第8話 異次元ビ〇ォーア〇ター
某TV番組のパロディです。
こんばんは、天法院美空です。
何故、こんばんは、なのかと言うとMTポリスでは今、夜だからです。いかにも当然のようにさらっと言いましたが、私は今「MTポリス」にいます。因みに今はMTポリスの街中をコウヤ君と2人で歩いています。夜なので町には街灯に灯りが灯っていますが良く見ると電球ではありません。…また例によって例のごとく魔法ですね。こんなに順応してしまっている私は自分で自分に呆れつつコウヤ君に付いていきます。
そうすると1つのマンションの前にたどり着きました。ここにコウヤ君の家があるのでしょうか?マンションの中に入り、2階に登り通路を進むとコウヤ君が1つのドアの前で立ち止まりました。そして腰に付けたカードホルダーからカードを1枚取り出しドアの鍵のマークにカードをかざすとカードが吸い込まれていき「ガチャッ」というドアの解錠独特の音が聞こえました。
ドアを開けるとそこには───
なんということでしょう…お世辞にも綺麗とは言えない部屋がそこにありました。脱いだ服は置きっぱなし、食べ終わったカップ麺のカップも置きっぱなし。床は足の踏み場も無い程に物が散らかっています。その光景を目の当たりにして幻滅しているとコウヤ君が急いで部屋に入り、何かいじってから出てきてドアを閉めました。そして待つこと5秒…何故か「チンッ」と音がしてからもう1度ドアを開けるとそこには───
なんということでしょう…あんなにも汚かった部屋が5秒で綺麗になりました。置きっぱなしになっていた服等は全て収納されて、ごみはごみ箱に捨てられあの床には塵1つ落ちていません。…言わずもがな魔法ですね。冬の炬燵は人をダメにすると言いますが、この場合は魔法が人をダメにする、ですね。
「さあ、美空さん、上がってください」
コウヤ君がそう言うので部屋に入るとこの家にはたった1部屋(この部屋)しかありませんでした。…ちょっと、いや、かなり2人で暮らすには狭いですね。そう思っていると…
「ちょっと待っていてください」
そう言ってコウヤ君はドアの横の壁にあるモニターをいじりながら…
「美空さんは洋室と和室どっちが良いですか?」
「えっ…洋室ですね」
何を言っているのでしょう…コウヤ君は。たまに理解できない事を言って来ますね。…でも、また何かあるのでしょうか?
「では、オープン!」
コウヤ君はさっき入って来たドアを開けるとそこには───
なんということでしょう…明るい木目調のリビングが現れたではありませんか。ゆったり座れる広々ソファーにその高さにあったテーブル。更には解放感溢れるシステムキッチンまであります。…何処から現れたのでしょう?まあ魔法ですよね。分かります。
「このマンションは自由に部屋を作り変える事が出来ます。魔法が組み込まれているとのことですが詳しくは知りません」
ハハハ…やっぱり、全部、魔法の所為だ!!なんですね。
「美空さんの部屋も作りましたよ」
「私の部屋も?」
「この部屋です。好きに使ってください」
「あ、ありがとう、コウヤ君」
そして私の部屋はさっき言った通り洋室でした。中々いい部屋ですね。ベッド以外何も無いですけど。荷解きをしてリビングに出るとコウヤ君が机に夕食(来る途中で買ってきた)を並べていました。そしてコウヤ君と始めて食べる食事…とても幸せでした。その後、お風呂(これも新しく出した)に入り、今日は寝ることにしました。壁1枚挟んだだけなのに1人で部屋にいると寂しく感じますね。少し心細い思いをしながら眠りにつきました。