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ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
002 それでも孤島篇
40/57

37 わたし、とうとう服を作ります!

 ……。

 あ、寝ちゃってたのか、わたし……。


 まだ暗いから夜中だよね。

 でも寝てちょっと疲れがとれたかな。


 ……起きるか。

 色々と検証してみたいこともあるし。

 夜更かしだ夜更かし。

 今夜は悪い子になろう、ミルク。


 ええと、とりあえず火をおこそうか。

 組み立てたままの棒のところに落ち葉を持っていって……。


《ミルクは『着火LV2』を発動した!》


 バチバチ。

 やっぱ夜は火がないと安心できないよね。

 ……。

 なんかお腹空いてきたな……。

 お夕飯食べないでそのまま寝ちゃったし、検証しながらお魚ちゃんでも焼くか。


《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》

《ミルクは採集士コレクターにジョブチェンジした!》

《持ち物を確認しますか? はい/いいえ》


 で、リストからお魚を取り出して……。

 あ、違う違う。

 たこの丸焼きにするんだったね。

 あの出歯亀野郎を喰ってやるか。


《ゆで上がった大蛸の亡骸を置きました》


 これもうゆで上がってるけど、流石にそのまま食べるのは勇気がいるよね。

 だからこのまま上手に組み立てた棒の上とかに置いて、直火焼きにして……。


 うん。あとは焼き上がるのを待とう。

 その間に検証、検証。


 どれから検証すっかぁ。

 うーん……。

 まずは完成した地図からかなぁ。


《ジョブを解除しますか(※現在は『採集士コレクター』です) はい/いいえ》

《ジョブを解除しました》

《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》

《ミルクは地図士マップメイカーにジョブチェンジした!》


 うん。

 確かに左下に表示された地図の上部に『ルングランド諸島にある小さな孤島』って書いてある。

 やっぱりここって孤島だったんだね。

 ミルクちゃん名探偵。


 ……じゃなくて、るんぐらんど?

 これって一体なんやねんてってことなんだけど。

 分からないときは解析先生に聞きましょうか。


《ジョブを解除しますか(※現在は『地図士マップメイカー』です) はい/いいえ》

《ジョブを解除しました》

《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》

《ミルクは解析士アナライザーにジョブチェンジした!》


 解析先生ー、お願いしまーす。


《ミルクは『ルングランド諸島』を解析した!》



【ルングランド諸島】

アルバート教国の南西に位置する諸島。

大小様々な孤島が存在するが、すべて無人島である。

1000年前に起きた大地震により地殻が変動し、大きな湖が教国内に出現。

その際に地殻に沈まなかった土地が諸島として存在しているとの見方が強い。

湖は淡水で多くの種類の魚類が生息する。

人魚伝説が語り継がれていることでも有名。



 ……ほうほう。

 うん。

 さっぱり分からん。


 でもまあ、どこかの国の一部ってことだけでも分かって良かったよ。

 わたしだけ異次元空間に取り残されちゃったのかと思ってたから。


 国の中ってことは、船でも作ってこの孤島から脱出すればすぐに街とか村とか見えてくるでしょう。

 もしも本気でヤバくなったら考えようか。


 バチバチバチ。

 おっといけない。

 タコちゃんをひっくり返さないと焦げちゃう。


 おお!

 いい焼き色!

 香ばしい香り!

 よだれ出ちゃう!


 さあ、次、次。


《ジョブを解除しますか(※現在は『解析士アナライザー』です) はい/いいえ》

《ジョブを解除しました》

《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》

《ミルクは洋裁士ドレスメイカーにジョブチェンジした!》


 本日のメインイベント。

 ミルクちゃん、ついに服を作ります。

 だってこの黄ばんだ服とかもう嫌なんだもん。


 でだ。

 ……洋服ってどうやって作るんやって話なんだけど……。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク JOB 洋裁士ドレスメイカー

LV 2 HP 15/15 SP 20/20 『裁縫LV1』『突きLV6』



 うん。

 まあとりあえずスキルを使うしかないよね。


《ミルクは『裁縫LV1』を発動した!》


 ……お?


《素材の持ち物リストから作れる服飾を自動選択しますか? はい/いいえ》


 おおおおおお!?

 なにこの便利仕様!?

 え? マジで?

 自分で考えなくても、持ち物から検索してくれるの?

 うっわ、超助かる!

 もちろん『はい』で!



【作成可能アイテム】

〇『大きな貝殻』+『大きな貝殻』+『変わった形の貝殻』+『細長い紐』 → 『貝殻ビキニ』(NEW!)

〇『丈夫な革』+『ミニワニの素材②』 → 『ワニ革のミニスカート』(NEW!)

〇『フサフサしたなにか』+『フワフワしたなにか』+『兎将軍系の素材①』 → 『毛皮のセーター』(NEW!)

〇『フワフワしたなにか』+『変形した南京錠』+『兎将軍系の素材③』 → 『ウサギの尻尾キーホルダー』(NEW!)

〇『血の付いたハンカチ』+『破れたマスク』+『ボロボロの海賊旗』+『ロックなロックンローラーの素材①』+『ロックなロックンローラーの素材③』 → 『海賊風ファッション一式セット』(NEW!)



 うおおおおおおおおお!!

 めっちゃ出てきた!!

 よし! さっそく作ろう!

 あれだよね!

 いつもみたいに頭の中で念じれば……!


《毛皮のセーターを作るには素材が足りません》


 ……。


《ワニ革のミニスカートを作るには素材が足りません》


 …………。


《ウサギの尻尾キーホルダーを作るには素材が足りません》


 なんでだよ!!!

 持ち物リストから作れるのを自動ソートしたんじゃないのかよ!!

 ……え?

 あれ、でも『兎将軍系の素材①』とか、そんなの持ってたっけ……。


 むむむ……!

 じゃあこれはどうだ!


 シャキーン!

 カンカンカン!

 ジョキジョキジョキ!

 チャリリーン!


 な、なに……?

 いきなり効果音全開で、わたしの身体が勝手に動いて……?


《貝殻ビキニが完成しました》


 ……。

 …………。

 どうして冗談で選択した貝殻ビキニだけ出来上がるの……?

 別に着ないからいらねぇし……。


 ……。

 …………。

 でも、せっかく作ったんだから、着ちゃう?


 何故かコソコソと周囲を見回したわたしはおもむろに黄ばんだ服を脱ぎ、貝殻ビキニの試着会を始めたのでした……。




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