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Re:もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山スバル
第一幕 迷わずに駆け抜けろ、伝説の幕が開ける

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015 強盗犯退治

 黒いヘルメットを被っており、傍らにはアサルトライフル。おそらく魔術も使えるだろう。人数は4人。店内の広さ的に、この人数で制圧できるのはかなりの手慣れだ。

 ただ、ルーシとキャメルがたまたまいたのが運の尽き。ルーシはキャメルへ耳打ちする。


「(お姉ちゃん、右側のふたりいけますか?)」

「(ええ……)」


 確認をとった途端、ルーシは地面を蹴り上げる。1秒未満の間、数十回と。ここは異世界だから、物理法則が違う。なので、ルーシは瞬時に強盗犯との間合いを狭める。


「──うおッ!?」


 強盗犯が気づいた頃には、ルーシはライフルを取り上げていた。

 案外、殺してはならないことが面倒だ。いつもだったら、さっさと殺戮して終わりだが、キャメルやパーラの前でそれはできない。


「クソッ!! 正義のヒーローごっこか!? クソガキがァ!!」

「あァ……?」


 あからさまに怒りを露呈させた表情で、加速し続けるルーシは〝理論上有りえない法則〟を使い相手の動きを止めた。

 そして、辺り一面に散る黒い羽根が、男を突き刺す。


「ぐぉッ!?」

「誰がクソガキだ、ゴラ」


 いや、その見た目でクソガキ呼ばわりされないのも無理があるだろうに。

 ともかく、ルーシはひとり無効化させた。あとは隣にいる犯人を鎮圧するだけだ。


「物騒なもの持ちやがって。〝クソガキ〟相手に、それぶっ放すつもりじゃあないだろうな?」

「く、クソォ!!」


 銃弾が放たれる。辺り一帯に、なんら躊躇なく。

 ルーシはそれに気が付き、小さな手に力を込める。ヘーラーの魔力開発が正しければ、きのうクールがやったような攻撃ができるはずだ。

 結果、

 手のひらからビームのような現象が現れた。それは、強盗犯の肝臓部分を撃ち抜く。


「げへッ!? げへッ!!」


 ルーシは悪意たっぷりの笑みで、


「なに、肝臓はアルコール与えておけば再生するらしいから、大丈夫だよ……!!」


 もはや暴論以外で言い表せない暴言を吐く。

 殺意と悪意にまみれたルーシは、しかしふたりの強盗犯を鎮圧したことで、すこし冷静になる。辺りを見渡し、キャメルのほうを向く。

 キャメルと強盗犯ふたりは、どうやら互角……いや、キャメルのほうがやや圧されている。さすがに大人の〝魔術師〟とやらふたり相手だと厳しいか。

 仕方ないので、ルーシが駆け寄ろうとしたら、


「ごらァ!! おれの妹に、なにさらしてくれてるんじゃあ!!」


 炎の弾丸のごとく、走り抜ける男が現れた。比喩ではない。本当に、炎をまとって走ってきているのだ。

 その男はもちろん、クール・レイノルズだ。トイレに行くとか言って、あとから合流する予定だったが、ナイスタイミングで現れるものである。


「く、クール・レイノルズ!?」

「クソが!! もう破れかぶれだ!!」


 破れかぶれをするくらいなら、キャメルを人質にとれば良いのに。まあ、この男に人質が通用するとも思えないが。

 結果、男たちふたりは肌がグニャグニャになるほどの大やけどをくらい、強盗事件は解決するのだった。

 そう、強盗事件自体は。

 店内を見てみよう。ルーシの繰り出したビームみたいな現象や、クールの炎で、店内は見る影もない。服は倒され燃え、怪我人らしき者がいないことだけが救いである。


「あーあ」


 そんなわけで、服を買うという目論見は失敗に終わった。ルーシは拗ねた子どものように、その場から立ち去ろうとする。

 が、店員はすでに警察へ連絡している。このままだと捕まる、いや、捕まるわけないが、お尋ね者に逆戻りだ。


「る、ルーシちゃん!? ちょっと待って!」

「……、なんですか?」面倒そうな目つきだ。

「一応、事情聴取くらい受けないとならないわ。でもせいぜい過剰防衛だし、なにより強盗から街を守ったから、きっと表彰モノよ?」

「そうですか」

「そうだよ、ルーちゃん! ほら、クールさんの火も消えてルーシ──あれ? クールさんは?」


 スプリンクラーが発動し、クールの出した炎は消えつつあった。それに加え、あの野郎トンズラしやがった。マフィアが表彰なんて受けられるわけないので、ある意味賢明といえる。


「んじゃ、この場にとどまりましょうかね」


 ああ、それにしてもタバコが吸いたい。タバコくらいでしか得られない栄養がほしい。結局のところ、ルーシの思考はそこに行き着くのだった。


 *


「ルーシ? 聞いたことのない名前だ」

「ええ。ついきのう、転生してきたばかりだと」


 ルーシたちが向かったデパートの所在地はノースLSという街だ。そこの所管の警察たちは、すでにルーシの転生時期をも洗っていた。


「クール・レイノルズとの関係性は不明ですが、緊密な仲なのは間違いありません。あのクール・レイノルズ、とです」

「ああ。イーストAsで馬鹿騒ぎしているマフィアだろう? 元貴族の家系にして、暗黒街の花形。しかし、どのような因果関係があるのか分からなければ、我々としても動くのは──」

「署長!! たった今、防犯カメラから情報が割れました!! ヤツら、かなりのクラッキングを行っていたものですから、解析に苦労しましたが──ルーシという転生者は、クール・レイノルズと引き分けています!!」


 ポールモールとその配下が国中に広がる監視カメラの一部をクラッキングし、きのうのルーシとクールの闘いを邪魔させないようにしたのだが、その魔法も次期に溶けた。


「なに!? あのクールと引き分けた!?」

「ええ……、確かな映像でした」

「恐ろしい幼女がやってきましたな……」

「……、暫定的な〝評定金額〟を算出しろ。どのみち、あの男と引き分ける怪物だ。10億メニーの大台には乗るだろうが、同時に危険性を知らせるのにピッタリだ」


 アンゲルスは、全市民に対して〝評定金額〟という値札をつけている。いわば、これがゲームでいうパロメーターのようなものだ。高ければ高いほど、魔術の腕や研究能力が優れていることになる。


「承知しました……。それと、ルーシの件ですが」

「なんだ?」

「今しがた、メイド・イン・ヘブン学園から連絡が入り、クール・レイノルズがルーシを自身の娘だと言い張って、1億メニーの契約金を求めていると」


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