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ぼっちだけど寂しくない!  作者: 木原ゆう
001 やっぱり孤島篇
32/57

30 遺跡探索、後編!

 い……いつつ……。

 痛いよ!

 お尻が真っ二つに割れたよ!


 何だよ落とし穴って!

 そりゃ目の前に宝箱が見えたら取りにいくっつうの!


 くっそぅ……。

 あー、お尻痛い……。


 ……ん?

 床に転がった松明が何かを照らして……?


『ボロボロの骸骨』『朽ちた骸骨』『人の形をした骨』『骸骨っぽいなにか』『穴の開いた頭蓋骨』


 ぎゃああああああああああああああ!!

 めっちゃ骸骨ばっかり転がっとる!?

 え? なにここ?

 お墓……?


 ていうか、この足元でジャラジャラしてるのって……。


『骨』『骨』『骨』『骨』『骨』『骨』『骨』『骨』『骨』『骨』『骨』・・・


 ぜんぶ骨っ……!?!?

 なんでこう毎回突起物ばかりに囲まれるのわたしっ!?!?


 ジャリ。


 ……へ?


 ジャリ。ジャリ。ジャリ。

 ジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリ……!


 ぎゃああああああああああああ!!

 骨が勝手に動いてるううううぅぅぅ!?


《骸骨剣士が現れた!》

《骸骨戦士が現れた!》

《骸骨武士が現れた!》

《骸骨兵士が現れた!》


 だあああああああああ!!

 戦闘かよっ!?

 多いよ!!

 無理無理無理!!

 これは逃げるしかないよ……!!


《ミルクは逃走した! しかし骸骨剣士らは追ってくる!》


 こっちくんなし!!

 ていうか集団戦とかまだしたことないっつうのに……!

 わたしにどうしろと!?


《骸骨剣士の剣攻撃! ミルクは7のダメージを受けた!》 

《骸骨戦士の斧攻撃! ミルクは12のダメージを受けた!》

《骸骨武士の刀攻撃! ミルクはこれをガードした! ダメージを4に減らした!》

《骸骨兵士の槍攻撃! ミルクは6のダメージを受けた! ミルクは『化膿状態』になった!》


 痛い! 死ぬ!!

 あの槍腐ってんじゃん!

 尻に刺さって化膿したよ馬鹿ああぁぁ!!


 どうしようどうしようどうしよう……!!

 このままじゃ死ぬ……!

 骸骨に囲まれて全身に突起物をぶっ刺されてあの世行きなんて嫌だああああああ!!


 なんかないの!?

 この窮地を脱せられるアイテムとかジョブとか……!


《『化膿』のダメージ! ミルクは1のダメージを受けた!》


 化膿うっとうしいな!!


 ……どうする?

 一匹ずつやっつける?

 ……いや、駄目だ。

 残りHPから逆算したら、絶対に途中で力尽きちゃう。


 ……今から回復系のジョブを探す?

 ダメダメ、絶対にダメ!

 探す時間なんて無いし、運よく見つけたとしても1ターン消費してアウトだし……。


 ……だあああああああああああ!!

 詰んだ!!

 わたしこれ、完全に詰んだあああああああああああああ!!


《骸骨剣士の剣攻撃! ミルクはこれをガードした! ダメージを3に減らした!》 

《骸骨戦士の斧攻撃! ミルクは10のダメージを受けた!》

《骸骨武士の刀攻撃! ミルクは12のダメージを受けた!》

《骸骨兵士の槍攻撃! ミルクはこれをガードした! ダメージを2に減らした!》


 ……嗚呼……もう駄目だ……。

 奇跡的にガードが成功してるけど、もう残りHPが……。


《『化膿』のダメージ! ミルクは1のダメージを受けた!》


 お父さん……お母さん……。

 こんなわたしでごめんなさい。

 ずっと就職活動をサボっちゃってごめんなさい。


 もしも生まれ変われたら、そのときは社交的になります。

 彼氏もちゃんと作るし、料理の腕も上げて立派なお嫁さんになります。


 ぼっちとはお別れします。

 だから……だから……。


 ――ガタン。


 …………へ?


《落とし穴が発動した!》


 …………へ?


