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ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
000 孤島篇
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06 なんとなくシステムが分かってきたかも!

《ミルクは2のダメージを受けた!》


 くっ!

 魚の分際で釣士アングラー様に逆らおうとはいい度胸じゃない!

 やってやんよ!

 わたしの本気、見せてやる……!


 オレンジのバーはすでに満タン。

 ということはもう行動できるはず……!


《ミルクの攻撃! しかし釣り針がノーマルフィッシュに引っ掛かり釣り竿が動かない!》


 うそおおおおおん!

 うわ、そういうことか!

 じゃあこの釣り竿をまずは地面に置かないと――。


《ノーマルフィッシュの牙攻撃!》


 うわ! 牙きた牙!!

 避けられない……!


《ミルクは5のダメージ! ミルクは『出血状態』になった!》


 うわ、牙つよい……!

 それに状態異常にもなっちまった!

 ええと、釣士のHPっていくつだったっけ……!

 ああもう!

 毎回ピンチじゃんか、わたし!!


 とりあえず、オレンジバーが溜るまで行動できないから、溜るまで待って……。

 ……よし! 溜った!


《釣り竿を置きました》

《『出血』のダメージ! ミルクは2のダメージを受けた!》


 だあああああ!

 出血はダメージ2か!

 釣り竿置いただけで、状態異常の追加ダメージもらっちゃうのかよ!


《ノーマルフィッシュの牙攻撃!》


 うわああああああ! まじかあああああ!

 これで1ターン消費しちゃうのかよおおおおおお!!

 無理無理!!

 死ぬうううううううう!!


《ノーマルフィッシュは糸に絡まりミルクに攻撃が届かない!》


 あっぶ……!!

 でもこれはチャンス……!

 ええと、次はあの洞窟から持ってきたあれを……!


《長くて鋭い棒を装備しました》

《『出血』のダメージ! ミルクは2のダメージを受けた!》


 やばいやばい!

 あと残りHPはいくつだ……?

 あの牙攻撃とかがまた来ちゃったら、確実に死ぬんじゃない……?


《ノーマルフィッシュの牙攻撃! ノーマルフィッシュは糸に絡まりミルクに攻撃が届かない!》


 よっし!

 まだ糸に絡まってる……!


 でも、ここで一撃で仕留めないと、次はないかもしれないわよミルク……!

 攻撃が当たるまでのチャージタイムで、このオレンジのバーを連打して……!!


 いっけええええええええええええええええええ!!!


《ミルクの連続突き攻撃! ノーマルフィッシュに合計18のダメージ! ノーマルフィッシュは消滅した!》


 おっしゃあああああああああああ!

 きたああああああああああああ!!


《ミルクは釣士がLV3に上昇した》

《『釣り』がLV2に上昇した》

《『突き』がLV2に上昇した》

《ノーマルフィッシュの亡骸を手に入れた》


 おお!

 レベルが一気に3になった!

 ……ていうか、マジで死ぬところだった……。


 ちょっと、一旦洞窟に戻って心を落ち着かせよう。

 ここにいたらまた蟹ちゃんとか襲ってくるかもしれないし。



☆★☆



 あー、やっぱここは落ち着くなぁ。

 この落ち葉の簡易ベッドも居心地最高。


 で、とりあえずステータスの確認。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》


 はーい。



NAME ミルク JOB 釣士アングラー

LV 3 HP 25/25 SP 18/18 『釣りLV2』『突きLV2』



 ふむふむ。

 まあ、こんな感じだよね。

 問題なのは、ジョブチェンジ前の状態との比較なんだけど……。


 ええと、涙を拭く仕草をして……。


《ジョブを解除しますか(※現在は『釣士アングラー』です) はい/いいえ》


 あ、さっきとメッセージ表示が違う……。

 解除?

 てことは、元のミルクちゃんに戻れるってこと?


 ……うーん。

 戻ったら、またレベルが1になるとか、そういう仕様なのかな。

 ……。

 ぜんっぜん分からん。

 だって説明書読んでないし。


 うー。

 でも検証しないと何も始まらないし……。

 だからといって、あの膨大な数のSNSを開いて情報を探すのも頭が痛くなるし……。


 ……よし!

 一旦、通常のミルクちゃんモードに戻そう!

 『はい』を選択っと。


《ジョブを解除しました》


 うん。

 で、もう一度ステータスを開いてっと。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》


 へーい。



NAME ミルク

LV 2 HP 8/8 SP 3/3 『蹴りLV2』『釣りLV2』『突きLV2』



 ……。

 うん?

 あれ……?

 またレベルが戻ってる……というか、元のまんま?


 ……。

 …………。

 もしかして……。


《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》

《ミルクは釣士アングラーにジョブチェンジした!》

《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク JOB 釣士アングラー

LV 3 HP 25/25 SP 18/18 『釣りLV2』『突きLV2』



 あー、やっぱそうだ。

 ミルクちゃん、分かっちゃった。


 ①レベルはJOBごとで別。ジョブチェンジをしても1には戻らない。

 ②戦闘でスキルを使用し、レベルが2になればノーマル状態でも使える


 たぶん、ジョブチェンジを繰り返していけば、ノーマルミルクちゃん状態に戻れば全部使えるようになるんじゃないかな。

 でもジョブチェンジにはそれぞれ変更できるレベルが存在するから、ノーマルミルクちゃん状態のレベルも上げていかないと駄目。

 レベルを上げるには、当然強いスキルが必要になってくるから、ある程度上がったら変更できそうなジョブに変更して、スキルレベルを2以上に上げる、と。


 それを繰り返して強くなっていけというわけか。

 あ、あとはもしかしたら『固有スキル』みたいなものもあるかもだし、当然専門職のほうがスキル効果が高いとかもあるかもしれないし。


 『SP』は『スキルポイント』ということか。

 『素敵ポイント』じゃなかったのね……。

 さっき確認しなかったけど、『釣り』のスキルを使うにも『SP』を消費したりするのかしら……。


 いやー、でも結構面白いかも、このシステム。

 面倒臭いのを除けば……だけど。


 グ~~。

 あ。そうだ。お腹空いてたんだ。

 ふっふっふ。

 さっそく焼き魚タイムといこうではないか!


 もう腹ペコ!

 ではさっきぶっ倒した『ノーマルフィッシュ』を――。


 ……。

 …………。

 どうやって焼けばいいの……?

 え? このまま生で喰うの?

 ……。


 もしかして、『火が使えそうなジョブ』にチェンジ出来ないと駄目……?

 ……。

 …………嗚呼…………。



 その場に泣き崩れたわたしは再びジョブを解除し――。


 ――『火が使えそうなジョブ』にチェンジするため、レベル上げに勤しむことになりました。



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