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ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
000 孤島篇
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03 初戦闘でもいきなり死にそう!

 目を覚ます。

 うん、なんかうつ状態から脱したみたい。

 やっぱ寝るのって大事だよね。

 家ではいつも昼過ぎくらいまで寝てて、お母さんに怒鳴られて起きるのが日課だったんだけど。


 ちなみに、そのまま寝るのもあれなので、その辺の落ち葉を集めてその上に寝てみました。

 寝心地はそんなに悪くなかったかな。


 とりあえず、ステータスを見てみようか。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》


 で、『はい』を押して……。



NAME ミルク

LV 1 HP 5/5 SP 0/0



 あ、やっぱ体力戻ってんじゃん。

 こうやって寝れば回復するんだったら、危なくなったらこの洞窟に戻って落ち葉ベッドに寝る習慣をつければいいわけね。

 大丈夫、わたし寝るの大好きだから。


 じゃあ、続きいきますか。



☆★☆



 ええと、あ、あったあった。

 さっきは棒に糸をつけるところまでで終わったんだよね。

 ていうか、今何時だろう。

 時計とかないのかな、この世界は。

 ……あ、いや、あのSNSで端っこのほうに発言時間が表記されてたな。

 なんか荒れてるからあまり見たくないけど、そういうわけにもいかないか。


 右のほうの空間をダブルタップ。

 するとずらーっとこの世界に取り残された他の人たちの発言が表示されてきました。


----------

レノン【おいみんな! 俺のところの《明星騎士団》に来い! 悪いようにはしないぜ!】 15:45:41

ろんさん【どうやっても出れませんね。新情報あれば求む。】 15:45:52

annri【所々でフリーズ箇所を発見。他にもあれば『annni@sky-mail』まで。】 15:45:60

・・・・・・

----------


 うわぁ……。

 もう画面いっぱいに色んな人のメッセージが……。

 ほぼ10秒おきおくらいに掲示されているけど、見ただけで頭が痛くなってきた……。

 うん。そっ閉じしよう……。


 でも時間が分かったから良かった。

 逆算すると、2時間くらい寝てた計算になるのかな。

 わたし、いつもだったら1回寝たら10時間くらい起きないんだけど、なんか勝手に2時間で目が覚めたし。

 きっとこれがこの世界の仕様なんだと思うことにする。


 さあ、食料確保の続きだ!

 もうお腹ぺこぺこ!


 ええと、この錆びた針に気を付けて、と……。

 うん、いいよ。いい感じだよ。

 なんか釣り竿っぽくなってきたよ。


 で、あとは餌なんだけど……。

 泉に魚はいるっぽいけど、魚って何食べるんだっけ。


 ……。

 え? まさか、あのミミズみたいなのを探さないといけないのかな。

 いやいや、無理っしょ。

 わたしウネウネしたのとか節々がついているのとか駄目だし。

 見るのも駄目なのに捕まえるとか、絶対に無理。


 えー、どうしよう。

 いきなり詰んじゃった……。

 せっかく釣り竿作ったのにぃ……。


 ……ん?

 いま、砂浜のほうで動いた。

 ていうか、めっちゃいる……?

 あれは……。


 ええと、ボタンボタン。


『小さな蟹』『赤い小さな蟹』『蟹』『蟹っぽい何か』『小さな蟹』『決して大きくない蟹』


 蟹だ! やっぱ蟹じゃん!

 うわ、可愛いなぁ。

 なんか一匹だけ蟹じゃなさそうなものが混ざっているけど……。


 あ、そうか。

 これを餌にして魚を釣れば良いんだ!

 ……。

 ごめん、蟹さん。

 いま『可愛い』って言ったばかりだけど、生きていくには仕方がないの。

 その命、我が命と変えさせていただきます。


 じゃあ、捕まえるね。


《決して大きくない蟹が現れた!》


 ん?

 いや、『現れた』って……。

 とっくに現れてると思うんだけど。


 あれ?

 なんか急にBGMが流れ始めたけど。

 なにこれ。


 うわ、なんか急に視点が変わった!

 気持ち悪い!

 カメラアングル?

 なんかそんなんがグルグルと上空を回って、わたしと蟹ちゃんを映してるし!


《決して大きくない蟹の攻撃!》


 なに? なになに……!?

 攻撃?

 え? これ戦闘が始まってるの?


《ミルクは1のダメージを受けた!》


 いやちょっと待ってよ!

 なんでこんなちっちゃい蟹にダメージ受けるの!

 弱っ! わたし弱っ!!


《決して大きくない蟹の攻撃!》


 ちょっと! 早い早い!

 なにこれ……リアルタイムで動かないと駄目なの?

 ターン制じゃないのかよ!

 ちょっと待ってよ……え? どうやって戦えばいいの?


《ミルクは2のダメージを受けた!》


 だああああああ!

 なんでこんなに強いんだよ!

 え? 死ぬ死ぬ! やめて!


 マジでこれやばい……!

 早く行動しないと、蟹に殺られる……!


《ミルクの蹴り攻撃!》


 これか!

 このなんか知らんオレンジ色のバーの上をタップしたらいいのか!

 ていうか、このオレンジは一体なんだよ!

 ええい! もうこうなったら自棄だ!


《決して大きくない蟹はハサミで攻撃を受け止めた!》


 いやおかしいだろ!

 どうしてこんなにちっちゃな蟹が私の蹴りを受け止められるの!

 ありえないから!


《決して大きくない蟹の泡攻撃!》


 うわ! 泡きた泡!

 どうしよう……!

 もう確か1か2くらいしか体力が残っていないよね……!

 これ喰らったら死ぬんじゃ……!


《決して大きくない蟹は綺麗になって満足そうだ》


 知らんわ!!!

 攻撃じゃないんかい!!!

 いや、突っ込んでる場合じゃない……!

 今のうちに……!


 あれ? 行動できないじゃん……!

 ……あ、そうか!

 あのオレンジ色のバーか!

 あれが満タンにならないと動けないのか!


 早く……早く溜れ……!

 早く早く早く早く早く早く早く早く…………!!


 今だ!!


《ミルクの連続蹴り攻撃! 決して大きくない蟹に合計4のダメージ! 決して大きくない蟹は消滅した!》


 うおおおおおお!!

 キターーーーーーー!!

 なんたる逆転劇……!!


《ミルクはLV2に上昇した》

《『蹴り』がLV2に上昇した》

《決して大きくない蟹の亡骸を手に入れた》


 おお! レベルも上がったし!

 もしかしてあれか!

 オレンジ色のバーが溜るまで何度もボタンを押したから連続攻撃ができたとか……?

 そういう戦い方もありなのか!


 まあ、とりあえずステータスを確認してみよう。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク

LV 2 HP 8/8 SP 3/3 『蹴りLV2』



 あー、なるほど。

 レベルが上がれば、体力も回復するんだ。

 それに『蹴り』の項目が増えたけど、蹴って倒してレベルが上がったからなのかしら。

 ていうか『蹴り』になったのって、たぶん何も装備していないからだよね。

 ふーん、まあ大体わかった。

 

 あ、『SP』の数値も増えてるね。

 でもこれが何なのか未だに謎なんですが……。


 まあいいや。

 たぶんこの『決して大きくない蟹の亡骸』を使えば、魚の餌になると思うし。

 とにかくやってみるしかない。


 というわけで、人生初の釣りに挑戦してみることになりました。




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