第70話 目的
ビルの間を縫うように駆け巡る閃光。それを撃ち落とさんと漆黒のレーザーが三本、ビルをも貫通しながら飛び交い。それらを放つ人間も三人。全員が同じ、美空もよく知る顔をしていた。
「ソウタ君!?どうして…」
右へ、左へ、時には一回転旋回してレーザーを回避する閃光。閃光の通った後を羽のような物が舞っていた。その形は、
「トライアングルフォース…コウヤ君!?嘘…ですよね?コウヤ君がソウタ君と戦ってるなんて…」
美空は状況が理解できぬまま、激しい戦闘を前に立ち尽くしていた。閃光が跳ね返したレーザーが大きな衝撃と共に地面を抉る。それに驚き美空が目を見開くとまたも思いがけないものまで見えてしまった。
(レイコまで!?)
ソウタの後ろで倒れているレイコの存在が更に美空を混乱へと追い込んだ。
(違う、驚いている場合じゃない!!レイコを助けないと、コウヤ君の役に立たないと)
深く息を吐くも粗い呼吸は治らない。それでも美空は戦場へと踏み込む覚悟を決めた。
◆
逃げ続けた閃光も遂に動きを変えた。飛行状態からビルの外壁に対して垂直に着地し、下から迫り来るレーザーに向かい合う。右の一本に剣を振り下ろし相殺し、すぐにUターンして戻って来る残りの二本に振り返る。今度は左を盾に任せ、中央のレーザーの軌道を右へと曲げ、受け止めた左のレーザーの軌道も反対へと向かわせる。左右からの攻撃であっても鋼也の顔は涼しいままだった。翼に再び力を込め、優雅に飛び立った。二本のレーザーは軌道を変更する前に交わり、消滅した。
攻撃を掻い潜った鋼也は勢いをつけてソウタへと急降下した。三人の内一人に照準を絞り突進すると、分身体であった為何の抵抗もなく貫通した。再び飛翔してレーザーを掻い潜り二人目に剣を振るう。またも斬ったのは分身。2体の分身は霧のように消滅し、残ったソウタは上空の鋼也を睨む。
『タイマンが望みか?『極陰』!!』
「トライアングルフォース──シールド──」
ソウタの放つレーザーは今までのとも一線を画す威力とおぞましさなのが、離れていた美空にも分かるほどだった。対する鋼也は自らの羽を構成する四芒星の形をなすパーツを3つ分離させ、その頂点で型どられる正三角形に光のシールドを展開した。
『ハアァァァァ!!』
「…」
光と闇、矛と盾が二人の間でせめぎ合う。ソウタが自らの銃を経由して体内のMPを流し込むと銃が変形し拡張され、銃口から溢れんばかりにレーザーを解き放った。にも関わらず、鋼也は目の前で亀裂の入るシールドには目もくれず、剣を真っ直ぐソウタに向けて構えた。こちらも剣に力が流れ、眩しく光る。
「…!!」
シールドが割られた瞬間、コウヤは目を見開き迫り来る闇へと突撃した。輝きを放つ彼の剣は闇の抵抗もものともせず、切り裂く。シールドの為に使用していた羽の一部も元の場所に収まり、光を取り込んで一撃の推進力となっている。
『グッ…グアアァァァ』
シールドを割る為に全力を注がれたソウタの攻撃では、相手を斬る為に力を注がれたコウヤの一撃を相殺することはできない。ソウタは纏っている闇ごと輝きに呑み込まれた。
後はソウタを斬るだけ、そう思っていた鋼也の目に映ったのは、
「レイコっ!!」
人質にされていたレイコを必死に庇う美空の背中だった。
鋼也「夏ですねー」
美空「本編2月ですけどねー」
鋼也「コンビニとかにあるかき氷系のアイス食べたい」
美空「あれ、結構添加物多いんですよ?」
鋼也「それでも!!赤色何号でも良いから食べたい!!」
美空「じゃあこちらなんてどうですか?」(血糊)
鋼也「ギャァァァァァ!?」
美空「涼しくなりましたね」
鋼也「よくもやってくれましたね。ならこれだ!!」(扇風機)
美空「きゃっ!!」(謎空間で夏の為、ミニスカ)
鋼也(逆にアツくなった)
この後、めちゃくちゃシメられて涼しくなった。




