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トライアングルフォース~都会と魔物とラブコメと~  作者: INONN
第3章 実践昇華~竜と女神と戦乙女と~
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第40話 成果とアレ

 おーっす、天文字鋼也です。

 お久し振り、しばらく一人称ここに来れなかったから皆寂しかったかなー?って美空さんじゃないからってそこまであからさまにがっかりすんなよ。結局、主人公は俺だったってことだよ!!まあ、ヒロインと一人称ここの座を争うのはこれぐらいにして今日の話行ってみよう!!オープニングぅー、スタートぉ!!って無理か。いつか、アニメ化してこの台詞言ってみてー(流石に無理です)

 え、前回泣いてなかったか?って。いやあれ少年・・って書いてあったけど俺とは言ってないから。俺が泣いてザマァとか思った?残念、少年・・だよ。


 「新たな魔物ハンター(仲間)の誕生に」

 『乾っーい!!』


 おっちゃんの音頭に合わせてジョッキの当たる音と大盛り上がりの話し声がうるさくなったが今何してるかというと、


 「ミソラちゃんの仲間入りのお祝いよ!!さあ、食べて飲んで楽しんでって!!」

 「今日は奢りだからな」

 リオさんとおっちゃんが言ってくれたが簡単に言えば飲み会だ。アレ(・・)ってずっと皆で隠語使ってたのはサプライズでするためだった訳だ。

 ここのギルドを拠点にしてる人達がガヤガヤ騒いでいる。こういう雰囲気は俺は慣れっこだし好きだけど美空さんはちょっと引いてるな。


 「怖がらなくても、この人達は何もしませんよ」

 「そうそう、皆コウヤちゃんの実力知ってるからビビって手なんか出せないわよ」


 リオさんがそう言うと近くで飲んでいた数人の酔っ払いが首を突っ込んで来た。


 「女将さんよぉ、それはひどいぜ。俺らだって家庭があるしそんな獣みたいにやたらめったら女に手ぇ出したりしねぇって」

 「ぞもぞも(そもそも)おらぁ(俺が)ごんきだしゃぁ(本気出せば)どうぎゃなんで(コウヤなんて)らくじょうだぜぇ(楽勝だぜ)


 まあ、その時は俺も本気出してお前なんか跡形もなく消してるだろうから楽勝だな。


 「酔っ払って何言ったって信用無いわよ、キョウジさんにトウツさん」


 酔った客にも笑顔で相手する辺り、リオさんも慣れてるな。流石、『竜と女神』の女神だな。


 「このお料理全部リオさんが作ったんですか!?」


 美空さんも空気に少し慣れたのかテーブルに並べられている数々の料理に驚いていた。まあ、そりゃそうだな。さっきまで一緒にいて帰って来たらいきなりこのパーティーだから「いつの間に!?」ってなるのは普通だ。特によく料理をしている美空さんからしたら尚更だろう。


 「ええ、そうよ。ほら、こっち見てみて」


 リオさんはそう言って厨房の暖簾のれんを少しめくり美空さんを手招きする。美空さんは言われるままに中を覗く。俺も少し首を伸ばして二人の間から覗く。


 「えっ!!う、浮いてる!!誰もいないのに料理作ってる!!」


 厨房で独りでに菜箸が浮いているボウルの中身をかき混ぜていた。それだけではなくあちこちで食材と調理器具が行き交って料理が作られていた。美空さんが驚き目を見開いてリオさんを見ると予想通りのリアクションに喜んで笑っていた。


 「料理魔法って言ってね、物を動かす系の魔法をある程度のパターンに絞ることで勝手に動くようにしてあるの。すごいでしょ?」


 得意げに笑いウインクをする。リオさんは年の割りに(・・・・・)お茶目なところもあるし若々しいんだよな。


 「コウヤちゃん、今私見て何考えたの?お姉さん(・・・・)に教えてくれる?」

 「ナ、ナンデモナイヨ」

 「どうして目を反らすのかなぁ?もしかして、『年の割りに』とか思ったりしたのかなぁ?」


 笑顔で指バキバキ音鳴らしてくるからマジで怖い。


 「何で心読めてんの?」

 「そんなのレイコちゃんじゃあるまいし。女の勘って奴よ」

 

 「そんなおばはんの台詞みたいな」何て思ったが俺の運の尽き。目にも留まらぬ速さで後ろに回り込まれおもいっきり首を締め付けられた。


 「痛い、痛い、痛い!!ギブ、ギブ!!リオさん止めてー!!」

 「防御のステータス高いんだからこれぐらい平気でしょ!!」


 俺が苦しそうにしてるのに周りの連中は冗談だと思ってるのか笑ってるし、終いには美空さんにも笑われてしまった。そんなこんなでリオさんの気が済むまで絞められた後、俺はしばらく咳き込み、周りも笑い過ぎたのか咳き込んでいた。

