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ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
002 それでも孤島篇
42/57

39 ひさしぶりに良い夢がみれた!

 はいはーい。

 ということで、『ワニ革のミニスカート』と『ウサギの尻尾キーホルダー』が完成しましたー。


 じゃあさっそく。

 ……よいしょ、よいしょ。


 うん!

 やっぱりスカートもサイズがぴったり!

 ちょっと丈が短すぎる気もするけど、これくらいのほうが動きやすくて良いかも!


 で、このキーホルダーをスカートのお尻の部分に取り付けて……。

 いやーん、ミルクちゃんオサレー!

 このウサギ色のセーターとも合ってるし、いい感じじゃん!


 いやー、でも服作るのとか面白いなぁ。

 もっとなんか複雑かと思ってたけど、ジョブと素材さえ用意できればパパッと出来ちゃうものなんだね。


 この調子で次はベッドが欲しいな。

 もう落ち葉の上で寝るのしんどい。

 

 でもさすがにベッドを作るのとか難しいのかもしれないよね。

 まあもう少しレベルを上げてから考えようか。

 ベッドじゃなくても『裁縫』スキルでお布団とかだったら作れるかもしれないし。

 モコモコしたモンスターとか集中的に狩ってみるか……。


 ……あれ?

 なんか忘れてない? わたし……。

 ……。

 …………あ。


 バチバチバチ。


 ……もう蛸が真っ黒コゲなってる……。

 焼いてたのをすっかり忘れとった……。


 うん。

 これはもう食べられないからごめんなさいしよう。

 じゃあ、このまま長い棒を2本で掴んで……。

 えい。


《ミルクは焼け焦げたゆで上がった大蛸の亡骸を投げ捨てた!》


 もう焼けたんだかゆでたんだか分からないものになってるし……。

 よし。

 これで消滅したから証拠隠滅完了。


 じゃあ、もう寝るか。

 明日の朝になったら、次に何をするかを考えましょう。


 ……ふああぁぁ。

 なんか急に眠くなってきた。

 とりあえず作った服は脱いで、この黄ばんだ服を着て寝よう……。

 だって作ったばっかりなのに汚れたら嫌だし……。


 ……おやすみなさーい。



☆★☆



 お父さん「おお! すごいぞ胡桃くるみ! お前には服を作る才能があったのか!」

 お母さん「まあ! 解剖ができるなんて、これからでも医学部に入ったらいいじゃない胡桃!」

 近所のおばさん「胡桃ちゃんすごいわ! ひとりで何でもできて、うちの娘に胡桃ちゃんの爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだわ!」

 みんな「く・る・み! く・る・み! わー!」


 ……。

 …………。

 ん……。

 あれ……夢……?


 あー、なんだぁ。夢かぁ。

 んん……、と。

 もう朝だね。

 いやー、久しぶりに良い夢が見れたよ。


 まあ、現実にはありえない夢なんだけど、寝ている間くらいは良い思いしたってバチは当たらないよね。


 さあ、今日も水浴びして目をばっちり覚ましましょう。

 ……。

 あ、そうか。

 水浴びのときにあの貝殻ビキニを着れば良かったのか。

 ……まあいいや。

 誰も見ていないとはいえ、あのお尻丸出しのビキニを着るくらいだったら全裸のほうがマシだ……。


 さ、お風呂、お風呂。



☆★☆



 はぁ……。

 こうやって水に浮かんでると、気持ちが落ち着くね。

 今日もいい天気だし、服もすぐに乾きそう。


 もう出られなくなって何日目だとか、まったく気にならなくなっちゃった。

 だって何だって出来るんだもん、この世界。


 さあ、今日は何をしようか。

 とりあえず完成した地図の検証の続きでもしようかね。

 あの赤い点がモンスターを表示してるってのは分かったけど、他の部分の検証がまだだったし。


 ……よっと。

 じゃあ湖から出て身体を拭いて、昨日作った服に着替えようか。

 服の素材ももっと集めようね。

 あわよくば布団作りたい、布団。



~15分後~



 よーし。

 身体も綺麗になったし、さっそくジョブチェンジだー。

 もうモンスターに急襲されることもないだろうから、SP消費を抑えるために地図士でいいかな。


《ジョブを解除しますか(※現在は『洋裁士ドレスメイカー』です) はい/いいえ》

《ジョブを解除しました》

《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》

《ミルクは地図士マップメイカーにジョブチェンジした!》


 うん。

 やっぱり地図に赤い点と青い点が表示されてる。

 とりあえず、この青い点が何かを調べてみよう。

 ええと、ここから20歩くらい歩いた先に3つあるね。


 ……。

 …………。

 ああ、なるほどね。


『大きめの貝殻』『割れた貝殻』『綺麗な色の石』


 青い点は落ちてるアイテムってことだね。

 ふむふむ。

 あとは何かないかな……。

 このマップって拡大、縮小とかできるんだっけ……。


 つんつん。

 あ、出来るじゃん。

 タップするたびに3段階で地図表記が変化するみたい。

 

 ……ん?

 今度は黄色い『✖』っていう表記と宝箱の表記も出てきた。

 宝箱って……あれじゃん!

 この前洞窟で見つけた隠しアイテムのブーメラン!


 やっぱこの孤島にもあるんだ!

 ええと、焦るなわたし……!

 地図を拡大して………。


 宝箱は全部で4つあるね。

 北の森に1つ、東の岩壁に1つ。

 西の遺跡の近くに1つと、西の浜辺の端に1つ……。


 これも今日全部集めよう。

 ……あ、東の岩壁の途中に黄色い『✖』があるから、それも何なのか調べておこう。


 とりあえず今日はレベル上げはいいから、効率良く青い点を目指してアイテムを拾いつつ、4つの隠し宝箱を回収して、と……。


 ひとりブツブツと呟いたわたしは、そのまま東に足を向けたのでした。



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