表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トライアングルフォース~都会と魔物とラブコメと~  作者: INONN
第3章 実践昇華~竜と女神と戦乙女と~
51/83

第45話 ツンデレな粛清は魔物より怖い

レイコ「少々遅くなりましたが」

美空「明けましておめでとうございます」

レイコ「去年の夏に完結予定が何やかんやで年を跨ぎましたが」

美空「今年も『トライアングルフォース~都会と魔物とラブコメと~』を」

美空・レイコ「よろしくお願いします!!」

 「全員さっさと魔物そいつから離れろぉ!!」


 ビルの屋上にて他の魔法部隊の人の中で必至───強くし過ぎて味方に誘発しないための手加減という意味で───で援護魔法を撃っていた美空は瞬時にその声が頭に入りそちらを向く、希望に満ちた顔で。


 「俺が一撃でぶっ飛ばして殺るからよ!!」


 自分の仕事は露払い。それも普通の露払いではない。と鋼也の短文だけで自らの役割を理解した。彼が力を発揮する上でその露達に被害が及ばないようにすることだ。

 傷を付けずに露を払う方法を美空は前々から考えていた。自分や鋼也が力を発揮する時に味方に被弾すればその償いを鋼也がすることになるだろう。それは回避すべきこととしてその術を優先して鍛練してきたのだ。


 「《白銀の槍騎士(シルバーランスロッド)》、また貴様は勝手にっ!!」

 「ど、どうしますか?総隊長!!」

 「まずは奴を止めて陣形を取り直──「『追い風(ゲットウィンド)』」──なっ!!」


 ゴツゴツとした魔物の背中に緑色の魔法陣が浮かび、その上でカノセ達が話しているがお構い無しに魔法を発動させる。


 「か、体が浮いてる!?これも魔物の能力か!?」

「落ち着け、これは魔物ハンター(我々)の魔法陣だ。だが、これ程の魔法は…」


 カノセはビルの上の方──美空が居るであろう場所を睨む。流石に直視できる訳ではないが配置は完全に頭に叩き込んでいたが故にできたことであった。 しかし、それも意味をなさず魔法陣上にいた魔物ハンター全員がビルの屋上の高さまで上昇気流のような風にあえなく飛ばされた。


 「《天空の白鳥(スカイスワン)》、何のマネだっ!!こんな指示はしていない!!」

 「いえ、指示なら受けましたよ。力があり、総隊長なんか(・・・)よりももっと偉い、神様のですが」


 カノセは今の魔法の使用者であろう美空を叱るが悪びれることもなく逆に煽る。挑発を真に受け怒りを露にして罵声を飛ばそうとすると、下方からガラスでも砕くかのような音がした。その音に驚き下を見る。唯一美空は驚かずに心地よい音楽でも聞いているかのように笑顔であった。



 あけおめことよろ、天文字鋼也だ!!

 本編の途中でも新年の挨拶を欠かさない主人公の鑑だろ?

 さて、今ハイスピードで馬鹿デカイ魔物に突っ込んで叫んだとこだけど二回やったから三回目は割愛ということで。美空にも趣旨が伝わったらしく皆を上空に避難させてくれた。これだけでして欲しいこと理解してくれて助かるぜ。これで…


 「心置きなくぶっ壊せるぜ!!」


 魔物の巨体が更に大きく見えるぐらい近づいてもスピードは緩めず、むしろギアを上げて風を切る。え?このままだとぶつかるんじゃないかって?んなことノープログレムだ。なぜな───

 

 「危ないっ!!」

 「一人称やらせない奴ばっかかよ、って危なっ!!くない?」


 デカブツが俺が来てる時点で悪あがきなのに口に魔法陣を浮かべそこからレーザーを撃って来た。今はその真っ只中にいる。が特になんともない。俺の防御力の前では見るからに危ないレーザーも夏の暑さ程度の苦しさでしかなかった。

 さて、先程の続きだがこのまま突っ込んで大丈夫なのか?と言うことだが心配はいらない。なぜなら、


 「あ、柔らか」


 一般的に考えたらかなり硬い表皮なんだろうがふわふわの雪の山に飛び込んだぐらいの抵抗しかなかった。まるでウル〇ラマンの最終回のゼッ〇ンレベルで柔らかい。例えはまあ分かりにくいが槍を先頭に魔物の体内を貫通していく。


