04 ジョブが多すぎて訳分かんない!
……。
…………。
………………釣れない。
ぜんっぜん、釣れない。
かれこれ2時間、ピクリとも言わない。
グ~~。
さっきからお腹が鳴りっぱなし。
もう死にそう。
餓死する。
……もしかして、餌が駄目?
やっぱ生きたままの蟹じゃないと、魅力がないとか?
うーん。
でも生きたままってのも……無理じゃないかな。
どうせまたBGMが流れて戦闘に入っちゃうんでしょう?
グ~~。
あー、もうあかん。
極限状態。
《釣り竿を置きました》
とりあえず腕が疲れちゃった。
ちょっと寝たらいい案が浮かぶかも。
あー、眠い。
でも寝たら死ぬんじゃない?
蟹の大軍に襲われて、一瞬であの世行きとか?
駄目だ、ダメダメ!
頑張るのよ、ミルク!
釣れないのなら、銛で突けばいいのよ!
さっきの『長い棒』に、ナイフみたいなのを括りつければ作れるはず!
そうよ!
釣りなんて、わたしには似合わない!
もっとこう、アグレッシヴに、肉食系を匂わせて!
……でも、さすがにナイフなんて都合の良い物が落ちているわけないよね。
『長い棒』の先っちょを削って鋭くしようにも、ナイフが必要になるわけだから本末転倒――。
……ん?
『鋭く』……?
…………『鋭い棒』!!
なんかそんなのあった!!
あの洞窟にあったはず!!
あれなら銛の代わりになる!!
起き上がったわたしは猛ダッシュで洞窟へと向かいました。
☆★☆
ええと、どれだ……!
『短い棒』『短い棒』『いい感じの棒』『ただの棒』
くそ……!
こういうときに限って見つからない……!
『長い棒』『それなりの棒』『棒っぽい何か』『もはや棒じゃない』
うー、ないなぁ……。
あ、でもあれとか……。
『長くて鋭い棒』
よし!!
これならいけそう!
《長くて鋭い棒を装備しました》
待ってろよ魚ども……!
ぶっ刺してそのまま焼いて喰ってやる……!!
☆★☆
……うん。
泉に戻ってきたのはいいんだけど。
わたし、泳げないの。
……うん。
嗚呼、もうなんだか頭がクラクラしてきた。
もうそろそろ日が暮れるよね。
魚一匹捕まえることもできずに、このまま夜になっちゃうのかな。
……いや、まだ諦めるのは早いわ、ミルク。
この世界はVRMMOの世界。
必ずどこかにヒントが隠されているはず。
……うん。
ヒントっていうか、説明書を読んでれば誰でも解決できるんだろうけど……。
はぁ……駄目だな、わたしって。
何でも先走っちゃって、いつも前が見えてなくて。
お母さんにいつも怒られてばかりで。
本当にごめんなさい。
ここから生きて帰れたら、ちゃんと就職活動するから。
あれ? なんか涙が出てきちゃった。
こんなキャラじゃないはずなのに。
ぐすっ、元気を出しなさいミルク!
《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》
うおっ!?
え? な、なにいきなり!?
え……? あー、これか。
いま涙を拭く仕草をしたんだけど、この空間のところをタップするとジョブチェンジのメッセージが出るのか。
いや、わたしてっきり、就職活動の話をしていたからジョブチェンジのメッセージが出たもんだと……。
……。
余計なお世話だよ!
ニートで悪かったな! ニートで!
押すよ!
『はい』押すよ!!
どうせ5つくらいの中から好きなのを選べとかそういうやつ――。
《ジョブを選択してください》
001解析士
002槍撃士
003算術士
004重戦士
005軽戦士
006治癒士
007斧破士
008槌冥士
009鎖錬士
010細剣士
011聖騎士
012刀剣士
013操魔士
014魔法戦士
015召喚士
016調教士
017錬金術士
018死霊術士
019整備士
020命名士
021調理士
022栄養士
023闇黒士
024光命士
025木療士
026気孔士
027雷瞑士
028風禄士
029地鳴士
030声奏士
031教学士
032建築士
033薬士
034炎術士
035水魔士
036姫騎士
037設計士
038木工士
039鉄工士
040溶接士
041双剣士
042魔剣士
043銃剣士
044陰陽士
045氷戟士
046弓絶士
047曲芸士
048話術士
049詐欺士
050罠嵌士
051投擲士
052整体士
053裁判士
054漫才士
055拳闘士
056蹴倒士
057封印士
058爆弾士
059眠誘士
060催眠士
061痺針士
062毒制士
063通訳士
064採集士
065狩猟士
066風水士
067祈祷士
068販売士
069舞踊士
070医士
071看護士
072救命士
073気象士
074焔剣士
075霊媒士
076忍術士
077絵士
078牧士
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………………うん。
えええええええええええええええええええええ!???