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トライアングルフォース~都会と魔物とラブコメと~  作者: INONN
第3章 実践昇華~竜と女神と戦乙女と~
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第42話 強くなったヒロインと相変わらずな主人公

久しぶりの1週間以内連続投稿!!

 ちょっ、今!?しばらく来ないと思ったらこのタイミングで一人称来るとか鬼畜過ぎ!!でもそんな作者アナタも…なんてキモいおネエキャラはガチではなくネタだからな。

 という訳で、天文字鋼也、只今参上!!


 「ってそんな場合じゃねぇ!!」


 今俺は横浜のビル街を高速で脚力と《加速する槍(スピードランス)》を駆使して飛び回り後ろから追ってくる3体の魔物───恐竜で言うところの翼竜みたいな奴を撒こうとしてるんだが、


 「くっそぉ、しつけぇな!!これでも喰らえ!!」


 俺は逃げるのはやめて振り返りビルの外壁に垂直に立ち3体の内1体に向かって槍で突き光に変える。他の2体は旋回してもう一度俺に向かって来る。これはもうオワタな。


 「『激流の意志(ウィールストリーム)』」


 翼竜(あ奴ら)が、な。後ろから迫る水をジャンプして避け俺の前にいた翼竜は流れに呑み込まれそのまま地面に打ち付けられた。いやー相変わらず火力ヤバいな、って…


 「あーここ空中だったぁ、おーちーるー!!」


 落ちても問題ないけどな、当たりどころが悪くてもせいぜい細い骨にヒビが入る程度だし。それでも助けてくれる人がいるんだけどな。そうこう言ってる内に俺の体は〈風〉属性魔法で浮いていた。

 そして助けてくれた本人も同じように浮遊して降りてきた。


 「全く、コウヤ君は危なっかしいですね」


 白いローブが似合う美少女、美空さんが少し怒っていた。


 「どうもすみません。いつもいつも…っと」


 まだ生きてた翼竜が美空さんの後ろから襲おうとしてたのが謝っている時に見えて加速して間に入り盾で攻撃を防ぎ槍を持ち替えサクッと殺る。


 「あ、ありがとうございます…」


 美空さんが少し元気が無くなったように見えたから「どうかしましたか?」と聞くと、


 「コウヤ君のこと守りたいのに助けられてばかりの自分が情けなく思って」

 「そんな風に思う必要はありませんよ。お互いに助けあって生きていく。これは魔物ハンターに限ることじゃない。人間全てに言えることなんですから」


 この台詞は格好良くね?って言った瞬間に台無しになるんだよね。知ってます。それでも美空さんは微笑んでくれて俺も笑い返す。

 美空さんがデビューしてから数週間、俺達は息を合わせて戦えるようになり、二人でここら辺ではかなりの実力者になった。



 休みの朝、二人の家のまったりした空気を引き裂くかのように高音が鳴り響いた。面倒くさそうに受話器を取る。


 「…もしもし?」

 『俺だ俺』


 向こうから聞こえる声はリュウジのものだった。


 「詐欺なら他を当たって下さいな。ここにゃピチピチの16歳しかいませんので」


 わざとおじいさんのようにゆっくりとした口調で話しふざける。


 『ふざけてる場合じゃねぇ!!デカいのが来るから全員徴収がかかった。二人で急いで用意して来い』


 リュウジの休日出勤命令を受け鋼也は受話器を置くとため息を付き美空の方を見る。たまの休日に仕事が入り彼女も少し不機嫌そうである。それでもリュウジの声色が本気だったので気があまり進まないながらも戦闘の用意をする。鋼也は元より美空もその用意の手付きは手慣れたもので家を出たのは電話をきってから15分後だった。


 「うーっす」

 「おはようございます」


 ギルドに入るなり挨拶をする。いつもならリオさんなり他の友好的な大人が返事をするが今日は違った。


 「…おいおい、今回はそんなヤバいのが出たのか?」


 中の空気は普段の何倍も重く、二人に事の重大さを物語っていた。美空は緊張は隠せず、鋼也も笑ってはいるがその額には冷たい汗が滑る。


 「今日来れる奴は一通り揃ったな、移動する前に概要を説明しておく」


 リュウジが小さなリモコンのボタンを押す。すると部屋の中心に画面が現れて街中の様子が映る。何の変鉄もない街、しかしカメラが揺れているのか上下にぶれる。その揺れが強くなるとゴツゴツとした外殻が画面全てを覆いそれ以降は何も映らなくなった。


 「壊れたか…結構デカいな」

 「ああ、他の映像、偵察組からの情報で体長30メートルはある。飛翔する翼はないようだがまだどんな力を持っているかは分からん。そこで県中のギルド、並びに魔物ハンター総動員で共同駆逐作戦を行うことが決まった。ここからは今回の総隊長に詳細を説明してもらう。知ってる奴も多いと思うが、《戦乙女(ヴァルキリー)》のカノセ総隊長だ」


 リュウジが一旦下がると鋼也達と同じぐらいの年に見える凛々しい少女が出てきた。胴や関節に金属質な防具を纏い、腰に剣をかけ、長いブロンドの髪を掻き分けるように金属の翼の装飾のある髪飾りを着けている。


 「気を付け!!敬礼!!」


 その少女、カノセは耳が痛くなりそうな大声をあげる。その迫力はその年の子供が発するものとはほど遠いものでその場の全員が従った。ただ一人を除いて。


 「また貴様か…《白銀の槍騎士(シルバーランスロッド)》」


 カノセは自分の命に従わない人間───だらしなく欠伸をしている鋼也を厳しく睨みつけた。それでも動じず態度を改めない鋼也に隣にいた美空が誰よりも恐怖を感じていた。

ミニコーナー モブキャラ紹介⑥

加賀宮かがみや琴光喜コトミ

スミレお嬢様お抱えのメイドにして唯一と言って良いかも知れない親友。更には最強のボディガードをも務める完璧少女です。孤児だったところを拾われて養女になったので名字はスミレと同じです。(前の紹介の時に漢字ふっときゃ良かった)主人公達より一つ年上なのに胸が乏しい(無いとは言ってない)事を表には出さないものの気にしてるクールに見えて年相応(胸以外)の少女でした。

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