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ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
000 孤島篇
8/57

07 お腹が空きすぎて死にそう!

 再び洞窟を出たわたし。

 時刻はさっきSNSを見て確認したところ、ちょうど18時になっていました。

 つまり、もう日は落ちて夜になりかかってます。


 グ~~。

 ……。

 昼の13時からずーーーーっと頑張って、ようやく魚を手に入れたのに。

 5時間もかかって、まだ食事にありつけないとか……。

 まあ、途中2時間は昼寝したけど……。


 グギュゥ~~。

 さっき色々ジョブチェンジを試したんだけど、『火』が使えそうなジョブはどれにも変更できませんでした……。

 やっぱノーマル状態でのレベルをあげないことには、釣士アングラー以外にはなれないっぽい。


 夜は視界も悪いし、モンスターも狂暴になってそうだし、あまり戦いたくないんだけど……。

 でも朝まで何も食べずに寝て過ごすとか、そっちのほうが空腹で死んでしまいそう。


 とりあえず、洞窟内を隈なく探して、強そうな棒を見つけて装備しました。

 というか装備品自体の強さとかも設定があるんだろうけど、どこを押しても確認メッセージが出てこないし。


 たぶんだけど、これらも何かしらのジョブにならないと分からないんじゃないかな。

 つまり、レベルをあげないとこれ以上はどうしようもない、と。


 ……あ。

 なんかいる。

 大きいモンスターとかはまだ無理に決まってるから、あれくらい小さいのでチョビチョビとレベル上げしていこう。

 ええと、ボタンボタン。


『蟻』『蟻』『蟻』『蟻』『蟻』『蟻』『蟻』


 うん。

 ちっちゃい蟻がいっぱいいる。

 今回はまともな表示というのが、逆に怖いんだけど……。

 

 そーっと近づいて、逸れた一匹だけをこの棒で突いてみよう。

 たぶん、いつものが始まるだろうから。


 ……。

 …………。

 よし! 今だ!


《アンアンアントが現れた!》


 ……。

 あ、ええと。

 なんか……1匹かと思ったら、2匹が……その、なんと言いますか。

 最中……といいますか、えーと。

 蟻って……そういうことするんだったっけ?


《アンアンアントの攻撃!》


 やばっ!

 考えている場合じゃない!

 とりあえず集中しないと!


《ミルクは1のダメージを受けた!》


 よし!

 いや、『よし』じゃないけど、ダメージが1ならなんとかなりそう!

 次はわたしの番だ!


《ミルクの突き攻撃!》


 さっき覚えた『突きLV2』を使って、洞窟で見つけた『鋭く尖った固くて長い棒』を突き出して……!


《アンアンアントにクリティカルヒット! アンアンアントに8のダメージ! アンアンアントは消滅した!》


 おっしゃああああああ!

 一撃で倒したああああああ!

 しかもクリティカル!

 ひゅう!!


《アンアンアントの亡骸を手に入れた》


 あー、レベル上がらないかぁ。

 まあザコっぽいし、経験値が少ないんだろうね。

 ええと、いちおうステータスを確認。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》


 いいよ。許可してあげよう。



NAME ミルク

LV 2 HP 7/8 SP 2/3 『蹴りLV2』『釣りLV2』『突きLV2』



 ふむ。

 『突き』の消費SPは1かぁ。

 あと2回使えるし、あの蟻だったらまだ洞窟で寝ないでも大丈夫そうだし……。

 これを繰り返して、HPが半分を切るかSPが0になったら戻って寝て回復するかぁ。


 よーし。

 もう一度戦闘だ!



☆★☆



 ~20分後~


 あれから3匹の蟻を連続撃破しましたー。

 で、今現在のステータスはこちらー。



NAME ミルク

LV 3 HP 12/12 SP 6/6 『蹴りLV3』『釣りLV2』『突きLV3』



 さっきレベルが上がったんだけど、途中でSPが尽きちゃって。

 んで『突き』が使えなくなったんだけど、『蹴り』はSPを消費しないみたいで何とか勝ちましたー。


 というか新事実が判明したんだけど、『棒』で攻撃するにも『突き』とかのスキルを使わないと攻撃できないみたい。

 たまたま『蹴り』の消費SPがゼロだったから助かったんだけど、どちらにせよ何もスキルを覚えていなかったから『棒』を装備しても攻撃できなかったっぽい。


 マジで今まで運が良かったんだよ。

 だって武器を装備したって、『その武器を使うことができるスキル』を覚えてなかったら相手に攻撃ができないなんて……。

 釣士アングラーのときは『突き』が使えたけど、あれも固有ジョブの効果とかでたまたま棒状の武器が使用できたって話なんだろうし。


 うん。奥が深い。

 奥が深いっていうか、細かすぎて面倒臭い。


 さっきの続きでメモにまとめておこう。

 ええと、③からだっけ。


 ③武器で攻撃するには、固有のスキルが無ければ使用できない(例:『棒』ならば『突きLV2』など)

 ④スキルを使用するにはSPが必要。SPを消費しないスキルも存在する(例:『蹴り』など)


 よーし。

 こうやってわたしなりの『説明書』を作っていけばいいや。

 分からないことは自分で調べる!

 いいねぇ、なんか仕事ができる子みたいに思われそう!


 ……うん。

 バイトもしたことない、ただのニートでごめん……。


 ええと、とりあえずここでジョブチェンジを試してみよう。

 まだ無理だったら、もうちょいレベルを上げて、もう一度試してみて……。


《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》


炎術士フレイムマスターにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》

溶接士ウェルダーにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》

爆弾士ボマーにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》

火薬士パウダーにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》

焔剣士フレイアにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》


 あー、駄目かぁ。

 あとは……これかなぁ。


《ミルクは新米火術士ニューフレイマーにジョブチェンジした!》


 きたあああああああああああああああ!!

 やった……!

 これで魚が焼ける……!!

 洞窟にいけば落ち葉もあるし木の棒もめっちゃ落ちてるし……イケる!!


 大喜びのわたしはそのまま洞窟まで猛ダッシュで駆け抜けました。




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