36 孤島の地図が完成したよ!
はーい。
ということで、左下の走行距離は『10254.66m』って表示されてまーす。
湖から西に向かってジグザグ走行しながら、服の素材になりそうなものを片っ端から拾っているんだけど……。
いちおう結構集まったから御開帳しましょうかね。
……あ、でもジョブチェンジすると『地図』スキルが解除されちゃうか。
まあいいや。
あともう一回くらいは使えるし、そのうちノーマルミルクちゃんのレベルも上がってSPが全快するかもしれないし。
《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》
《ジョブを選択してください》
《ミルクは採集士にジョブチェンジした!》
《持ち物を確認しますか? はい/いいえ》
で、『はい』を押してー。
【持ち物リスト】
〇モンスターの亡骸
〇武器
〇食材
〇素材
で、たぶんこの『素材』だと思うんだけど……。
【素材】
大きな貝殻
大きな貝殻
変わった形の貝殻
フワフワしたなにか
錆びたクギ
変形した南京錠
血の付いたハンカチ
破れたマスク
細長い紐
ボロボロの海賊旗
丈夫な革
フサフサしたなにか
ガラスの破片
汚れたサラダボウル
フワフワしたなにか
…………うん。
なんか怪しいものばかりというか、よく分からないものばかりというか……。
でも結構落ちてるもんだね。
どっかから流れてくるのかな。
ここ孤島だから。
でもこれだけじゃあ、服とか作れなさそうだよね。
うーん……。
これにモンスターの亡骸から抜き取った素材とか組み合わせたりするのかなぁ。
……。
『抜き取る』って表現、なんか怖い……。
まあ一応そっちも見てみよう。
【モンスターの亡骸】
ノーマルフィッシュの亡骸
大きめの蟹の亡骸
蟹の亡骸
兎将軍の亡骸
ロックなロックンローラーの亡骸
蟹蟹ブラザーズの亡骸
兎暴君の亡骸
ミニワニの亡骸
兎海軍の亡骸
ブラックスライムの亡骸
人面樹の亡骸
蜥蜴番長の亡骸
蜥蜴園長の亡骸
バナナボーイの亡骸
ゆで上がった大蛸の亡骸
うん。
昨日もだいぶマッピングのために歩いたから、その間に結構モンスターと戦ったんだっけ。
でもこの『亡骸』の使い道ってあんまり考えたことなかったよね。
基本、保存食なんだけど、蟹と魚以外は食べるのに勇気がいるし……。
『人面樹』とかぜったい喰いたくないし……。
うーん。
この辺も洞窟に戻ったら検証してみようか。
とにかく今はマッピングを優先しましょう。
もうちょっと先にこの前入った遺跡が見えるから、あと20キロくらいジグザグ走行すれば孤島の地図が完成するんじゃないかな。
頑張れ! わたし!
まだ昨日の疲れが残ってるけど、これが終わればだいぶ楽になれる……はず!
☆★☆
~7時間後~
ぜえ、ぜえ、ぜえ……。
し、死ぬ……。
あれから再計測された走行距離は『302467.55m』……。
合計すると40キロ以上も……歩いた……よ……。
《ブルースライムが現れた!》
もういい……。
もういいんだ……。
《ミルクの剣攻撃! ブルースライムに48のダメージ! ブルースライムは消滅した!》
あー……。
腰痛い……足痛い……。
予想よりも最西端まで距離があって、でも今日はマッピングを完成させるって気合入れちゃったから……。
《ミルクは剣がLV14に上昇した》
《ブルースライムの亡骸を手に入れた》
《剣の形をした石が壊れました》
あ、とうとう壊れちゃった……。
《ミルクは剣の形をした石の破片を手に入れた》
はぁ、はぁ、はぁ……。
でも、残りはあの端っこのほうの真っ黒を歩いて……。
はぁ、はぁ、はぁ……。
そうすれば、地図が……完成する……。
……。
…………。
チャララーン♪
…………え?
《ルングランド諸島にある小さな孤島の地図が完成した!》
あ……。
完成……した……。
やった……。
もう……いや……だ。
………………パタリ。
☆★☆
……ん。
あれ……?
ここどこ……?
……。
真っ暗で何も見えん……。
《ミルクは『着火LV2』を発動した!》
……あー。
さっきの森の端っこだ、ここ。
てことは、地図が完成したと同時に疲れて気を失っちゃったってことか。
……。
よくモンスターに襲われなかったな……。
あー、疲れたぁ……。
とにかく洞窟に帰ってちゃんと寝よう。
ええと……あ、ちゃんと地図が左下に表記されてる……。
あー、もしかしてこれって……。
ぽちっとな。
【洞窟までの距離:986.87m】
あ、やっぱ出るね。
最短経路まで表示されてるし。
カーナビみたいだね。
ていうか、地図表記以外にもいろいろ書いてあるけど。
この赤い点とか青い点とかなんだろう……。
……あー、そうか。
この動いている赤い点は、たぶんモンスターだね。
じゃあこれを回避して歩けば、モンスターと無駄に戦わなくて済むってことじゃん。
青い点は分からないから、明日考えよう。
もうマジで疲れた。
最短距離で帰って、きょうはもう寝る……。
――ふらりと立ち上がったわたしは、なんとか洞窟へと帰ることができたのでした。




