3、月日は流れて
その赤子の名前は黒鉄ガンマという名前である。名前的にはガンマ=クロガネではあるのだが、出世としては地球人ではあるんだが、神の血が半分入っているという事か、しかも創世神すら超える破壊神の血。一度会ったことはあるんだが実に優しくほほえましい穏やかな優男であの体に地球四つ分を指先一つで破壊するくらいの力があるとは思えないくらいの男で、何故か知らないが俺とのスペックは大差なく友人としてよくいたものだ。そんな奴が神の闘争に嫌気がさしたまたま地球で人間として生活してた時に美しい地球の人間と恋仲になり、夫婦となりこの子を産んだ事がきっかけで、一応神とはいえ親類はいるわけで、父親である武神が神として育てるべきだ!と言うと再生神としての母親はまずは人間として育てるべきだといい、いわゆる家族間の問題が出てきて、破壊神……まあ地球でいうところの黒鉄悠馬は頭を抱えクシナに相談した所、ならシロ君にという話になったらしい。お嫁さんもそれならと納得してくれたらしく、絶賛家族会議中らしい。こちらの名義でガンマ=クロガネという風にはしているが、ちゃんと父母の事も伝えてあるし、そこらへんは問題はないだろう。
そして10年の月日がたち、俺も82歳。この世界じゃ大分長寿らしいが、基本スペックに寿命と頑強というスキルがあるのでまあそれなりな性能のまま余生を過ごしている。一応ステータス表示というのもあるんだが、いちいち確認するのも面倒なので表示はしない。山ほどスキルやら能力やらがありすぎてみる気にもならん。それはそうと件の小僧はというと。
「じいちゃん!!一杯狩ったぞ!!」
キラキラな赤眼に黒い流れるような可愛らしい中性的な顔に俺が作った作務衣を着ながらニコニコと微笑む10才の割には小柄な少年が10頭ほどの青色の龍を山積みにしながらにこやかに笑った。
「おー、こりゃ青龍種の上位種だな、普通に王城の半分くらいのでかさだ、ギルドの連中も驚くなあ」
「……毎度の事ながらガンマ君といい、シロガネさんといい無茶苦茶ですね、是非我が軍に」
「やだよ、めんどくせえ」
隣にいる紅い着物をきて黒い刀を二本腰につけている。狐耳の美少女。八重=北桜
シロガネが居をおく倭国:桜国の第二王女であり、自身も将に属する女侍である。
倭国桜国とは日本に似通った風習があり、主に現代と江戸を融合させてような文化を根付く島国である。独自の魔術理論と、武士道という考え方、刀や特殊な鉱物と独自の食文化が他国との交流の一翼を担い、国民全てが文武両道という特異な国である。また温泉や宿や娯楽も充実がしており、国としての武力もさることながら、大戦英雄シロガネの盟友として知られる、女傑八雲=北桜が統治し国に善政をしている。
「しかし月日がめぐるのははええもんだなあ、あの最年少の美少女がいまや三人の子持ちたあな」
「……母上はシロガネさんの事を父としても慕っております、もしきて頂けるなら」
「……有事の際ならまだしも老兵はこれから先のガキの未来に過度な干渉はしねえよ、いまは駄菓子屋が一番いい」
「……しかし、まあしょうがないですね」
「それより、お前もじいちゃんなんてよんでくれないのか?」
「………おじいちゃん、今は軍を預かる身なのよ」
「少なくともお前が個人で来るときは関係ねえべ、ガンマもお前と話すのを楽しみにしてる。茶を淹れるからはいんな」
「もうおじいちゃんたら!ガンマ君!おやつみたいよ!」
「やりい、ちっとまって!ギルドのおじちゃんに転移させる!」
そういうとガンマは手をかざすと同時に龍の山が消えた。