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始まりの刻 1

やっと目処がつきました。

誰か読んでくれてるかなぁ~(汗)



『おや、珍しい。今日は森に入らないのか?』


からかうような声色で話し掛けてくるペティーを無視してオレは小屋の裏にある草原に寝転がり、流れる雲をぼんやりと見ていた。

答えのでない疑問がぐるぐると頭の中を回る。


なぜ、ここへ戻ってきてしまうのか。

どれだけ真っ直ぐ進んでも、見たことのない景色の中を駆け抜けたとしてもーーー

必ずここへ戻されてしまう。


一定の条件がある事にも気付いた。

空が茜色に染まり夜の帳が押し寄せると丘が見えてくる。

いつも景色は違うが必ず見晴らしのいい丘に出るのだ。

そこから見えるものは……


『アル、お前さぁー。自分が何度森を抜けようとしたか知ってるか?』


溜め息を吐きながらペティーがオレの胸にピョンと飛び乗った。

本人(?)曰く、高貴な精霊だというこのペティー。

見た目は少し胴の長い、毛色が真っ白でふっかふかなリスである。

オレが物心いた時には既に肩へ乗っていた。

なんでも死んだ婆ちゃんと契約してるとかなんとかでオレの側を離れた事がない、口うるさいのが玉に傷だがなんとも律儀な奴である。


ペティーは胸の上で丸くなりながら、その長くふかふかした尻尾でオレの鼻先を擽ってくる。


『おらおら。お前が馬鹿みたいに森へ無駄足を、何回運んだか知ってるかって聞いてんだ』

ーーーうざい。

オレは乱暴に尻尾を掴み、ペティーを地面へ引きずり下ろした。


「……百から先は数えてない」


名誉の為に言っておくが、それ以上の数が数えられない訳ではない。面倒臭くなって数えるのを止めただけだ。

ペティーがやれやれとばかりに腰に手を当て溜め息を吐いた。


『730回の無駄足記録更新達成だよ』


無駄足記録更新てなにそれ、ヒドイ。


「せめて根気があると言ってくれ」


地味に傷吐いたオレはごろんと寝返りをうち、ペティーに背を向けた。


草が擦れ、青い香りが心地好くオレの鼻を擽る。

どっかの毛玉ヤローの動物臭とは大違いだ。


『アル、今俺様にたいして失礼な事考えただろ』


「とんでもございません、高位精霊ペティー様」


恐るべし、動物の勘。


『……まぁいい』


ふんっと鼻を鳴らす音が聞こえた。


『何度も聞くけどさぁ、アルは何でそんなに森を抜けようとするんだ?ここは婆さんが残してくれた家に畑、森の入り口には山菜やキノコに豊かな木の実があるだろ。澄んだ小川も流れてる。狩りをすれば適当な獣が狩れるじゃないか。これ以上、何を求める?』


ああ、そうだな。

確かに生きていくだけならこれ以上ないって環境だ。

それに何よりもーーー


『ここにいれば安全なんだよ、アルフレッド。婆さんはお前を何て言って育ててきた?小川に写るお前の目の色髪の色を、婆さんは何て言った?』


「忌み嫌われし黒の色、だろ。」


魔力が高い証とも言ってたっけな。

だからお前はこの森の入り口に捨てられていたんだろう、ともな……。




次は2だぁー!

やったるでー!

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