番外編 清き夜
「もうクリスマスか…今年も一年経つの速いな」
「そうですね、何話で一年になるんでしょうか?」
「そこら辺結構雑ですよね」
そう言って笑い合う鋼也と美空。それでも着々と準備を進めていく。今日はクリスマスイブ、二人はレイコやソウタを招待してクリスマスパーティーをしようという話になっていた。
エプロンに身を包んだ美空のいるキッチンからは香ばしく良い匂いが流れて来る。今日振る舞う料理は美空が自分で全て作りたいと言いメインディッシュからケーキまで一人で用意している。
一方、鋼也はリビングの部屋の飾り付けをしている。本人はそこまで乗り気ではないが美空がノリノリなので手伝っていた。
「ふぅ、こんなもんか。後は…」
頼まれたことは一通り終わり部屋を見渡してみる。クリスマスツリーやリース等、クリスマス感が出ているので良しとした。
「そうだ、冬っつったらアレが必要だよな」
気がついたことに頬を緩ませ早速倉庫に向かう。鋼也が出てきた時にはいつもリビングで使っているテーブルより小さい正方形の物と布団を持っていた。
「ふふふ、ふふふ、ふ~ふふふふ♪(桜花〇漫)」
鼻歌を歌いながらそれをセットする。そして最後に電源に繋いで自ら入ってその効果を確かめる。
「はぁ~やっぱ親密な───は流石に駄目か。炬燵だな、炬燵。あーやっぱ良いなぁ、炬燵」
炬燵に両手両足を入れて机に頭を横たえる。
「机は冷たいけどむしろそこも良いんだよな~あ~何だか眠くなってきたな~でもまだ準備が…ま、粗方終わったから良いかぁ~…ZZZ」
独り言で言い訳をして炬燵の誘惑に屈服した鋼也はそのまま後ろに倒れ眠りについた。
それからしばらく経ち、
「コウヤくーん、ちょっと味見を…あれ?眠ってる」
キッチンから出てきた美空はすぐに炬燵に負けた鋼也を見つけた。そのあどけない寝顔(美空視点では)に見とれて微笑みを浮かべ、何故炬燵があるのかという問いは優先順位的に無視されて、ある事を代わりに脳が思い付いた。
「…添い寝、してみたい」
添い寝──それは仲睦まじい者のみに許された愛し合う者達にとって至高の一時。恋する乙女がその時を心から望むのは必然と言えよう。
ぐっすり眠っているとは言えいきなり横で寝て良いのだろうかという思いとすぐそばで鋼也の顔を拝みたいという思いが美空の脳内で葛藤していた。
『コウヤ君のこと好きなんでしょ?だったら迷うことなく抱き付いちゃいなさい、バレてもコウヤ君なら許してくれるわよ。本当は私がしたいのにわざわざ譲ってあげてるんだからありがたく思いなさい』
『ダメです!!ここはそっとそばに横たわってコウヤ君の暖かさに触れながら優しくキスしてあげるのが一番です!!そうでしょ?賢くて優しいあなたなら分かる筈です!!本当は私がしたいんですけど!!』
「って本当に葛藤してた!!脳内じゃないけど」
美空の肩に天使と悪魔のような姿をした美空の風貌にそっくりで体の小さな人がいつの間にかいた。二人は美空に語りかける形で口論をしていた。
「悪魔さんは言っていることはダメだけどまあ悪魔らしいけど天使さんはそこ止めなきゃ天使っぽくないよね?」
『いえ、今時の天使は天使らしくないことを言って悪魔を否定するのがセオリーです!!』
『そうそう、だから私達悪魔が『良い子ぶりっ子め』って責められなくなっちゃったのよ。メイワクな話』
「…でどうすれば消えててくれる?」
美空は関係無い話になり(仕向けたのは美空本人だが)耳元で口論されるのが鬱陶しくなりストレートに怖いことを言う。
『私達に不利なこと正直に話すと思うなんて、世間知らずの箱入り娘だこと』
『悩み事を解決するか消えろって思いながら物理でねじふせれば消滅しますよ!!』
『ちょ、何言ってるのよ!!それ言ったら私達の出番ここで「消えて」
正直に答えた天使に悪魔が怒っている最中でもお構い無しに両手で二人を掴むような動作をすると跡形もなく消えた。
ため息をして再び寝ている鋼也に向きなおるとその目は真剣そのものだった。ゆっくりと炬燵の布団を持ち上げ足を入れて静かに体を横たえる。それでも鋼也は目を覚まさず美空はどんどん顔を近付けていく。体はほぼくっつき顔と顔との間が数センチになるまで接近して───
「お邪魔しまーすって、あれ?本当にお邪魔だったみたいだぞレイコ。クリスマス会今日じゃなかったのか?」
