表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

DIAMOND FIRE‐前日譚

Bray Strahl

作者: 睦月火蓮

とある世界。

ある王家に双子の兄妹が生まれた。


王国は、双子の誕生を心から祝福した。


──けれど…数年後、不幸は突然訪れた。


たまたま城内の図書室で調べ物(武道の心得・魔道書…等)をしていた王子は、突然の侵入者達に驚いていた。

侵入者達は、それぞれ異なった姿をしている。

彼はたまたは読んでいた魔道書に、彼らによく似た姿を見ていた。


「なっ…『黄泉の者』…!?」


本を読む限り、本来はいない彼等に驚いていた。

しかし、ある条件(・ ・ ・ ・)を除いてしまえば、実現可能だった。


──ある対象物を、黄泉の者に変換させる。


そんな彼の前に、親友のクラウトがダイレクトに窓を突き破って入ってくる。

(ていうか此処、三階)


「大丈夫か!?」


「俺は君が心配だよ!!」


冗談みたいにクラウトの頭から血が流れているが、特に何の問題もなさそうだ。

そんな二人の間に、ある女性の声が聞こえる。


「おやおや…騒がしいですね…」


二人が声のした方を見ると、ローブを羽織った女性がいる。

女性の顔はフードのせいで口元しか見えないが、多少の表情は伺える。

二人は女性に警戒して、臨時戦闘態勢に入る。


「お前…何者だ…!!」


女性は何も答えない。薄く微笑んでいるだけだ。

その様子に多少苛立った二人が聞く。


「…この物騒な人達は、君が連れてきたのかい?」


「ええ、そうです」


「へぇ、お前はこいつ等を使って、一体何がしたいんだ?」


女性は考えたかのような素振りを見せ、先程よりも更ににっこりと微笑む。

そして、その表情とは釣り合わないような発言をした。


「……そうですわね…──

















































──世界征服。といったところでしょうか…」


まるで幼い子供のように無邪気に。しかし、微かにフードから見える目は、狂気を滲ませていた。


「…さて、あなた方には、此処で消えていただきますわ」


女性が何か怪しげな術を唱え始める。

二人は危険を察知し、その場から離れようとした。


…が、間に合わなかった。


二人の目の前に、女性の引き連れた者が跳躍した。


「残念でした…『BAD END』…というわけです」


そこで、二人の意識は途切れた。


そのとき、一瞬だけ薄らと誰かの声が聞こえた気がした──












































──次に目が覚めたときは、どこかの部屋だった。


「……ここは…」


廊下に出てみると、見たことないような場所だ。


「うわあ!!!!」


正面のドアからクラウトの声が聞こえた。

他に声が数人。


彼は、何となくその部屋のドアを開けてみた。

しかしその数秒先にドアが開く。


「…あら?」


そこから、眼鏡をかけた同い年ぐらいの少女が出てくる。


「よかった。気が気がついたのですね」


「あ…いや…その…」


「…あ、お友達のほうですか?それならこの部屋に…」


少女の後ろを見ると、そこには…

幼い少女二人の面倒をみているクラウトがいた。

ちなみにその近くにもう二人ぐらい同年代ぐらいの少女がいるが、

辞書の倍の厚さはありそうな本を二人で読んでいる。


「…ちょっと、私の手伝いをしてくださっているのですが…」


「…さっきの声はあれか…」


現在のクラウトの様子は、ちびっこ二人に遊ばれてる。


「…あ!」


一人の少女が、少年の存在に気づいて声を上げた。

たどたどしい足取りで少年に近付く。


「ねーね、あそぼー!」


「えっ…いやあの…うわっ!」


思ったよりも少女の力が強く、引っ張られる。


「ああっ!?その人は!!…えっと…」































「──ブレイ・シュトラール」


「…え?」


「ブレイ・シュトラール。それが俺の名前だよ。

  ついでにいうと、怪我はもう平気だよ」


少年…ブレイは、軽く微笑んだ。


※ただし彼は引っ張られている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