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5.鬼の王は駄菓子がお好き
「これこれ、ぶた印のこの麵がすきでのお!!」
二メートルを越える巨大な老人は小さなカップめんを嬉々として啜る。
「後にも先にも駄菓子を最終決戦前にねだったのはおめえだけだなあ」
好々爺然とした巨躯の鬼の男は懐にガンマを抱えて笑う。
「ガンマもおおきゅうなったの!リリアも会いたがっておったぞ!」
「かか、なんだかんだ、末孫は弟がほしいか」
「そうだな、上が10も20もはなれておるとやはり近い年の子がよいようだ。わしもなんだかんだ孫にはあまいからの」
その巨大な体を伸ばしながらかつての仲間と談笑をする。シロガネはふむとうなづき
「んで、ガンマをギルドに入れる算段でもついたか?」
「反対じゃねえのか?」
「別に本人がやりてえなら問題ねえだろ」
オーガはたしかになあと頷くとちらりと横目でみる。
「しかし、女達はだまってねえだろ」
「そりゃなあ」
二人は冷や汗をかきながら突如あらわれた悪寒に意識を向ける。