とその時さも当然のようにソウタが部屋に入って来ていた。ソウタの視点では鋼也の寝込みを狙っているように見えていた。
「いやいや、今日で間違いな…違う間違いが起きとるな」
ソウタの呼び掛けに応じてレイコもずかずかと部屋に上がっていた。そして二人を見るや否やしばし硬直して珍しく冷静に状況を把握する。
「よし、今年も『竜と女神』でクリスマスは祝うか」
「せやなークリスマスイブのイチャコラマセカップルなんて見たい奴なんて居らんよな。あーあ、サンタさんがリア充滅ぼしてくれへんかなー」
「ま、待って!!ご、誤解!!誤解だから!!」
帰ろうとするソウタとレイコを咄嗟に立ち上がり引き止める。振り返った二人はニヤリと笑っていた。美空はからかわれたことに気付き機嫌を悪くする。
「で、コウヤの寝込み襲う程欲求溜まってたん?」
「よ、欲求!?そ、そんなことじゃ…ただ…」
「「ただ?」」
「…寝てたコウヤ君の顔がかわいくて、つい」
美空は恥ずかしげに顔を赤らめて言う。それを聞くと二人はうんざりした表情になる。
「うぜぇ、のろけるんやない」
「別にのろけてる訳じゃないもん。まだつ、付き合ってもないのに…」
「あのコウヤが…かわいい、だと」
炬燵の前で口々に話してると炬燵の布団がもぞもぞと動き横たわっていた鋼也が体を上げる。
「…ん?おう、来てたのかお前ら」
「あ、起こしてしまいましたか?」
申し訳なさそうに鋼也に尋ねる。
「いやいや、二人が来たのに寝てる訳にもいかないので」
鋼也は美空を心配させないために軽く笑う。それを見て安心した美空はあることに気付く。
「そう言えばどうして鍵を開けてないのに入って来てるの?」
「どうしても何も、鍵貰ってるし、なー?」
「せやなー」
二人の当然と言う顔に美空も「ええっ!!」と驚きを隠せなかった。話を聞けば元々この部屋は鋼也達三人の遊び場として親達が出資して買ったもので鍵はそれぞれで今も所持しているらしい。
「そ、そんな…」
美空は鋼也と二人っきりで生活していると思っていたのにいつでも入って来ようと思えば来れる人物がいたことにショックを受けていた。プラス美空自身はこの部屋で暮らしているのにまだ鍵を貰っておらずこの扱いの差も心に堪えた。
「ま、まあ、炬燵あるのに立ち話もなんだし、ささ、入って入って。暖まろう」
((あ、誤魔化した))
地雷を踏んだくさいと悟った鋼也は話題を咄嗟に変える。しかし全員に意図はバレバレだった。
「じゃあ、料理持ってきちゃいますね」
キッチンに戻る美空の背中を見ながらソウタとレイコは炬燵に入る。鋼也の右にレイコ、正面にソウタという席だ。座るなり二人は軽く睨みを効かせて小声で鋼也に話しかける。
「おい、美空さんに鍵も渡してなかったのか?飯まで作って貰ってんのに」
「せやせや。かわいそうやろ、仲間外れみたいで」
「うるさいな、こんなことになるとは思ってなかったんだよ。そもそも別行動とかあんましないし」
鋼也が弁解するも二人の軽蔑の眼差しをやめなかった。そうこうしていると美空が料理を運んできたので慌てて鋼也は立ち上がり手伝い机に並べていく。美空の料理は本格的な西洋のクリスマス料理でソウタも驚き、レイコに至っては涎を垂らしていた。
最後に綺麗に盛り付けられたフライドチキンをのせた皿を美空がテーブルに置く。すると二人も「おおっ!!」と感嘆の声を漏らす。
「飲み物は持って来たぞ。とっておきのを、な」
ソウタの言葉だけで全員が何を持ってきたのか分かったが今回はレイコも何も言わなかった。むしろ「クリスマスイブやし今日は飲むでー!!」と意気込んでいた。美空もこれなら少し飲むぐらいならと思い諦める。※お酒は二十歳になってから
「んじゃ、乾杯の音頭はウチがとるで!!清き夜とミソラの料理に、乾杯!!」
「「「乾杯!!」」」
乾杯を済ませ我先にとレイコがフライドチキンに手を出し皿ごと自分の方に持っていこうとするところを間一髪ソウタが止める。そこからフライドチキン争奪戦が始まり「まだ用意があるから」と美空が止めに入る。
その後運ばれて来た大量のチキンによってフードファイト状態になったがそれぞれ満腹になり炬燵の暖かさもあってか、自然とため息が出ていた。約一名を除いて。
(本当に…もうなんとも思ってない、のか?)
