第37話 顔見せ
3章突入おめでとうございます、天法院美空です。
これまで私達を応援してくれた皆様、作者に代わってお礼申し上げます。
さて、今日は遂に私の魔物ハンターデビューの日です。とは言ってもコウヤ君行き付けのギルドに行って申請するだけですので二人で歩いています。家から少し離れた場所に西部劇に出てくる酒屋みたいな建物がありました。屋根に付いている看板には大剣と細剣を交差させた立体的なオブジェが飾ってありました。
「あれはあそこの大将と女将さんの武器をモチーフにしてデザインしたらしいですよ」
コウヤ君が看板を指差しながら説明してくれました。なんだか仲が良さそうな夫婦ですね。羨ましいな。いつかコウヤ君とそんな仲になれるのかな。なんて最近心配になっています。もう結構な時間一緒にいるのにコウヤ君ったら全然反応してくれないし…はぁ、どうすれば良いものか。
「邪魔するぞ」
入りにくい雰囲気にも関わらずコウヤ君は慣れた様子でギルドがあるという建物に入って行ったので私も後を追って中に入ると木製のテーブルと椅子が無造作に並べてありちらほら人が座っていて、カウンターの奥に無精髭を生やしたがたいの良いおじさんがいました。
そのおじさんはコウヤ君が入って来たことに気付き、
「おう、コウヤか、今日はどうす…リオォォォォォォッ!!」
その横にいる私の顔を見るなり硬直したと思ったら復活して大声で叫びました。
「どうしたんだい、騒がしいね」
すると奥から女性の声が返事をしました。リオさんと言う方でしょうか。
「コウヤが…あのエロガキがべっぴんの彼女連れて来やがったんだ!!」
か、かかか、彼女!?わ、私がコウヤ君の!?
「そりゃ、コウヤ君も思春期なんだから頭の中や二次元に彼女くらいいくらでも…ええぇぇぇぇぇ!!」
リオさんは話しながら出てくるとおじさんと同じぐらい大声で驚きました。そ、そんなことより、
「こ、コウヤ君と私が……えへへ…」
ニヤけた顔が戻せません。彼女と見間違えるということはコウヤ君と私がお、お似合いってことですよね!?あ~嬉しすぎて力が出ない~
「ちょ、美空さん!?大丈夫ですか!?」
私はそのまま白昼夢を見て顔を真っ赤に染めながらコウヤ君の足下に倒れ意識を手放しました。まあ、これはこれで…良い。私はしばらく寝ますのでその時に会いましょう。サヨウナラ~
ミニコーナー モブキャラ紹介①
寿善治
年齢 不詳(噂では100年以上生きているとか)
二つ名 《最高の魔術師》
ご存知ロリコンじいちゃんです。普通に苗字も出ているのは強すぎて呪いじゃ殺れないからっていう無理矢理設定だけど最初から考えていたことなので許して下さい。なにせ《最高の魔術師》(笑)ですから。最後の方に登場させる予定なのでよろしくです。