 「おえっ、キモっ!!体液が口の中に入った!!何か酸っぱい!!」


 と思ったら甘かったり辛かったり苦かったりいろんな味が舌を駆け巡る。今は魔物の中だから目は瞑っているが突っ込む瞬間に飛び出た体液は青色だった気がする。変な味がして青いって完全に不味い料理の定番じゃん。美空さんが料理上手でテンプレの変な手料理は出てこないと安心してたのに。うぷっ、吐きそう。

 気持ち悪い中耐えてしばらくすると魔物の長い胴から抜けられたらしく光が見えた。これで助かっ───


 「爆発するぞ!!」

 「コウヤ君っ!!」


 ええぇ、ナニソレやだー黙って朽ちてくれないの?と言ってる間に先のレーザーと似たような光が魔物の体の破れ目から漏れて内部から破裂していった。俺がどうなったかというと、


 「いやっほぉぉぅっ!!」


 爆風を盾で受け更に加速して無傷。サーフィンでもしてるかのように風を切り結構気持ち良かった。そのまま重力に従い着地する。ふいぃ~しゅ~りょ───


 「ギャァァァ」


 そだった、まだ雑魚がいるんだった。一難去ってまた一難って奴だな。いや難ではないか。それに、


 「お前らはもう死んでいる」


 一度言って見たかった台詞を言い終わると同時にどこかで見たことある魔法の雨が密集している魔物達を襲った。その後に残る物はなく横浜の舗装されている地面さえも抉っていた。


 「怖ぇぇぇっ!!」


 敵じゃなくて良かった。美空さんのMPでコレを打ち続けられたら流石に痛いしな。


 「コウヤく~んっ!!」

 「ん、美空さんどうしうぐっ」


 クレーターだらけの地面を見て苦笑いをしていると横から鼓膜を突き刺すような声がして振り向く前に口と視界を塞がれた。


 「大丈夫ですかっ!?魔物の中に飛び込んであまつさえ爆発に巻き込まれて。ど、どこか悪いところはありませんか!?」

 「んーんー」


 唯一使える聴覚で美空さんの声が近くから聞き取れ今顔を塞いでいる物の柔らかさと合わせて状況が理解できた。今、俺は美空さんの豊満な胸に顔を埋める形で美空さんに抱きつかれているようだ。うん、幸せだけど息が苦しい。ここが天国?まったく、悪い、いやけしからんのは君のワガママなお胸だよ。


 「な、何をしているのだっ!!」


 お、この声はカノセか。ナイスタイミングだ、ヘルプミー


 「な、何って…きゃっ!!」


 悲鳴が聞こえたと思ったら急に鼻や口から新鮮な空気が入り、視界には光と灰色のアスファルトが見えた。驚いて落とされたようだ。


 「…気付いてなかったのかよ」


 どうしても激突は回避できそうになく力なくツッコミをする他何もできず額で鈍い音を奏でた。


 「だ、大丈夫ですかっ!?」

 「な、なんとか。体だけは丈夫なので」


 ゆっくり頭を上げて笑って答える。


 「本当に大丈夫か?」

 「お、珍しいなカノセが俺を心配す「貴様じゃない。《天空の白鳥(スカイスワン)》何もされなかったか?」そっちですか…」


 はは、相変わらず辛辣。ひどい言い様。俺悪くないよね!?

 とまあさんざんな日だが遂に俺にも運が回って来たと思われる事例が発生した。それは、


 「きゃっ!!」

 「なっ!!」


 二人の悲鳴と同時に二枚の布がビル風で舞い上がった。ただでさえうつ伏せで倒れたところから顔だけを上げている状況でギリギリ(意味深)だったのに今度は完全にアウト、だ?あ、れ?なんだか息が苦しく…


 「うぐっ…ゴホッ」

 「『窒息ノーエアー』か。見事な業物だが私はスカートの中は短パンなのだが」

 「私もそうですが関係ありません。粛清です」


 ギリギリそんな会話は聞き取れるも理解するまでには至らず意識を手放した。後々考えると今の台詞を美空さんが笑顔で言ってるところが想像できて怖かった。

という感じで年が明けてもやっていきますので飽きない内ぐらいはよろしくお願いします。

追伸、正月イベントは無しの方向でよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