今は美空も笑顔で楽しんでいるが先程の鍵の件でショックを受けていたり、最悪怒っているのではないかと鋼也は気が気ではなかった。一緒に暮らしている上に仕事も一緒なので関係が悪くなることは避けたかった。
そうこう考えているうちに食事は一段落ついていてキッチンから美空がケーキを運んでくる。
「…あれもミソラさんが作ったってことで良いんだよな?」
ソウタは指を指しながらひそひそとレイコに尋ねる。
「そ、そうなんやろな」
レイコも動揺を隠しきれていなかった。その視線は美空が運んでいる───正確には美空が〈風〉属性の魔法で浮かせて運んでいるケーキに釘付けだった。何故なら、
「「で、でかい!!」」
一番に目に付く点は三段となって大きさが際立っているケーキの構造である。
「す、すごいな!!ミソラ」
「これはもうプロのパティシエも顔負けレベルだろ!!すげぇ」
二人が褒める中、魔法を巧みに操りゆっくりとテーブルに置く。その瞬間、ケーキの質量からテーブルが上下に振れて、今まで黙っていた鋼也も目を見開く。
よく見ると生クリームや苺の装飾も鮮やかに施されていた。その豪華さに見とれているうちに美空はケーキを切り皿に分ける。鋼也にも笑顔で手渡された。
(あれ、これはもしかして、怒ってない?)
表情からは気にしているようには見えずひとまず安堵する鋼也は渡されたケーキを頬張る。
「…お、美味しい」
張り詰めた気持ちから解き放たれ自然と涙が頬を流れる。
「なんや、ケーキ口に入れるなり泣き出して。泣き酒か?」
「本当に泣けるぐらいうまいんだよ、流石ミソラさん!!」
「ありがとうございます」
いつも通りで、だからこそ幸せな今の雰囲気が四人を包んでいた。
「どっちだ、どっちがジョーカーなんだ?」
「さ、さあぁ?どっちやろな?」
イブも更けた頃、四人の中で残った三切れのケーキを賭けてなんとなくというか必然というかババ抜きをやることになった。
「ババ抜きも久しぶりにやると楽しいですね」
「そもそもなんでババ抜きなんだ?四人なら麻雀が普通だろ?」
現在、美空、ソウタの順にあがりレイコ2枚、鋼也1枚と最後の戦いを繰り広げられていた。
「イブに炬燵と揃ったらババ抜きだろ。それに麻雀のルールは作者──じゃなくて俺知らん。んーこっちか?それとも…」
「あーじれったいな!!さっさと引けや!!」
「粘ればボロ出すと思ってたら案の定っ、こっちだ!!」
「あぁ、またやられたっ!!」
鋼也は引いたトランプを高々と掲げ、反対に負けたレイコはテーブルにうつ伏せ手にしていたジョーカーを力なく手放す。
「最後のケーキもーらい」
「な、なんでや。なんで分かったんや…」
「なんでって言われても、なー」
「なー」「ですね」
レイコ以外の三人が互いに見合せる。レイコにはジョーカーを何度もチラ見するという癖があり誰にでも一目瞭然でジョーカーの場所が分かってしまう程だった。
しかし、ケーキがなくなった今、これからもう一戦しようものなら王様ゲームになりかねない状況では誰もそれを教えてあげる優しさはなかった。
「うー皆揃ってウチだけ除け者にして…よし、もう一回や!!」
「ババ抜きもやり飽きたし他に何かやる…か?って皆、寝ちまってる」
ケーキを賭けた一戦目から数十分程ババ抜きを続け当然のようにレイコが全敗し、当然のように冷蔵庫に入っている飲み物や食べ物を取りに行かされた。暖かい炬燵から出るというのは罰ゲームに相応しいものだった。
「やっぱり、クリパは楽しいな。去年までおっちゃんやリオさんとお店で飲み食いしてたのも良かったしな。その前は…思い出すのはやめよう」
