プロローグ
ふむ、実に唐突だがどこだここは?なんもないぞ
「というか、そもそも俺は死んだんじゃなかったっけ?」
おっと、自己紹介が遅れて申し訳ない、俺の名前は春川美乃、女みたいな名前だが男だ。もっと言えばついさっき工事現場の事故で死んだごく普通の高校生だ。ちなみに何もないときの趣味は独り言です
・・・うん、なんとなく誰かに話しているように自己紹介してみたが・・・虚しいな
「そもそもなんで俺は死んだことをこんなに簡単に受け入れられているのか?・・・日本にいたときに自覚がなかっただけで、実は狂人だった説を唱えてみようか」
わーお、自分で言っときながら凄く納得しちゃったよ?きっとこんなにノリが軽いのも俺が狂ってるからなんだナ
「・・・正直自分で自分のことを狂ってるって言っといて悲しくなってきたヨ」
じゃあ言うなって思うが無理だ、これが俺だからだ
「カタカナっぽい語尾も正直面倒くさくなってきたな・・・」
そうやって俺が再び退屈を持て余していると、声が聞こえてきた
「・・・なんだか、愉快な人が来てしまったようですね」
なんだか硝子や水晶玉のように透き通っているような声が
「・・・おや?なんだかとても美しい声ですね?どなたなのです?」
え?さっきから俺のキャラが定まってないって?いつもこんな感じだから気にすんナ
「私は所謂女神というものです。とても残念なことですが貴方はもう」
「ウン。死んだんだよネ?分かってるよ」
俺がそういうと目の前の(自称)女神さまは驚いたように
「あの?死んじゃったんですよ?どうしてそんな簡単に受け入れられるんですか?それに緊迫感が感じられないんですが・・・」
「ありゃ?何を言っているですの?女神サマ、死なんて物は理不尽だろうと何だろうと突然やってくるですよ?たまたま俺がその対象になっただけじゃないですかー。よくあることダヨ」
「いや、あのですね?普通死んでしまったらもう少し焦ると思うのですが・・・」
・・・焦ったところでなにが変わるわけでもないしそんなのやるだけ無駄な気がするんだ
「え?普通?普通とはなんなのか、そんなものは人の数だけあるのではなかろうか?人一人がそれぞれの普通を持っているのです」
「あの?話は通じてますか?」
「・・・安心して下さい。通じてます」
通じてるからふざけているのよ
「それはよかったです。それで本題ですが・・・」
「なんです?まさか異世界転生でもするんですか?」
「・・・待って下さい、どうして分かったんですか?」
「ハッハッハ、適当にいっただけなのだよ」
いやぁ・・・まさか図星だとは思いませんでしたが
「貴方は楽しい人ですね。・・・でも分かって下されば話は早いです。どうですか?異世界に行ってみませんか?」
「喜んで」
当然答えは即答だ
「・・・即決ですか。でもそれなら話は早いです、それではこの中から能力をリクエストして下さい」
わーい、能力を自分で決められるってさ!嬉しいな!よっしゃあああああああ!
「・・・力を・・・とにかく・・・何事にも負けない無敗の力を・・・俺に・・・寄越しやがれええええええええ」
「ひぃ!」
「おや、怖がらせてしまいしたか、我が女神様、私紳士としてあるまじき行為を・・・どうか・・・お許しを」
「じゃあ普通に喋って下さい!」
「すいません、嫌です」
「それならせめていきなり大きな声出さないで下さい!」
「それならオッケーです」
ふざけるのは僕のアイデンティティなのさ。だが行き過ぎると人はそれを狂気とも言うかもしれないし言わないかもしれない
「さっきのリクエストだと、こんな能力は如何ですか?」
「いいですね!ではそれで!」
「ちゃんと見て下さい」
「はい」
俺の目の前に画面的なものが映し出された
『『絶対者』あらゆるものを超越する力を得る。魔王や勇者、果ては魔神すらも圧倒する絶対的な力』
「ひゃっふうううう!最っ高にクレイジーな能力だぜ!よし決めた!これにする!」
「・・・あの?正直自分で勧めた能力ですが、他のにするっていう選択肢は・・・」
「あ?何言ってやがりますか!男は皆こんなめちゃくちゃな力が欲しいのよ!」
「は、はい、分かりましたではこれを」
「ありがとうございます!それではいざ異世界へGO!」
「あ、あのですね、まだ説明は終わってな」
そんなことは知らん、この能力を手に俺は暴れてやるぜ!手始めに魔王を撃破してやろうじゃないか!
こうして俺は異世界に飛び出して行きやがった訳なのです、マル
文法がおかしいのは仕様です