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トライアングルフォース~都会と魔物とラブコメと~  作者: INONN
第1章 全ての始まり~チートと美少女と想い人と~
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第10話 幼なじみ

初めてのブックマーク登録ありがとうございます。これからも精一杯頑張ります。

 おはようございます。天法院美空です。

 異次元2日目の朝、私達は朝食を食べ終えて、これからの生活について話し合うことにしました。


 「美空さんはこれからどうしたいですか?」

 「私は…コウヤ君を支えたいです。料理を作ってあげたり、洗濯してあげたり、それとコウヤ君と一緒に戦いたい、コウヤ君の足手纏いにならないように強くなって、コウヤ君を守ってあげたいです。私はもともと、そのつもりで来ましたしね」


 するとコウヤ君は少し考えてから、


 「…本当は美空さんには危険な目にあって欲しくありませんが、分かりました。よろしくお願いします、美空さん」


 コウヤ君…ちゃんと私の事考えてくれてるんだ…嬉しいな、期待に応えないといけませんね。


 「じゃあ学園に入った方が良いですね」

 「学園?学校のような所があるのですか?」

 「はい。でも向こう(・・・)の学校とは違って好きな時に入れて、好きな時に辞める事が出来ます。学校での講義や月に1度の卒業判定テストは自主性で毎日絶対に受けなきゃいけない訳ではありません。なので学園の図書館や資料室を利用するために卒業しない人もいます。美空さんはこちらの知識も無いのでしばらくは学園に行くのがおすすめです。美空さんが行く間は僕も久しぶりに行こうかと───」

 「私は行きます!!私は頑張って強くなって見せます」


 コウヤ君が一緒に行ってくれるなら、私は戸惑いません。それに強くなるためには必要みたいなので行きましょう。コウヤ君と一緒に!!


 「なら今日手続きをすれば明日からもう行けるから…入学手続きと買い物に行きましょう」

 「はい、私も必要な物を揃えたいので」

こうして私とコウヤ君は出掛けることにしました。



 巨大な建物の門に多くの子供が入って行きます。それはまるで子供が学校に登校するかのように───いえ、実際に登校していました。私が建物───学園の大きさに唖然としている中、何事でも無いように私より年下の子まで普通に登校していました。チャイムのような大きな音が聞こえました。そして、

 

 「うわぁぁぁぁー、講義が始まってまう!!急ぐえ!?」


 騒がしい声が聞こえたと思ったら、私にぶつかって来ました。

 

 「あっ、ごめんなさい!!ウチったら前良く見とらんくて!!」

 「別に大したこと無いので良いですよ」


 どうやら、私にぶつかって来たのは同い年ぐらいの関西弁の女の子のようです。


 「あっ、レイコじゃん。相変わらず慌ただしいな」

 「むっ、その声はコウヤか?おまえこそ相変わらず地味な格好してんな~だからモテないってえっ、何であのコウヤが女子と一緒におんねん!!さてはおまえ、しばらく学園来なかったのはリア充になって忙しくなったからか!?わざわざ見せつけに来たのか!?」

 「何でそうなる!?何も俺はリア充になったから学園に来なかった訳じゃねーし。人の事何だと思ってんだ!!」

 「そんなの決まってるやないかい!!彼女を非リア充に見せつけるリア充の腐れ外道や!!こんな奴と幼なじみなんて…ウチはなんて不幸な女の子なんやろ」

 「こんな奴とは何だ、こんな奴とは!!それに俺は腐れ外道なんかじゃねぇ!!」

 「ウチはおまえをそんな子に育てた覚えはありません!!」

 「育てられた覚えもねぇっの!!」


 …なんというくだらない口喧嘩…普段丁寧な口調のコウヤ君がこんなふうになるなんて、流石幼なじみということでしょうか?でもレイコさんっていう人が私の事コウヤ君の彼女だっていう度にドキドキしています。コウヤ君とは付き合っていませんが、私はコウヤ君の彼女にして欲しいです。そして、コウヤ君とあんなことやこんなことをして───


 「嗚呼、何でこんな腐れ外道はモテてるのにこんなに美人で才能もあるウチには白馬の王子様が来ないんや…」

 「それはただ単におまえが腐れ外道以下って事だよな?」

 「はぅっ、…ウチには運命の出逢いがまだ来ないだけや!!」

 「それより、講義は良いのか?遅れるぞ」

 「ヤバッそうやった、すっかり忘れてたわ…覚えてろや!!コウヤ!!」


 そう言って、レイコさんは凄い速さで走って行きました。でもレイコさんが羨ましいです。コウヤ君とはなんだかんだ憎まれ口叩き合いながらもとても親しそうに話していたので。


 「レイコさんと仲が良いんですね」

 「まあ幼なじみなんでお互い遠慮が無いだけですよ」


 それが羨ましいんですよ。コウヤ君は分かってません。そう私が拗ねていると、


 「レイコの奴…美空さんを見てもまだ自分のことを美人って言えるとか自惚れ過ぎて寧ろ感心するな」


 突然、独り言のようにさらっとコウヤ君が言った言葉が私の心を撃ち抜き、顔を真っ赤にしてしまいました。やっぱり、コウヤ君は分かっています。照れ隠しのために私はコウヤ君の腕に抱き付きながら学園に入って行きました。…いつかレイコさんのようにコウヤ君と仲良くなれる事を信じて。


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