そう言って自らの手、美空の順にぼんやりと見る。
「忘れよう。思い出したくもない」
犬が毛に付いた水をとばす仕草のように頭を左右に振る。その後レイコとソウタの肩を揺らし声をかけて起こす。
「ん、もう炬燵から出たくない」
「馬鹿言ってないで眠いならさっさと帰れ」
無理矢理に炬燵から引きずり出すと寝惚けてその場に縮こまる。それをひとまず放置してソウタの方に行く。
「あっ、鞭がっ、息子に…むにゃむにゃ」
「ソウタはいい加減寝言で変態晒すのやめろ。ドMか」
美空がまだ眠っているので小さな声でツッコミをいれ、それでもソウタの頭に振り下ろされた手刀の火力は健在で鈍い音を放ち相手に食い込む。
「いだだだだだだっ!!ん、俺は何を…」
「うるさい、美空さん寝てるんだから静かにしろ。つーか喜べよ、お前の性癖だろ?」
涙目のソウタをからかうような声で煽る。「何故それを!?」とソウタは驚くが一旦落ち着き、
「いやいや、俺的には好きな女性からやられないといまいちなんだが」
「何聖夜に性癖についてのマジレスしてんだよ。もう遅いからはやく帰れ」
鋼也が急かしなんとか冬の夜遅い頃の寒い玄関まで連れて行くことができた。
「ミソラさん気にしてなさそうだったけど、一応気にかけとけよ」
「プレゼントにでも添えとけばええやろ」
鋼也はレイコの言葉にピクッと肩を揺らし反応してしまう。ソウタ達も気付きジト目で鋼也を睨む。
「お前まさか…プレゼント用意してないんじゃないだろうな」
「そ、それだけは流石にどんなクズでも…って膝から崩れ落ちてる!!…しゃあないな、ホレ、受け取り」
下の方にいる鋼也に包装されたそれを渡す。
「これは?」
「ウチからミソラにあげようと思ってたプレゼントや。ウチの分よりコウヤからの方がミソラは喜ぶやろうからな、それもプレゼントの内やな。こんなこともあろうかとプレゼントカードにはまだウチの名前書いとらんから、ささっと書いてベッドの横にでも置いとけ」
「レイコ…ありがとう!!良い奴だな、お前!!」
床についていた手で受け取る。
「友達の恋ぐらい応援してやらんとな」
箱の中身を知らない鋼也にとってレイコがこれほど格好良く見えたことはなかった。
「俺からはこれ、お前にプレゼント。開けてみ」
「何が入って…ん、これ」
中にはアルバムが入っていた。
「記憶に残る物が良いと思って」
「ソウタ…」
なんだが幸せな気分になりアルバムを開けて見ると、
美空のカメラ目線でない、どこから撮ったのかも定かでない写真がところ狭しと並んでいた。静かにアルバムを閉じるなりソウタの襟元を掴む。
「おい、俺の感動を今すぐ返せ!!珍しく綺麗な友情の絵だったのに、お前はその感動をぶち壊した!!」
「ええっ、そっち!?」
「後、これ犯罪だから警察行こうか」
襟を掴みながら引きずろうとする。
「待て待て!!ミソラさん意外と鉄壁だったからそっち系の写真はないから、それにコウヤのためを思って」
「…本当に何してんだよ、しかもどうすんだよ、これ」
呆れ顔で鋼也は尋ねる。美空に所持がバレたら鋼也でもタダでは済まないだろう。
「いやまあそこは、今夜のオカごふぁ」
ソウタは言い終わる前にアルバムの角で頭を殴られた。
「今日、ソウタは下ネタしか言ってないからな」
「まあまあ、コウヤも今夜はお楽しみやろうからここら辺でおいとませぇへんとな。ソウタ帰るでーコウヤは頑張っ!!」
レイコは親指を立てて笑う。
「聖夜が性夜にな「下ネタやめい!!」ぐふ、当たり、強い…」