 笑い事じゃねぇぞ、マジで痛いんだからな。絞められてる時にリオさんの豊満な胸が当たっててもそのリアクション取れないぐらいに。


 「まあ、冗談はさておき」

 「冗談!?さっきの力で冗談!?」

 「はいそこ静かにーこれから大切な話するからねー」


 授業中の先生みたいに言ってるけどまた指バキバキ鳴らしてて威圧感半端無いんだけど。あれ?これって主人公()無双チートの話じゃなかったか?めっちゃ虐げられてる主人公って何だよ!?


 「さて、リュウジさんや?」

 「…な、何でしょうか、リオさん?」

 「お店の裏でお話しましょうか?O・HA・NA・SHI」

 「…」


 フッ、絶句か。O・HA・NA・SHIは死んだな。墓に花ぐらいは手向けてやるから大人しく散るがいい。なんて厨二台詞を考えているとリオさんは笑顔のままでおっちゃんの服の襟を掴み無理矢理引っ張って行く。結構体でかいおっちゃんを引っ張ってるあたりやはりリオさんのパワーが上がってるな。


 「お、落ち着け!!話せば分かる!!」

 「『落ち着け』?どの面さげて私に命令してるのかしら?」


 リオさんが片目だけ見えるくらいだけ振り向く。その顔が怖いのなんのって。おっちゃんもビビるレベルだよ。


 「お願いします、落ち着いてくださ───」

 「問答無用!!色魔絶殺◯急如律令!!」

 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 その後、残酷な破壊音と恐怖の叫びが響いたが酒で盛り上がった雑談で中の人には聞こえなかった。



 遅くまでワイワイやって楽しんだ帰り道。俺は眠ってる美空さんをお姫様抱っこして家に戻っていた。最初は初戦だったから疲れてたから寝てしまったのかと思ったが所々赤い染みが付いたキモい人形を引きずって戻って来たリオさんに事情を聞いてみると「少しでも進展させてあげるためにミソラちゃんの飲み物にちょびっとお酒を混ぜといたの。ふふふ、頑張ってね」って返された。

 未成年に酒飲ませんな!!って話だよな!?(←酒飲んで酔っ払って奇業を成し遂げた奴)おい、そのテロップ止めろ。俺は良いんだよ。昔っから飲んでるし酒だと分かって飲んでるから。


 「…むーん、あっちにもまだ敵、が、い…」

 「まあ、疲れたってのもあながち間違いじゃなさそうだな」


 魔物と戦ってる夢でも見ているのだろうか。そんな寝言が聞こえ俺はため息をついて、もう1つリオさんに言われたことを思い出す。


 ───ミソラちゃんすごいわね。ビルの間の空を縦横無尽に飛び回って、火力の高い魔法を連打して、すぐに複数いた魔物一掃しちゃったんだから。これからが楽しみね───


 まるで自分の子供の事のように喜んでたが…はぁ、『これからが楽しみ』か。これから(・・・・)なんて言わないで欲しいな。美空さんだって本当は自分自身の人生があっただろうに。


 「少し、いや少しじゃ済まないぐらい迷惑かけたかな」


 そう思い申し訳なさそうに美空さんの顔を見る。美空さんは良い夢を見ているのか顔はご機嫌である。この顔を歪めないようにしてあげるのが俺にできるせめてもの報いだろうか。

 ふと夜空に輝く星に目が行き、自然と決意を固めてしまう。何故こうなってしまうのか俺にも分からないが後悔はなかった。今、自分に身を委ねてる彼女を守ろうと本気で思った。


 例えこの命(・・・)を引き換えにしてでも。

ミニコーナー モブキャラ紹介④

陸鹿ろくしか朱音アカネ

二つ名 《冷酷な薔薇の棘コールドローズニードル

得意技 《侵食する茨(ソーンイロウション)


イケメン好きのノットイマドキ女子。本編だと美空さんにボコボコにされましたが役処が悪かっただけで実は同年代の中だと強い部類です。得意技の《侵食する茨(ソーンイロウション)》はフィールドに巨大な薔薇と茨を発生させて茨で攻撃して自分は薔薇の上で高みの見物をするという中ボス風な技で実力がないと本人に指一本触れることもできないほどです。薔薇を操る女子は中々格好良いと思うのは私だけでしょうか?

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