うなら少し安心だな。

 なんせこいつは神社の家系らしく、そういう方面に多少詳しいみたいだし。


「しかしドンマイだな」

「え?」


 苦笑いを浮かべる北島に嫌な予感を覚える。

 何がドンマイなんだ?


「教室に来るまでに気が付かなかったか?」

「え? そりゃ多少注目されてはいたみたいだけど」


 昇降口から教室まで、時折視線を感じたし何かしら俺の噂をするような声が聞こえていた。

 ジュリと喋ってたし、特に気にしてなかったが。


「お前、姫様を公衆の面前でひん剥いた変態って噂流れてるぞ」

「……、はぁ!?」

「声でけえよ」


 思わず大声を出してしまい北島に眉をひそめられる。


「あ、ごめ」


 でもそりゃ驚くだろ。

 なんで俺がそんな噂をされなければならないんだ。

 決闘場の魔法でそうなっただけで、俺の意思でやったわけじゃないんだぞ?


「一応昨日寮に帰ってから、聞いてきたやつには説明しておいたけどさ」

「助かる」


 そうか、新入生の大半はまだ決闘場のシステムを知らないのか。

 俺はたまたま昨日決闘する羽目になったので知っていたけど、説明は今日だもんな。


「しかもそのお姫様と朝には仲良く登校だからな。どうなることやら」

「は? シャルとは今日まだ会ってないぞ?」

「第二王女と第三王女、見た目じゃ判別できないだろうが」


 言われてみればたしかにそうだ。

 サタニア王国の第二王女が入学しているのは誰もが知るところ。

 なんせ主席入学生で新入生代表のスピーチまでしてるからな。


 しかしその双子の妹の第三王女も入学していると知っている人は多くないはず。


「まぁ、知ってるやつもそれなりにいるし、すぐに落ち着くとは思うけどな」

「だといいんだけど」


「ショートホームルーム始めるぞー」


 担任の綿貫先生が教室の扉を開けて入ってきた。

 日直の号令からショートホームルームが始まり、今日の予定が説明される。


 入学二日目、今日は年間スケジュールやカリキュラム、学校の設備とシステムの説明を予定しているらしい。

 事前にインターネットとかで調べてるから、ある程度は把握してるけどな。


 決闘場の説明もあるみたいだからそうすれば俺の変態疑惑も払拭されるだろう。

 はぁ、本当についてないな。


「それじゃ、このままガイダンスを始めるぞ」


 そういって綿貫先生はチョークを手にとり黒板へ説明を書き始める。

 まずはステータスについてのおさらいをしてくれるようだ。


「知っていると思うがステータスは全部で七種類だ」


 膂力を増す『力』。

 物理的な衝撃に対する抵抗力を増してくれる『頑丈さ』。

 反応速度や思考速度に影響する『敏捷』。

 怪我や病を患った時の回復力と毒などに対する抵抗力に関係してくる『生命力』。

 感覚の鋭さと、神へ祈りを捧げた際の効率に影響する『器用さ』

 魔法的、精神的な衝撃に対する抵抗力を増し、神への祈りを捧げた際に削られる『精神力』

 そして持久力に補正のかかる『スタミナ』


 あと重要なのはステータスに影響されない体力くらいかな。

 当たり前だが、身体が傷つけば減ってゼロになったら死ぬ。


「ステータスの数値によってランクが当てはめられる。Fランクが一から百まで。その後百刻みでSSSまである」


 SSSだけは八百一から千までらしいけど、ここに辿り着く前に普通は等級を上げるので気にしなくていいらしい。


「等級はダンジョンコアを破壊し、その欠片を神へ奉納すればあがる。これもみんな知っているな?」


 綿貫先生が振り向き、クラスをぐるっと眺めるが誰も反応しない。

 まぁ当然だよな、冒険者志望しててこのあたりの話を知らないやつなんてよっぽどレアだ。


「さて、それでも念押しさせてもらうぞ。ステータスをカンストさせての昇級を狙うのは修羅の道だ。まず不可能なので狙わないように」


 ステータスは上がれば上がるほど上がりにくくなる。

 つまり、カンストさせての昇級はダンジョンコアの欠片を奉納してのそれより遥かに難しい。

 その代わり、もし出来れば通常選びえないスキルを神様が選んで付与してくれる。

 それこそ死者の蘇生だって叶えられるかもしれないレベルのスキルを。


「まぁ、ステータス値の平均が四百、Bランクくらいになったら昇級を狙うといい。あまり低いランクで上げると将来後悔するからな、よく考えてから昇級しろ」


 等級が上がるとステータスの値が一になるんだよな、たしか。

 もちろん、ただ弱くなるわけじゃなくてそれまでのステータス値の半分が引き継がれるから同じランクまで上げればずっと強くなる。


 ま、当分ダンジョンには入れないから俺たちにはしばらく関係ないけどさ。


「それから、昇級前には必ずクエストポイントを確認しておけよ。昇給した時にポイントが足りなくて欲しかったスキルが手にはいらなかったなんて話は毎年あるんでな」


 その肝心のクエストポイントも学内冒険者ランクを上げて上位のクエストを受けないと雀の涙なんだよなぁ。

 そりゃ、Fランククエストの代表格、草むしりをこなしてスキルゲットなんてありえないのはわかるけど。


 学内冒険者ランクを上げるのに効率のいいダンジョン探索系の学内クエストは、そもそも学内冒険者ランクがD以上じゃないとダンジョンに入れないという罠があったりする。


「諸君らは冒険者の卵だ。冒険者は自らの行動の責任は、全て自分で取るものだ」


 綿貫先生はちらりと俺の方を見る。


 うん、わかってるよ。

 その結果、俺は七桁の借金を背負うことになったんだしな。


「特に魔法使いを志望している者に忠告だが、精神力がギリギリの状態で更に強力な魔法を使おうとするなよ。祈りが聞き届けられる代わりに、寿命や運命等取り返しのつかない物が削られるからな」


 そう言ってため息混じりに肩をすくめる姿をみると、定期的にやらかす生徒がいるのだろう。


 まぁ、死ぬかもしれないってタイミングならそれも仕方がないとは思うけど出来ることならやりたくないな。


「魔物から取れる魔石やアイテムの買い取りは購買部で行っている。外部で買い取りをしている業者もいるが、怪しい業者も多い。外部の業者に売る場合は心するように。ああ、それから無いとは思うが直接神と接触するのは絶対に控えること。触らぬ神に祟りなしだからな」


 ステータスを授かる時、魔法陣を経由しているのは俺たち生徒をを守るためでもあったらしい。

 てっきり直接謁見するなんて不敬だからかと思っていた。


 あれ?

 俺、カオスさんと直接会ってるけど、もしかしたらまずかったか?

 今のところ特段問題は起こっていないし、カオスさんも良い神様みたいだし大丈夫か。


「さて、それじゃ学内の説明をしていくから荷物を持ってみんなついてくるように」


 その後、決闘場を始め屋内プールや体育館、武道館などといった施設の見学を行った。

 どの施設も魔法が掛けられており、冒険者が多少暴れても問題ないようになっているそうだ。


 ただし、一般校舎はそうじゃないので気をつけろといわれたが、そういうのはもっと早く言って欲しかった。

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