「メリークリスマス」
「め、メリー、クリスマス…」
下ネタを言うソウタにラリアットをかましレイコはそのままソウタと共に帰っていった。
「メリークリスマスってはやくね?と思ったらもう深夜か」
見送りを終え炬燵の方に戻ると美空はまだ気持ち良さげに眠っていた。起こすのも酷だと思い優しく持ち上げ彼女の部屋のベッドに寝かせる。穏やかな寝息で豊満な胸が上下し谷間が見え隠れしているのが目にとまり急いで布団をかける。
「鉄壁なのかそうじゃないのか分かんないな」
苦笑いを浮かべ一度部屋を出て先程のプレゼントとこの家の鍵になるカードを持ち込みベッドのサイドテーブルに置き立ち去ろうとすると、
「…皆、喜んでくれて、良かっ、た…」
小さいながらも良く通る声の寝言が聞こえ思わず鋼也の口元も緩む。起きてしまわないようになるべく物音をたてないように部屋から出たのだった。
次の日の朝、若干二日酔い気味ではあるが美空は早くに起きた。部屋まで歩いた記憶がないので鋼也が運んできてくれたのかと考え頬を染めると、昨日までなかったある物に目がとまる。
「これって…プレゼントと…カード?」
プレゼントが鋼也からの物だと分かり心躍らせて包み紙を丁寧に剥がし箱を開けると…アルバムが入っていた。躊躇う意味もなくアルバムを開けてみると、
鋼也のカメラ目線ではない、どこから撮ったのかも定かではない写真がところ狭しと並んでいた。静かにアルバムを閉じるなり深呼吸してもう一度開けてしまう。顔を真っ赤にして呼吸も荒くし写真に穴が開きそうな程食い付いて見ていた。
「こ、こんなコウヤ君、見たことない!!見たことないコウヤ君がいっぱいで夢みたい!!」
アルバムを抱きしめベッドに倒れる。そこでおかしいことにやっと気付いた。
「これ、コウヤ君からのプレゼントなんだよね…自分の写真渡すって…そもそもどうやってこんな写真撮ったんだろう?あ…」
再度アルバムを見直すと挟まっていたのか小さな紙が落ちた。その紙を拾い書いてあった文字を読む。
『コウヤのプレゼントだと思った?残念、ウチからのやで!!喜んで貰えたやろうか?十中八九大喜びやろうけどな。せっかくだからコウヤから何か貰えたっていう喜びを添えて送りました。追伸、写真提供はソウタより』
「どこからツッコんで良いのか分からないけど…まあ犯罪だけどソウタ君JG」
美空は大切そうにアルバムを閉じ本棚にしまう。次にプレゼントの上に置いてあったカードを手に取る。
「このカードってこの家の鍵の?もしかして、気にしてくれてたのかな?だとしたら嬉しいな」
美空の顔に笑みが自然と浮かび愛用のカードケースにしまい日課となっている鋼也起こしに向かっていった。
「えっと…どういうことですか?」
「だから、ソウタがどこからか盗撮していたらしくこんな物渡して来たんですよ。これ持ってると僕が悪いように見えるので受け取ってください」
起床後、昨夜の件の一部──レイコからプレゼントを受け取ったことを除いた部分を正直に話した。この話の意味をしっかりと理解できた時、ようやく美空に危機感が生まれプレゼントと称して魔法弾を何発が某友人の住宅に撃ち込んだとか、撃ち込まなかったとか。
録画した境〇のRI〇NEのクリスマス回を見て書きたくなりました。次回は年明けにちゃんと本編に戻します。今回が簡単に終われば正月スペシャルでもと思ってましたが流石にキツい(切実)何でクリスマスと正月の間が一週間もないんだろう。昔からよく疑問に思うことです。まあそんなことより、
メリークリスマス!!クリボッチ万歳!!