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ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
001 やっぱり孤島篇
35/57

33 生まれて初めてこんなに歩いたよ!

 いやー、歩いた。

 いま画面左下の走行距離は『10652.36m』だって。

 1万メートルって、10キロってことだよね。

 もう膝も痛いし腰も痛いんですけど……。


 んで、ようやく岩壁のところまで到着しました。

 でもここまでの道のりをジグザグに歩いて、マッピングは完璧。

 こういう塗りつぶし系は苦じゃないほうなんだけど、なにぶん歩かないといけないのが厳しいッス。


 じゃあさっそく採集しまーす。


《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》

《ミルクは採集士コレクターにジョブチェンジした!》


 まあ、採集士はレベル上げとかしなくていいか。

 物を拾うときと、アイテムを確認するときしか使用しないし。


『自己主張の強い岩』『岩』『剣みたいな岩』『大きめの石』『意志のありそうな石』『尖った石』・・・


 ……お?

 『剣みたいな岩』ってのがあるけど……。

 石剣ならぬ岩剣?

 うわ、超重そう……。

 でも一応……。


《剣みたいな岩を装備しました》


 重っ!?

 こんなの振り回せるわけないじゃんかよっ!!


《ミルクは剣みたいな岩を投げ捨てた!》


 いらんわ!

 消滅してしまえ!


 ええと、じゃあ色々採集してみまーす。


《ミルクは『採集LV1』を発動した!》



☆★☆



~10分後~


 うん。これだけ採集すれば十分っしょ。

 いちおう持ち物リストの確認ー。


《持ち物を確認しますか? はい/いいえ》



【持ち物リスト】

〇モンスターの亡骸

〇武器

〇食材

〇素材



 さっき持ち物を整理しておいたからもうまとまってますねー。

 で、ここで『武器』を選択して……。


【武器】

長い釣り竿

棒みたいな…なんだろう

棒?そうとも見えるね

自己主張の強い岩

大きめの石

意志のありそうな石

尖った石

剣の形をした石

剣っぽい石のようななにか

欠けた岩

綺麗な石

危なそうな岩

人の顔っぽい岩



 うん。結構集めたね。

 ていうか釣り竿もいちおう武器扱いなんだね。

 一回これで戦ったことがあったけど、確かダメージを与えられなかった気がするんだけど……。


 まあいいや。

 とりあえずこの中から『剣の形をした石』っていうのを取り出して……。


《剣の形をした石を置きました》

《剣の形をした石を装備しました》

《棒とはいえないッスを置きました》


 この棒はもういいや。

 どうせそろそろ壊れちゃうし、ここに置いていっちゃおう。


 さて。

 ここからまたジグザグ走行で東の湖までマッピングを進めて。

 それが終わったら北にジグザグして森で野菜を採集してこよう。


 たぶん今日はこれで終わっちゃうな。

 で、夕方になって洞窟に戻ったら久しぶりにSNSを覗いてみよう。


 いつも時刻の確認だけしてみんなの投稿文とかまったく読んでないからね。

 だってあれ読むとなんか気持ち悪くなっちゃうんだもん。

 人酔いならぬ、文章酔い?

 よく分からないけど、わたしのぼっちレベルはよほど重症ってことなんだろうね……。


 うん。まあいいや。ミルク気にしない。

 色々あるけど、ここでの生活も楽しくなってきたし、現実逃避の時間は長ければ長いほどいい。

 やっぱ就職活動とかしたくない。

 永遠にここから出られなくてもいいとか、最近少しずつ考えるようになってきたし……。


 ……。

 じゃあ、永遠にぼっちってこと?

 なんか寂しいなそれ……。

 ……。

 あ、そうか。

 ペットとかいれば寂しくないか。


 なんかフサフサした可愛い子とか捕まえるかぁ。

 きっとそれ用のジョブとかもあるよね、確か。


 まあ、洞窟に帰ってから考えましょう。

 とりあえず黙々と歩きますよ。

 マッピング、マッピング。



☆★☆


~2時間後~


 ぜぇぜぇ……。

 はぁはぁ……。

 そ、走行距離『32453.85m』……。

 もう無理ぃ……。

 

 でも、野菜とか茸も採集したし、目標分のマッピングもほぼ終えたし、あとは洞窟に帰るだけ……。

 つ、疲れた……。


 もう今夜は水だけ飲んで寝ようか……。

 野菜を焼く元気もないよ、これじゃあ……。


 はぁ、はぁ、はぁ……。

 あと少し……。

 もう目の前におうちが見えてる……。


《夜行ネズミが現れた!》


 うるさい。死ね。


《ミルクの剣攻撃! 夜行ネズミに35のダメージ! 夜行ネズミは消滅した!》

《ミルクは夜行ネズミの亡骸を手に入れた》


 はぁ、はぁ……。

 あ……。

 や、やっと着いた~~!


 もうやだ!

 落ち葉ベッドに横になるの!

 もう足パンパンなの!

 マッピングとか大嫌い!

 ネズミ死ね! こっちくんな!


 あ、でも水の飲もう水。


《ミルクは『湧水LV2』を発動した!》


 チョロチョロチョロ。

 ゴクゴクゴク。

 …………ぷはーっ!


 あー、生き返ったぁ。

 もう疲れたー。

 マッサージいきたいマッサージ。

 もうやだ。

 もういい。


 いやまあ、でも今日は頑張った。

 うん。ミルクちゃんすごい。えらい。

 なかなかできることじゃないよ。30キロも歩くって。

 今日は仕事した。

 もう神様も頭ナデナデしてくれてもバチは当たらないと思う。


 ……。

 なんか眠くなってきちゃった。

 でもいちおうこのまま落ち葉ベッドに横になりながらSNSを軽く流し読みして、そのまま寝ちゃおう……。


 じゃあ、ぽちっとな。


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元気マン【イベント『聖者と悪魔の推理戦』の同行者を求む! 俺一人じゃ無理だあれは。】 18:21:55

トーキ【>元気マン 同行してやってもいいけど、よくこんな状況でイベントなんてやってられるなお前…。】 18:24:12

元気マン【>トーキ いいじゃねぇかよ。どうせいつか出られるんだろ? その間じっと待っててもヒマだろう?】 18:27:19

LOOK【>元気マン 私も参加してもいいですか? いつかは運営から連絡が来るにしても、確かにじっと待っていても気が滅入ってしまいますし。】 18:28:25

元気マン【>LOOK もちろんいいぜ! 後でフレコ教えてくれな! メール送るから!】 18:29:55

ラインハルト【こっちも募集だ。イベント『百合姫と100人のオーク』の参加者を集う。ただしギルド単位での募集のみだ。連絡先は『LINEhart@sky-mail』まで。】 18:30:22

大木君【百合姫イベント!? もうそこまでいってる奴がいんのかよ! ギルド単位の参加募集って…。】 18:31:10

ZEX【タイトル……。百合とオーク100匹って……。】 18:32:45

心と身体はひとつ【>ラインハルト うちのギルドで良かったら手を貸すよ。メンバーは『重戦士』『魔剣士』『治癒士』『弓絶士』『風水士』『機工士』の6名。これから詳細事項をメールで送る。】 18:34:19

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