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トライアングルフォース~都会と魔物とラブコメと~  作者: INONN
第1章 全ての始まり~チートと美少女と想い人と~
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第5話 告白!?

 コウヤ君は一瞬にして それ(・・)の真上に移動していまし た。どうやったのかは全く見当がつきませんが、私を助けてくれました。それが何より嬉しかった。

 そんな幸せを噛み締めている私は天法院美空です。

 そして先ほどまで戦っていたコウヤ君は鎧と翼を消した後、申し訳なさそうに顔をうつ向けながらこっちに来ました。


 「どうかしましたか?」

 「あっ、いえ、あの…」


 相変わらずしどろもどろなコウヤ君…殺気立っているのは戦っている時のようです。そしてコウヤ君は…


 「…すみませんでしたっ!!」


 また、土下座をして来ました…ここまで簡単に土下座すると威信も誠意もないように思います。


 「えっと、何かコウヤ君が悪い事をしましたか?私としては感謝しているんですよ。コウヤ君が(・・・・・)また助けに来てくれて」


 「コウヤ君が」を強調するもあまり気付いていないようです。


 「実は、貴方の事を利用しようと考えていました…魔物によく(・・)襲われる貴方を囮にして魔物を簡単に狩ろうと思ったのです。昨日お渡しした物は御守りとは名ばかりでGPSのような機能があり、その機能を使って監視していました。ですが、到着が遅れて貴方を危険な目にあわせてしまいました。どうか二度と同じ事をしないのでお許しください」


 コウヤ君は外なのに正座のままで言いました…魔物って何でしょう?先ほどのような物を指す言葉でしょうか?…それより、コウヤ君が「美空さん」って呼んでくれないのは何故でしょう?少しショックなのですが…


 「…別に構いませんよ、そんな事。だってコウヤ君がちゃんと助けに来てくれたんだから」

 「…本当ですか?許してくれるんですか?」

 「はい、でも…少しお話を聞いても良いですか?」

 「はい。勿論です」


 そう言って話し始めたコウヤ君は思わず笑ってしまう程必至でした。



 魔物…私達の世界とは別の世界からの──魔王(・・)からの刺客。この世界の人間の誰にでも少なからずあるマナをエネルギーとしてそれを集める為に人間を襲う。

 魔王…私達の世界の侵略を狙う者。マナから魔物を創り出す事ができる。10年前、世界を滅亡の危機に陥れた魔物のトップ。滅亡の危機はコウヤのような魔物ハンター達の活躍によって免れたが、魔王は健在。しかし簡易的な封印がされており、現在は行動不能。

 魔物ハンター…マナの技術を使って魔物と戦う者達。現在も世界の滅亡を狙う魔物から世界を救っている。

マナ…誰にでもあるエネルギー。マナは魔物に対抗するための武器を使用するときや魔法を使用するときに必要。現在の科学(・・)では発見されていない。

 マナカード…専用のスキャナーに読み込む事で自分のマナで武器を作ったり魔法を使用するときに使う。スキャナーによって身体能力を上げる事ができる物もある。



 一通り説明を受けて、頭を整理しています…予想はしていましたが、やはり難しいですね。でも、1つだけ言える事は、


 「コウヤ君はそんなに危険な世界にいるんですか…何か手伝えることはないんですか?一緒に戦うとか」

 「駄目です。危険過ぎます」

 「でも、いや、だからこそ私もコウヤ君を助けになりたいんです!!」

 「僕だって美空さんをこっち(・・・)の世界に連れて来る訳にはいきません!!本当にこっちは危険なんです!!僕も美空さんを守りきれる自信がありません…でもここにいるならまだ美空さんを守る事が出来ます!!美空さんには傷ついて欲しくないんです!!」


 …これはお互いに告白してしまったのでしょうか? でも嬉しいです。コウヤ君がそこまで思っていてくれたなんて…でも、でも、


 「でも、それじゃあ誰がコウヤ君を守るんですか?誰がコウヤ君を助けるんですか?コウヤ君が私の事を思って言ってくれるのは分かりますが私も同じぐらい…いや、それ以上にコウヤ君を助けたいんです!!いきなりコウヤ君と肩を並べて戦えるとは言いませんが、いつかは同じぐらい強くなってコウヤ君を助けたいんです!!」


 顔を真っ赤にしながら自分の心の内を打ち明けました。とても恥ずかしいけどどれも私の本心です。 コウヤ君は黙って聞いてくれたけど…どう思ったかな?


 「自分の身は自分で守れます…」


 戦っている時と対照的に悲しそうな目で呟きました。


 「ダメですか?」

 「…分かりました。でも、本当に良いんですか?家に帰れないかもしれませんよ?」


 私のことを試すようにコウヤ君が尋ねてきました。本当に小説のような展開ですね。普通に小説ですけど。


 「はい、両親は死んでしまいましたし、叔母の家に居候しているようなものですから」


 別に、叔母の事が嫌いと言うわけでもないし、むしろ良くしてもらいましたが、叔母かコウヤ君か、と言われたらコウヤ君をとりますね。会って少ししか経ってないけどコウヤ君は何故だか信用できました。


 「では家まで送ります」

 「えっ私の家?」

 「はい、準備ができ次第、美空さんの叔母と関係者の記憶を書き換えてから行かなくてはいけないので」

 「…分かりました。じゃあ行きましょうか」


 今までの私の生き方では到底理解できないことが飛び交いましたがこうして私、天法院美空の新しい生活が始まるのでした。

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