表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
002 それでも孤島篇
48/57

45 夜の森ってこわい!

 はーい。

 松明もちゃんと装備したし、ノーマルミルクで『地図』スキルもばっちりですー。


 ふっふっふ。

 昼寝して夜中に起きて、外を徘徊――。

 なんて悪いミルクちゃんなのでしょう。

 不良ニート少女ミルク、ここに現る。


 まあでも夜に外に出るのは初めてだから、用心に越したことはないよね。

 マップを見る限りだと、昼間よりも赤い点が2倍くらいに多いし。

 もしかしたら夜限定のモンスターとかもいるかもしれないし、昼間よりも狂暴かもしれないし。


 武器は現時点で『剣っぽい石のようななにか』と『剣というか石』の2つが剣スキルが使用できる武器だから、それを持ち物リストに入れてあります。

 松明を装備しちゃってるから、もしもモンスターと戦うことになったら、このままノーマルミルクちゃんで『蹴り』を駆使して戦うか。

 それとも1ターン消費して痺針士にジョブチェンジして戦うかの2パターンが現実的かな。


 そう考えると、夜の探索用に『蹴り』のレベルを上げておいた方がいいかもね。

 この先その『1ターン』が命取りになることだってあるかもしれないんだし。


 よーし。

 気合入れていきましょう。


 今夜の目標は残り2つの隠し宝箱を回収すること。

 場所は北の森と東の岩壁。

 距離的には北の森の方が近いから、先にそっちに向かいましょう。


 レッツ☆不良少女ミルク!



☆★☆



 えー、みなさん。

 現状をご報告しましょう。

 意気揚々と洞窟を出たわたしは、マップを見ながらいとも簡単に森に到着しました。

 日中よりもモンスターが2倍に増えたとはいえ、何処にいるのか一目瞭然なんだから、無駄な戦闘を避けるのなんて朝飯前ですよ、朝飯前。


 でもね、みなさん。

 夜の森って…………めっちゃ怖いね。

 さんざんここには食材を採集にきたり、蜥蜴野郎どもを皆殺しにしにきたりしていましたけど――。


 ガサガサ。


 ひいいぃ!!

 ……あ。

 なんだ、ただの風の音か。


 ……まあ、とにかくこんな感じで、さっきからへっぴり腰になっているわけですよ。


 だって、ミルクちゃん、女の子やもん。

 女の子がひとりでこんな真夜中に松明片手に怪しい森の中を歩いてたら駄目でしょう。

 しかも穿いているのは『ワニ革のミニスカート』だよ?

 世の男性陣が真夜中にわたしの生足を見たら興奮しちゃうよ?

 『ミルクちゃん……! はぁはぁ……! ミルクちゃん……! げっへっへ……!』ってなりかねなくね?


 ……。

 うん。

 ないな。


 ガサガサ。


 あー、もう風で森の中が騒めいててうるさいね。

 さっさとお宝を回収して岩壁に向かいましょう。


 ええと、マップを拡大して……。

 ここから北に10歩、東に15歩の位置に宝箱マークがあるね。

 まだ目視できないけど、マップを見ながら慎重にいきますか。


 1歩……2歩……3歩……4歩……5歩……。

 

 コツン。

 あ、いてっ!

 何だよ……木に頭ぶつけちゃったよ。


 まあ、地図には障害物が表示されないもんね。

 ミルクちゃんさっそくやっちゃった。

 ええと、気を取り直して、と……。


 6歩……7歩……8歩……9歩……10歩、と。

 うん。

 で、東に……1歩……2歩……。


 あ、やばい。

 このままいくと赤い点にぶつかっちゃう。

 どうすっか……。

 まあレベル上げも必要だから、このまま戦闘するか……。


 3歩……4歩……5歩……。

 うん。

 いつもの蜥蜴がいるね。

 まあ、蜥蜴ならいけるっしょ。

 このまま瞬殺してやろうぞ。


 ……あれ?

 なんか、様子がおかしいような……?


《狂暴化した蜥蜴事務長が現れた!》

《狂暴化した蜥蜴八百長が現れた!》


 2匹同時……!?

 しかも『狂暴化』ってなに……!?


 いや、こういう事態も最初から想定していたはずよミルク……!

 これが切り抜けられなきゃ、あの『遺跡』はいつまでたっても攻略できない……!


《ミルクの連続蹴り攻撃! 狂暴化した蜥蜴事務長に合計67のダメージ! 狂暴化した蜥蜴事務長は消滅した!》


 いける……!

 連続攻撃で1ターンで1匹倒せれば、なんとかなる……!


《狂暴化した蜥蜴八百長の言い訳攻撃! 「俺は八百長なんてやってねぇ!」》


 落ち着いて……。

 ちゃんと攻撃のタイミングを見計らって……。


《ミルクはこれをガードした! ダメージを3に減らした!》


 よし!

 ガードも成功した!

 おりゃああああああああああああああああ!!


《ミルクの連続蹴り攻撃! 狂暴化した蜥蜴八百長に合計63のダメージ! 狂暴化した蜥蜴八百長は消滅した!》


 うっし!

 最小ターン、最小被ダメージで切り抜けた……!


《ミルクはLV9に上昇した》

《『蹴り』がLV7に上昇した》

《蜥蜴事務長の亡骸を手に入れた》

《蜥蜴八百長の亡骸を手に入れた》


 おー、レベルも上がったー。

 この調子で『蹴り』スキルも上げていこうね。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク

LV 9 HP 75/75 SP 50/50 『蹴りLV7』『釣りLV3』『突きLV6』『叩きLV14』『湧水LV2』『着火LV2』『ブーメランLV3』『剣LV14』『地図LV3』『投石LV2』



 あそっか。

 『投石』も覚えたんだっけ。

 この辺には石ころが落ちていないけど、岩壁周辺だったら腐るほど落ちてるよね。

 確かSPを消費しなかったし、遠距離で攻撃ができるかの検証もしてなかったし、ちょうどいいか。


 もしもこれでブーメランみたいにエンカウント前でも遠距離攻撃ができるんだったら、かなり使い勝手がいい攻撃スキルってことになるんだけどなぁ。

 しかもブーメランみたいに武器が戻ってこない分、消耗品だと割り切って攻撃できるし。


 よーし。

 さっさとお宝の中身を確認して、岩壁まで向かいますか。


 その後も慎重に慎重を重ね、わたしは宝箱の中から『白鋼の大槍』を発見して小躍りをしたのは言うまでもなく――。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