一話
「今日も来たです」
「帰って下さい」
おのれ・・・折角遊びに来たのにもう帰れとはなんたる非道!
「いやなのです、帰りたくないのだよ」
「そんなの知りません、帰って下さい」
なんでこいつは俺を帰らせたがるのだろうか?
「なんでだよ!そんなに・・・そんなに俺のこと嫌いかよ!」
「・・・むしろ今までの私に対する扱いでなんで嫌われてないって思えるの?」
「たいしたことなんてしてないだろ!せいぜいプライドをズタズタにして泣かせたり言葉攻めして泣かせただけだろ!」
こいつの泣き顔は凄くかわいいので泣かせたくなるのもしょうがないよね!?
「どうしてそれをたいしたことじゃないって思えるのかな?」
「実際たいしたことじゃないじゃん!それに最初にここに来たときもモンスターをぶっ飛ばしはしたが殺しはしてないし!」
「そういうことじゃない!普通は嬉々としてプライドを折りに来たりしないからね!そんなこと平然とする人に好意を持てる訳ないじゃない!」
「・・・何も聞こえないナー」
しょうがないだろ。これが『俺』の趣味なんだし、『あいつ』は絶対にこんなこと出来ないけどな!
「嘘をつくな!絶対聞こえてる!」
「お前がまた魔王口調で喋れば考えてやる」
「・・・ねぇ、モンスターになめられないようにやってたけどあの口調って冷静になったら凄く恥ずかしいんだけど」
「で?」
「うぅ・・・汝、戯言を抜かすな、真実を問うぞ!・・・聞こえてたよね?」
「うん!しっかりね!これが俺なの!変えようがないのです!・・・勿論変わる気もないぜ!だから今日もお前を泣かす」
うん・・・残念だけどこれは決定事項なの。覆せないのよ。だってこれが僕と彼女の運命なの。運命なの
「・・・絶対にアンタの思い通りになんてならないから。絶対に泣いてなんてやらないから」
・・・そういえばこいつ今日はスカート履いてるな。いいこと考えた
「な、なに?なんで近づいてくるの?まさかまた攻撃を・・・」
「いんや、違うよ?・・・それでしか女を泣かせられない奴はただのクズなんやで?」
「・・・先ず女の子を泣かせてやるなんて考えが既にクズだと思う」
「ひゃははははは!どうとでも言えばよい!」
なんだか俺の方が魔王っぽい気がしてきたが気のせいだろう
「ねぇ!もうアンタの方が魔王っぽいんだけど!」
・・・おい、言われたぞ。俺が
「自分で思ってたことを口に出すんじゃねええええええ!」
「ひぃ!情緒不安定すぎるよぉ!」
「あれ?口に出す?それってまさかフェ
「言わせないからね!?自分で言った言葉に自分で反応しないで!」
「・・・ちっ」
おっといけない舌打ちしちまった
「・・・それで私を泣かすって?どうするつもり?言っとくけど私はちょっとやそっとじゃ」
「こうするんだよ!!」
そうして俺はおもむろにスカートを捲り挙げた。じっくり見れなかったので内容は確認できんかった
「キャアアアアアアア!なにするの変態!」
「褒め言葉として受け取りますね~」
ほら、既に涙目になってる。やっぱり素晴らしいな、こいつの泣き顔は
「よ~し!泣かせたから今日は俺の勝」
「どうしましたか!ひ・・・魔王様!」
・・・ちっ雑魚共がワラワラと沸いてきやがった
「よ、よく来たぞ皆の衆!この無礼者を引っ捕らえよ!」
あ、いつの間にか魔王モードになってる
「ま・た・か!またお前か!お前いい加減にし」
「サンダーショック」
『うがあああああああああああ!』
まぁこんな奴らが束になって掛かってきても一撃で倒せるんだがな!お~バタバタと倒れてってる。面白~い
「・・・相変わらず容赦がないな貴様は」
「そのキャラ辛いんだったろ?やめたらどうだ?隠してても城の連中皆知ってるぞ」
「・・・うるさい黙れ」
「嫌だね!ねぇねぇ隠してたつもりが全部ばれてたってどんな気持ち?ねぇどんな気持ち?教えてよ」
あっ、泣き出した。こいつやっぱ口喧嘩ザコだわ
「泣き顔ごちそうさまです!」
「うるさいバーカ!」
わーお、なんでこんなに怒ってるのかな?
「待って!どうしてまた近づくの!?」
・・・最後にこいつのパンツの柄を確認するか
「やめて!近づかないで!なんか怖い顔してる!」
「ぐひひひひひ」
おっとゲスな笑い声が出たな。でも怯えている表情が素晴らしいから結果的にはよしとしよう。雑魚共は・・・起きてるな。だが最早喋る体力も起き上がる体力もないらしい
「笑い声が怖い!ねぇ何されるの私!」
そうして俺は魔王の前に立つと
「そ~れ、中身を開帳っと」
スカートを脱がした。・・・成程縞々だったか。なんか声にならない悲鳴が起きてるがきっと気のせいだろう。喜べ雑魚共、お前らの大好きな魔王様のパンツだぞ
「お前・・・結構かわいいパンツ履いてるな」
「~~~~~~~!」
あれ?なんか手が上がったぞ?何するつもりなんだこいつは・・・俺に何しても無駄だって分かってるだろうになぁ!
「最っ低!」
「グボァ!」
痛い!何故か今のは凄い効いたぞ!チート持ってるのに!チート持ってるのに!
「アンタはしちゃいけないことも分かんないの!?ホントに最低!」
痛い痛い!・・・でもやっぱり泣き顔最高だ!今回は泣きながら踏みつけるっていう状況だ!痛いけど眼服だぜ!
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
おっといけないな・・・ドMみたいなことを言ってしまった!当たり前ですがわたくしはMじゃないですわよ?
「気持ち悪い!気持ち悪い!なんで踏まれて喜んでるの!?」
風評被害なのである
「違いますぞ!拙者踏まれて喜んでるのではありませぬ。ただ貴女様のその表情が素晴らしいと思った次第なのです」
「変態!分かってたけどやっぱりアンタは変態だ!」
「褒め言葉です!」
「もう誰か助けてよおおおおおおおお!」
いやぁ今日は実に素晴らしい日でしたね。魔王の履いてるパンツも分かったし。・・・チート持ってるのに何故かビンタとか結構効いたのは謎だけど
「助け求める前にスカート履けば?そもそもなんで脱いでんの?早く履かなきゃそれも脱がすぞ」
「アンタが無理矢理脱がしたんでしょ!しかも今握りしめてるでしょ!・・・やめて!手を伸ばさないで!」
・・・ちっ、まぁいいや。この大勢が見てる中でスカート脱がされるということを受けさせたんだし。
「・・・クソ!しょうがない。今日はこの辺にしといてやらあああああああ」
「スカート持っていくなああああああ!」
・・・はい、その後は流石にまずい気がしたので返してあげました。いや~俺って優しいね!返しに戻ったときに金的を思いっきり蹴られたがあの表情が見られたのなら安いものだ
はい、今日という日はこんな感じで終わったのです。めでたしめでたし
そしてまた明日が始まるのだ
ちょっと主人公が変態過ぎた気がします