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「この娘は確かに、まだまだひよっ子ですが、俺……この娘が……あかねが遅くまで厨房にこもって勉強してたの見てました」

「それに、いっつも俺たちが作ったまかないを美味しそうに食べてくれて……!ごちそうさまって、毎回感想まで丁寧に言ってくれるのは、あかねだけでした!」


2人の思いがけない行動に、私は目を丸くした。じわじわと広がっていく胸の温もりに、私はとめ吉さんに向き直り、改めて彼に頭を下げた。


「どんな雑用もします!途中で投げ出したりしません。だから、私に……とめ吉さんの、皆さんの力を貸していただけないでしょうか……⁈」


そう言って膝をギュッと握りしめた。私が頭を下げたまま、しばしの沈黙が続いた後、「顔あげ」と頭上からとめ吉さんの声が聞こえた。厳しい表情のとめ吉さんに、周囲も心配そうにこちらを伺っているのを肌で感じる。でも、次の瞬間。


「……今ちょっと人手が足らんから、そいつの作業手伝ったって。話はその後や」


顔を上げれば、とめ吉さんはもう私に背を向けていた。返ってきた言葉の意味を考えれば、何とも言えない喜びが胸に広がる。私は源さんや貫太さんと顔を見合わせた後、「はいっ!」と大きな声で返事を返し、言われた通り厨房の作業を手伝うことにした。

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