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Re:もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第二幕 青春狂詩曲は鳴り止まない

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020 1040億円の幼女

 ルーシはアークの話を聞き、眉をひそめた。


「〝派閥〟に〝ギャング〟か。ここは本当に学校かよ」


 アークは苦笑いを浮かべながら、答える。


「MIH学園はそういう場所さ。アンゲルスNo.1の学園の裏側には、色んな勢力がぶつかりあってる。それだけお金が動いてるとも言えるね」

「なるほど」ルーシは腕を組みながら、「で? オマエの派閥ってヤツはなにをしているんだい?」

「ぼくの派閥は、被差別民のオタクたちの集まりだよ。ランクBのぼくがトップやらなきゃいけないくらいには、弱者の集まりだけどね」

「弱者に価値はないしなぁ」

「一刀両断だね」

「思ったことを言っただけなのでね」


 ルーシはニヤリと笑い、苦虫を噛み潰したかのような表情のアークへ告げる。


「そのウィンストンって野郎は、どこにいるんだ?」


 アークは彼の居場所を知っているはずだ。同じ学園に通っていて、つい最近詰められたのだから。なので、アークはすこし躊躇し、やがて、


「言えないよ。君みたいな幼女が触れて良いヤマじゃない」


 真剣な眼差しでそう答える。


「つまらないなぁ。復讐を手伝ってやろうと思ったのに」

「というか、外にヒト待たせてるんでしょ? 早く行ったほうが良いんじゃないの?」

「そんなに私と話したくないか?」ルーシは注意深くアークの目を見る。「まあ良いや。連絡先、交換しておこう」スマートフォンを取り出した。


 アークもそれに反応し、ふたりは携帯電話を重ね合わせる。そして、ルーシとアークは互いに怪訝そうな表情になった。


(アーク・ロイヤル? 王族なのか?)

(ルーシ・レイノルズ? クールくんといっしょにいたのって、親子だからなの?)


 目をあわせ、ふたりは同時に、「何者なの──」と言ってしまう。


「ああ、先どうぞ」ルーシが譲る。

「君、キャメルと親戚なの?」

「まあな。だから、クール・レイノルズといっしょにいたんだよ」

「ということは、クールくんの娘?」

「ああ」

「あのヒト、誰かの親になれると思ってなかったよ」


 本心からそう思っていそうだった。まあ、クールと関わった者はほとんどみんなそう感じるだろう。


「じゃあ、私からひとつ。オマエ、王族なの?」

「正確には〝元〟王族だよ。ここ、共和国でしょ?」

「処刑されなかったのは、不幸中の幸いか?」

「……、まあ、ルーシくらいの年齢なら知らなくてもおかしくないか。ぼくら元王族は、王家の大権を手放す代わりに、政府からお金もらってるんだよ。というか、話すと長くなるから、授業で習って」

「そうするよ」


 見た目の年齢のおかげで、かなり訝られながらもこの場は切り抜けられた。


「じゃあな、アーク。また会おう」

「うん。ルーシ」


 パーラの待つ職員用後者前へ、歩いていく。


 *


「〝評定金額〟と学内序列は比例するとも限らんが……」


 青く錆びているような髪を、日本で言うところのホストのように伸ばす少年がいる。彼は、MIH学園の裏庭で、学内公示をスマートフォンで眺めていた。


「首席様にトリプルスコア以上つける幼女か。まあ、あのクール・レイノルズの娘だって言うなら、期待値込みかもな」


 名をウィンストン。今、メイド・イン・ヘブン学園の裏側を取り仕切っている少年だ。

 そんな彼は、本日入学してきた幼女に目をつけていた。


「評定金額10億4000万メニー、か。ま、値札だけがすべてじゃねェことを教えてやらんとなぁ」


 MIH学園に入学した際、ルーシには〝評定金額〟がつけられていた。

 その額、日本円換算でおおよそ、1040億円。


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