第56話 膝枕の破壊力
ほわわわ、こ、こんな日が来るなんて!!これがコウヤ君のぬくもり、コウヤ君の臭…はっ!!
こほん、こんにちは、天法院美空です。
今の見てましたよね?…そうですよね。誤解がないようにちゃんと説明します。どうしてハレンチな風になっていたのかというと、
「美空さん?」
「ほぇっ!?な、ナンデスカ?」
「本当にこんなことで良いんですか?」
「は、はいっ!!こんなことどころか、至上のご褒美と言うか、最悪の苦行と言うか…」
私から頼みました。コウヤ君が何でもって言うからつい魔が差しました。でも後になって幸福と共に罪悪感を感じその狭間でとても辛いです。
「苦行なら止めましょうか?」
コウヤ君が立ち上がろうとするのですぐに腰に手を回して止めました。
「い、いえっ!!さっきのは言葉のあやと言うか…」
「ふふ、変ですね」
コウヤ君は座り直し微笑んでくれました。それだけで許されたように思えてしまう。
「それで、言いたいことって何ですか?」
でも、伝えないといけない。私の決意を。
「私…さっきコウヤ君が行った後、煌治さんが来ました。あの人の権力の前に何もできないのが分かって、怖かった」
「…」
コウヤ君は驚きもせず黙って聞いてくれました。
「だから、煌治さんを遠ざける為に決闘を挑みました。私が勝ったらもう二度と私達に関わらない。でも、もしそうならなかったら私は煌治さんと婚約します」
「っ!?…なんで、なんでそんなこと…罠かもしれないのに」
「さっき私が怖かったって言いましたよね?」
コウヤ君は首を小さく振って頷きました。コウヤ君の体がわずかに震えているのが接している頭越しに分かりました。何故なのかは分かりませんが。
「怖かったのは、コウヤ君に迷惑をかけてしまうと思ったから」
私はコウヤ君の頬に手を伸ばし指を滑らせます。
「だから、私が決着を付けます。それに罠があって私がいなくなってもコウヤ君は…大丈夫、でしょう?」
悔しいけれど、私はまだコウヤ君にとって必要な存在になれてない。それでコウヤ君に迷惑をかけるなら───
「そんなこと、ないです。そんなこと、言わないでください」
コウヤ君が私を抱えて抱きしめました。
「え、ちょっとコウヤく」
「美空さんのおかげで僕は…前に戻れた。それに……だから美空さんは僕が守らないといけないんです。だから、そんなこと言わないでください。美空さんは僕にとって…」
途中聞き取れない箇所がありましたが、私はそれどころじゃなくて…それでも体温と一緒にコウヤ君の気持ちが伝わって来て、暖かかったです。
「…って、ななな何してるんだ、俺!!ごめんなさい、急に変なことして。忘れてください!!」
すぐ離れてしまったのは残念ですが、
「コウヤ君の気持ちは伝わりました。嬉しいです。そんなこと言ってもらったこと、あまりなかったから」
「美空さん」
「だから、ずっと覚えてますね」
「だ、だから忘れてくださいって!!思い出すだけでも恥ずかしい」
そう言ってコウヤ君は私の部屋から出て行ってしまいました。ちょっとからかっちゃいましたし、しょうがないですが、
「もうちょっと、膝枕堪能したかったな…ハグも良かったけど…私も何言っているんだろう」
決闘の前日、準備もせずこんな甘い体験の余韻に浸かっていますが今までとは違って負ける気がしません。
作者「珍しくラブコメしてた気がする」
鋼也「「珍しく」じゃねぇよ!?あんなタイトル付けたの誰だ!!」
作者「え?この作品のタイトルは『トライアングルフォース~都会と魔物と馬鹿ばかりのこの世界に(ry~』だろ?」
美空「見事に都合悪いところ削除して言っちゃいけないネタを入れましたね」
作者「インスピがレーションしちゃったから仕方ない」
鋼也「インスピレーションの域越えてパクりだな」
美空「そうですね。度が過ぎると私達削除ですからね」
作者「例え削除されても皆の心の中に残り続ける!!なんてことはなくて心に穴が開くからな。それよりお二人さん、本編でかなり恥ずかしいことしてたけど平気なの?」
お二人さん「…」←めっちゃ恥ずかしい
作者「と言う訳で要望通りラブコメやっても結局悶える主人公達でした。まったねー」