 ええええええええええぇぇぇぇぇぇ…………!?



☆★☆



 ……う……。

 た、助かったの……?

 まさかの本日2度目の落とし穴……。

 もうお尻が4つくらいに割れちゃってるよ……。


 骸骨は……?

 あ、落とし穴が閉じちゃってる。

 じゃあ、本当に逃げられたんだ……わたし……。


 ていうか、HPはいくつ残ってるのかな……。


《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク

LV 8 HP 3/61 SP 22/42 『蹴りLV3』『釣りLV3』『突きLV6』『叩きLV13』『湧水LV2』『着火LV2』『ブーメランLV3』『剣LV12』『地図LV3』



 …………!!!

 き、奇跡や……。

 よく生き残れたなわたし……。


 はぁ……。

 駄目だ、全然。

 わたしにはまだ早かったよ、この遺跡の攻略とか。

 

 いやね、別におごってたとかそういうんじゃないんだよ。

 なんとなくイケそうな感じがしたというか、今までもどうにかなってたから自信があったというか。


 でも、今回のでよく理解した。

 装備も全然弱いし、集団戦闘の対策とかも全然考えてなかった。

 

 この遺跡もまだまだ奥は深そうだし、強い敵もいっぱいいそうだよね。

 探索はここで打ち切りにして、どうにか生きてここを出ることを最優先で考えたほうがいいよね。


 グズグズしてるとまた敵に囲まれちゃう。

 そうなったらもうアウトだよ、ミルク。


 ……うん。

 可能性があるとしたら、やっぱりこれしかない。

 ノーマルレベルが8の状態で『ここを脱出できるスキル』が使えそうなジョブを探すしかない……。


 探すのよ、ミルク。

 こんなところで死ねないもの。


《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》


 脱出系だから、きっと魔法職かなにかだよね。

 片っ端から調べるしかないけど、あまり時間がないし……。


錬金術士アルケミストにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》

闇黒士ダークネスにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》

光命士グライマーにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》

木療士ウッドリーターにジョブチェンジをするにはレベルが足りません》


 駄目か……。

 新米シリーズで探すしかないか……。


《ミルクは新米風術士ニューウインドマンにジョブチェンジした!》


《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク JOB 新米風術士ニューウインドマン

LV 1 HP 5/5 SP 7/7 『旋風LV1』


 ……違う。

 これじゃない。


《ジョブを解除しますか(※現在は『新米風術士ニューウインドマン』です) はい/いいえ》

《ジョブを解除しました》

《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》


《ミルクは新米土術士ニューアーサーにジョブチェンジした!》


《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク JOB 新米土術士ニューアーサー

LV 1 HP 9/9 SP 4/4 『土嚢LV1』



 ……これも違う。

 いま土嚢とかまったく必要ない。


《ジョブを解除しますか(※現在は『新米土術士ニューアーサー』です) はい/いいえ》

《ジョブを解除しました》

《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》

《ジョブを選択してください》


《ミルクは新米絶術士ニューゼロシューターにジョブチェンジした!》


《状態を確認しますか? はい/いいえ》



NAME ミルク JOB 新米絶術士ニューゼロシューター

LV 1 HP 2/2 SP 15/15 『離脱LV1』



 ……うん?

 『離脱』……?

 ……。

 時間がないし、試してみるしかないか。


《『離脱LV1』を発動すると持ち物がすべて消滅しますが使用しますか? はい/いいえ》


 え……?

 持ち物がすべて消滅する……?

 何の意味がある魔法なのこれ……?


 でも、今までに発動前に注意メッセージが出たことなんてないよね。

 ていうことは、持ち物を全部消滅させてまで、何かが起こるってことなのかな……。


 ……。

 どうしよう。

 ただ単にアイテムを捨てるだけの魔法だったら、余計に生きて出られなくなるし……。


 ジャリ。ジャリジャリ。

 ジャリジャリジャリジャリジャリジャリ。


 !!!

 きた!!

 通路の奥のほうから、あの骸骨たちの足音が……!!


 ええい!!

 もうどうにでもなれ!!


《ミルクは『離脱LV1』を発動した!》


 そしてわたしは光に包まれ――。




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