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トライアングルフォース~都会と魔物とラブコメと~  作者: INONN
第3章 実践昇華~竜と女神と戦乙女と~
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第47話 ケンカを買う金などない

私事ですが色々と忙しいので今月はもう1話投稿できるか分かりません。それでもまたできた時には目を通して頂けると幸いです。

 「何か文句があるなら来いよ。いるんだろ?カノセ」


 鋼也の言葉が終わり少し間が空き、病室のような引き戸が開く音が静寂を崩し3人の空間を繋ぐ。


 「…もうちょっと近づけよ。そっから話す気か?」


 部屋に入れずにいたカノセに鋼也は苦笑いで言う。恥ずかしくなり顔を俯けて近づき、


 「今回の戦い、良い働きだった。《天空の白鳥(スカイスワン)》、総隊長として礼を言う」

 「いえ、私で良ければ」


 丁寧にお辞儀をするカノセに美空も丁寧に応答をする。


 「さて、貴様の事調べさせてもらったと前に言ったな《天空の白鳥(スカイスワン)》。コウヤ(そいつ)とタッグを組んでいるらしいな、とも」

 「それが何か?」


 まだカノセの言っていることが良く分からず顔を傾ける。

「な、何かと言うと…」と口ごもり、


 「そ、そのバカとはどんな関係だ!?」


 戸惑った末につい声を張り上げてしまうカノセ。内容が内容なだけに美空も顔を赤らめて、


 「ええっ!!えっと…その…仕事仲間ですよ…まだ」

 「そ、そうか。それは良かった」


 最後の方は小声になり、カノセは安心してため息をつく。


 「良かった?」


 近距離故に小声も通ってしまいまたも美空の質問につまる。


 「あ、それは…そんなことより、私のところに来ないか?そうすればその実力を遺憾なく発揮して多くの者を守れるぞ」


 話題を切り替えて落ち着きを取り戻す。


 「私は、多くの人よりコウヤ君を助けたいんです」


 自ら戦いの道に入った目的こそがその答えに直結していたので迷うことなく言った。カノセは聞くも特に反応はなく少し間が開く。


 「…そうか、それは残念だが強い信念を持っている様だからな。私にそれを変えることはできん」

 「いえ、分かって頂ければ別に」

 「さて、話は変わるがまたやってくれたな。器物破損、命令違反。今日という今日はいくら貴様でも罰を受けてもらう」


 冷徹な眼差しで鋼也を睨み付ける。鋼也もカノセの迫力に臆することなく平気な顔をしている。


 「本気っぽいな、今日は。んなら俺と勝負でもするか?」

 「勝負、だと」


 訝しげに尋ねる。


 「ああ、俺が勝ったら罰は無し。カノセが勝ったら…そうだな、万が一そんなことがあったら罰でも何でも受けてやるよ」

 「そんな無駄な事をしなくともこのまま取り締まるだけ──」

 「プラスお前の言う事何でも従ってやるよ」


 カノセの言い分も予想していたかのように遮りその上を行く。「何でも?」と聞きカノセは口元を少し吊り上げ、美空はヒヤヒヤして妙な汗をかく。ろくでもない提案をしている本人は美空の目には笑って見えたので余計に、だ。


 「ずっとカード作りの内職してろでも、町の清掃をずっとしてろでも、何でもござれ。回数制限も無し。更に今なら!!」


 通信販売のような口調で次々調子の良いことばかり言う。


 「タイマン張って瞬殺しても面白かねぇから読者様に免じて俺一人対カノセとお前が本部から選んだ精鋭2人連れて3人、でも良いぜ?」

 「…貴様正気か?「モチのロンでございますよ」ああ、分かった。貴様がどれだけ周りを馬鹿にしているか良く分かった」


 眉間にしわが寄り整っていた顔が崩れる程怒りを露にした。


 「その言葉、忘れるなよ?期日は明後日の昼、場所は本部の闘技場だ。遅れるなよ」


 カノセはそれだけ言うと「邪魔したな」とわざわざ伝えてから部屋から出た。心配になった美空は鋼也の顔を覗き込む。


 「…本当に大丈夫なんですか?疑っている訳ではないんですけどコウヤ君にも何があるか分からないのに。あんな安請け合いしてしまって」

 「なんとかなりますよ。もし負けたって死ぬ戦いじゃないし、そんな戦いだったらいくらだってやってやりますよ」


 軽く笑う鋼也に美空はますます顔を暗くする。


 「うーん、でも」

 「心配性ですね、美空さんは。ケンカを買う金などない、だから売る。それだけのことですよ」

 「でも、何らかの手を仕組まれて負けちゃったらコウヤ君戦えなくなってしまうんですよ?」


 幼い頃から戦闘一筋で他のことがまるでできなそうという事が長い期間一緒に過ごして分かっていた。そんな鋼也から戦闘を取ってしまったら…と思い美空は心配していた。


 「さてと、体は何ともないし今回の報酬でももらって帰りますか」


 美空の心配を他所に鋼也はひょいっとベッドを抜け出し、部屋の外にいたリュウジやリオと話をし始めた。先程のカノセとの事も包み隠さず話すも二人はさほど驚かなかった。その姿を見て、


 (まだ、私はコウヤ君を信じきれていなかったのかな)


 賑やかに話す3人を彼女の目は自分の入る隙のない硬い絆で結ばれた仲間のように捉えていた。

ミニコーナー もしもシリーズ③

もし学園ラブコメ物だったら…

学校の廊下にて美空と不良グループがぶつかる。

美空「きゃっ、ご、ごめんなさい!!」

不良1「ああん?ごめんなさいで済むかよ。こちとら飲みもん服にかかったんだけど。特注の長ランなんだけど…どうしてくれんだよっ!!」←殴りかかる

鋼也「長ランどうのこうのって、今どき改造制服とか古臭ぇなっと」←拳受け止め殴り返す。

不良2「そ、総長っ!!お前、何者だ!?」

鋼也「たまーに《掟破り(フラグブレイカー)》って呼ばれてる一般人ですが」

不良3「ふ、《掟破り(フラグブレイカー)》だと!!ちっ、こんにゃろ、覚えてやがれ!!」

美空「ごめんなさい、巻き込んでしまって」

鋼也「自分から首突っ込んだだけだ。アイツ等また来そうだからな俺と一緒にいな」

美空「え、でもそうしたら《掟破り(フラグブレイカー)》さんが」

鋼也「《掟破り(フラグブレイカー)》さんって。コウヤだ、そこんとこ夜露死苦」

美空「なんだかんだ言ってコウヤさんも古いですね」



なんて変な事考える暇あったらさっさと次書けって話しですよね。やたら長いし。でも時にはこういう息抜きが必要な訳で。そこはご了承ください(切実)

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