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妖刀霧氷

閲覧ありがとうございます。

多数のお気に入りのチェック感謝致します。

豊の首にくるくると鞭が巻き付く。



鞭の先端がザクロみたいに、弾けてヌメヌメした透明な液が(したた)り落ちていた。



豊の耳にヌルッと鞭の先端が侵入する。



豊の身体がビクンと反応した。


リルと真紀が飛翔しながら木剣で化け物に変化した少女を斬りつける。



『ガキッ!』



化け物は後ろに目でもあるのか、右の大鎌で払われた。



リルと真紀の木剣は切断され、二人とも弾き飛ばされる。



雪欄が大きく飛翔した時に、右手に幅広の剣が突然出現した。



それは妖刀霧氷であった。



雪蘭は大きく飛翔しながら、妖刀霧氷を化け物の鞭のように蠢く触手に斜めに振り抜いた。



『ズバッ!』



奇妙な音がした。



化け物の左手が変化した鞭のような触手が根本から切断された。



化け物が、ギラリと雪蘭を睨み付ける。



豊の耳からズルリと鞭が滑り落ちた。



切断された触手から、どろどろした緑の液体が流れ落ちる。



切断された鞭のような触手は、それ自体が生き物のように暴れていた。





豊はもんどりうって床に転がった。



豊がビクンビクンと痙攣している。



豊は過去の映像というのを忘れ駆け寄った。



『あっ! そんな?』



豊の身体半分はミイラ化していた。



化け物が豊に近寄る。



豊を化け物の右手が変化した大鎌が襲って来た。


豊は


「危ない!」


と、小さく叫びながらミイラ化した自分を突き飛ばした。



両手がスルリとミイラ化した自分を突き抜ける。



豊は勢い余ってズダーンと床に転がった。



豊はゆっくりと体勢を立て直し振り返った。



(おゃ? どうしたんだ! 映像が停止しているぞ?)



豊は半分ミイラ化した自分の映像に近寄った。


大鎌が首のすれすれの位置で止まっていた。



(えっ! 動いている者がいる?)


『えっ、真由美? どうして此処に?』



思わず豊の口から言葉が漏れた。




「おーい!

真由美。 お前も俺と同じように映像を見ているのか?」



シーンとした道場内に豊の声が反響した。



北條豊の必死の呼び掛けが聞こえないのか、真由美は少しも反応しない。



真由美が豊の方に近づいて来た。



『……どうして死んでしまったのよ』



真由美は半分ミイラ化した映像の豊を見て、悲しそうな表情をした。



そして右手を大鎌に持っていった。



『真由美! 無駄だ。

さっき試した。映像だから(さわ)れないぞ』



先ほどと同様に豊の問い掛けに真由美は反応しない。



(変だな? 真由美は俺の姿が見えてないのか……)


『そんな馬鹿な!』



思わず豊の口から驚きの声が漏れた。










閲覧ありがとうございます。

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