21 見事な岩、ですね!
はーい。
岩壁のあるところまで来ましたー。
洞窟からの走行距離は『1003.98m』だそうです。
見事に、岩です。
岩しか、ない場所です。
高さはどれくらいなのかな。
軽くわたしの背の10倍はあるかな。
ホントなんの色気もない岩壁ですね。
その向こうには海らしきものが見えますね。
この岩壁をぐるっと見回ったらあっちまで行ってみましょうか。
それにしても見事に、岩ですねー。
一周するとどれくらいか測ってみようか。
~15分後~
うーん。岩、ですね。
走行距離は『2105.64m』ってなってるね。
だと引き算すると、この岩壁は周囲1キロちょっとくらいあるわけだね。
周囲1キロって結構あるよね。
なんでこんな場所にぽつんと岩壁があるんだろう。
……あ、そうだ。
せっかくだしこの足元に転がっている石とか岩とかを調べてみようか。
今までずっと棒ばっかりだったもんね。
さすがにもう飽きたよ。
先端の尖ってるやつを見るのは。
『小さな石』『壊れそうな石』『自己主張の激しい石』『石』『剣のような形の石』『大きめの岩』『たぶん岩』『岩』『イケてる岩』
……うん。
まあ、こんな感じだろうとは予想していたけど。
なに『自己主張の激しい石』って。
石に自己主張もなにも無いでしょうが。
でも1個だけ気になるのを発見。
『剣のような形の石』って、マジで剣っぽい形をしてるね。
これって結構いい感じの武器になるんじゃないかな。
どうしよう。『解析』しちゃおうか。
さっき2時間寝てSPは回復したし、無駄に終わってもとりあえず『採集士』にジョブチェンジして全部拾うつもりだし。
うん。解析しちゃおう。
色々試してみないと何も分からないもんね。
《ジョブを解除しますか(※現在は『地図士』です) はい/いいえ》
《ジョブを解除しました》
《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》
《ジョブを選択してください》
《ミルクは解析士にジョブチェンジした!》
じゃあいちおうこの石を拾って……。
《剣のような形の石を装備しました》
で、『解析』のスキルを使って……。
《ミルクは『剣のような形の石』を解析した!》
【剣のような形の石】
攻撃力 15
耐久力 100/100
付加効果 なし
属性効果 なし
鍛冶効果 なし
幻獣効果 なし
合成回数 0回
EX
石でできた剣のようなもの。
『斬る』というより『殴る』といった感覚。
でもたまに切れる。
おお!
思ってたよりも意外に強い!
たぶん今持ってるどの武器よりも強いよね、これ。
……木のブーメランがあれば、あれが一番強かったけどね。
まあ、過去は忘れると決めたばかりだし、苦い経験を次に生かそうじゃないか。
でも『剣』ってことはあれか。
戦士系のジョブじゃないと使えない感じなのかな。
いちおう適当な石ころを攻撃してスキルレベルを上げて、この剣が使えるジョブを見極めておこうかな。
《ジョブを解除しますか(※現在は『解析士』です) はい/いいえ》
《ジョブを解除しました》
《ジョブチェンジをしますか はい/いいえ》
《ジョブを選択してください》
……ええと、たぶんわたしが今チェンジできるジョブといったらこれかな。
《ミルクは新米剣士にジョブチェンジした!》
うん。
まあ普通の初期ジョブって感じだけど、まあいいか。
で、いちおうステータスを確認ー。
《状態を確認しますか? はい/いいえ》
NAME ミルク JOB 新米剣士
LV 1 HP 10/10 SP 3/3 『剣LV1』
うん。
まあ、新米っぽいステータスだね。
でもまあ、こういう基本職だと基本職なりの良さがあるかもしれないし。
じゃあ、攻撃してみまーす。
あの『自己主張の激しい石』をターゲットにしますー。
《ミルクの攻撃! 自己主張の激しい石に6のダメージ!》
《ミルクの攻撃! 自己主張の激しい石に6のダメージ!》
《自己主張の激しい石は消滅した!》
おー。二回で壊せたー。
《ミルクは自己主張の激しい石の破片を手に入れた》
あれ、一個壊したくらいじゃスキルレベルが上がらないかぁ。
じゃあ今度は『たぶん岩』ってのをターゲットにして……。
……えい。
《ミルクの攻撃! たぶん岩に4のダメージ!》
《ミルクの攻撃! たぶん岩に4のダメージ!》
《ミルクの攻撃! たぶん岩に4のダメージ!》
《ミルクの攻撃! たぶん岩に4のダメージ!》
固ってぇ……!
まだ壊れない……!
《ミルクの攻撃! たぶん岩に4のダメージ!》
《ミルクの攻撃! たぶん岩に4のダメージ!》
《ミルクの攻撃! たぶん岩に4のダメージ!》
《たぶん岩は消滅した!》
つ、疲れた……。
7回もぶった叩いてようやく壊れた……。
ていうか、この石剣の耐久力とかも、もうヤバそう……。
《ミルクは『剣』がLV2に上昇した》
《たぶん岩の破片を手に入れた》
あー、やっと上がったー。
……ん?
ていうか、わたしもう9回くらい『剣』を使ったよね。
ということは……。
《状態を確認しますか? はい/いいえ》
NAME ミルク JOB 新米剣士
LV 1 HP 10/10 SP 3/3 『剣LV2』
……。
…………ぉぉおおおおおお!!
SPが減ってない!!
てことは、『剣』も消費SPがゼロのスキルってことじゃん!
キタコレ!
『叩き』に続いて、省エネ戦法ができるスキルを発見したぜ!
えー、もう叩くの飽きてきたから剣にしーたーいー。
剣のスキルレベルを上げて、ゆくゆくはちゃんと加工された鋼の剣とかぶん回したーいー。
……というわけで。
残りの石やら岩を採集せずに全部ぶっ壊して『剣スキル』を高める方向に切り替えました。




