25 わたし、蜂として生きることに決めました!
《蜥蜴店長が現れた!》
……。
《ミルクは『痺れ攻撃LV1』を発動した!》
……。
《蜥蜴店長は痺れて動けない!》
…………。
《ミルクの剣攻撃! 蜥蜴店長に32のダメージ! 蜥蜴店長は消滅した!》
…………。
《ミルクは『痺れ攻撃』がLV2に上昇した》
《蜥蜴店長の亡骸を手に入れた》
…………つ…………強い!!!!!!
これ強い!!
最初に痺れ攻撃で相手の行動を封じて、剣で真っ二つ!
しかも剣スキルをすでに11まで上げてあるから、連続攻撃をしなくても一撃で倒せてるし!
い、いや、ちょっと待て。
落ち着くのよミルク。
とりあえずステータスを確認しましょう。
判断はそれからだ。
《状態を確認しますか? はい/いいえ》
NAME ミルク JOB 痺針士
LV 1 HP 60/60 SP 50/52 『痺れ攻撃LV2』『突きLV6』『剣LV11』
つ、、、強い!!!
『痺れ攻撃』はSPを2しか消費してない!
これなら毎回使っても、たぶんSPが底を突く前にレベルが上がって全快する!
うわぁ……。
状態異常攻撃、半端ねぇ……。
い、いや、ちょっと待て。
まだ判断するのは早すぎる。
状態異常って言っても、効果は何ターン続くの?
たぶん1ターンだけでしょ? どうせ。
……。
検証してみっか。
☆★☆
《蜥蜴部長が現れた!》
この辺、蜥蜴ばっかりだな。
まあいいや。
森に近いし、予想はしてたから。
《ミルクは『痺れ攻撃LV2』を発動した!》
レベルが上がるとどう変わるんだろう。
効果時間が延長になるのか、それとも状態異常になる確率が上がるのか……。
《蜥蜴部長は痺れて動けない!》
……さて。
とりあえず何もしないのもアレだから、ジョブ解除でもしてみようか。
《ジョブを解除しますか(※現在は『痺針士』です) はい/いいえ》
《ジョブを解除しました》
これで1ターン。
《蜥蜴部長は痺れて動けない!》
おお!
まだ効果が持続してる……!
じゃあ、今度は別のジョブにチェンジして……。
《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》
《ジョブを選択してください》
《ミルクは新米剣士にジョブチェンジした!》
これで2ターン目。
《蜥蜴部長は痺れて動けない!》
マジで!?
もう合計3回も敵の攻撃を封じてるじゃん!
え、どうしよう。
一応もう一回くらい様子見てみたいけど……。
まあなんでもいいや。
適当にボタンを押して……。
《ミルクはリンボーダンスを踊った!》
あっ……。
二度と押さないと誓ったあのボタンを押しちゃった……。
《蜥蜴部長の攻撃! ミルクは2のダメージを受けた!》
あー、ここまでか。
でも3回攻撃を防げるっていうのは超便利だよね。
まあ効果の無い敵とかもいるんだろうけど、そこら辺はおいおい検証するとして……。
……あ、そうだ。
ちょうど新米剣士になったんだし、そろそろ『スラッシュ』を使えるんじゃないかな。
やってみっか。
《ミルクは『スラッシュLV1』を発動した! 剣っぽい石に刹那の力が集まってくる!》
おおおおお!
なんか勝手に身体が構えのポーズをとりだしたよ!
ていうか『刹那の力』ってなんか中二病っぽい!
それになんか『へーんしーん!』みたいな感じでゆっくりと円を描くように剣を回して――。
シャキーン!!
《蜥蜴部長に325のダメージ! 蜥蜴部長は消滅した!》
…………!!!(パクパクパク)
ま、マジかあああああああああああああ!!?
え? 早くも最高記録ダメージの更新じゃん……!
うっわ……!
やっべぇこれ……!
《ミルクは『痺針士』がLV2に上昇した》
《剣がLV12に上昇した》
《蜥蜴部長の亡骸を手に入れた》
ふいー。
いやー、興奮したー。
あ、いちおう『スラッシュ』の消費SPを確認しておこう。
こういうのは確認できるときに確認しておかなきゃね。
《状態を確認しますか? はい/いいえ》
NAME ミルク JOB 新米剣士
LV 4 HP 29/31 SP 2/12 『剣LV12』『スラッシュLV1』
ほうほう。
消費SPは10かぁ。
まあそれだけの強さを持ってたしね。
あれはまさしく『必殺技』だよね。
さすがにオレンジのバーを連打しても意味はなかったけど、あれだけ強けりゃ問題ないっしょ。
いやー、良いもん見れた。
ミルク大満足。
……てことで、当分は痺針士を成長させていこうと思います。
んで、ヤバそうな敵とか出てきたら『スラッシュ』で真っ二つにするっていう戦法で。
そのうちもっと強い剣士系ジョブにもなれるだろうから、これからもお世話になるスキルだろうし。
じゃあ、マッピングに戻りましょうか。
もう少しで森に到着するから、そこに着いたら採集士になって野菜を採って、お夕飯の材料にしましょうねー。
ルンルン気分のわたしは、意気揚々と森へと向かっていったのでした。




