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「わかひるめのみこと様……?」


あれから「もう吐く」と言った彼女をトイレに連れていき、背中をさすって介抱をした私。ようやく落ち着いたところで、うとうととする彼女を布団に寝かせてやり、私が居間に戻ると、時景様と美鶴さんがいた。


ことの経緯を説明し、寝ている彼女の元へ案内すれば、どうやら彼女は「稚日女尊(わかひるめのみこと)」という神様であることが判明した。


「ええ、神戸の市街地にある生田神社に鎮座されている女神様です。今宵は関西地区の神々の会合が、この『縁の坊』で開かれておりまして。彼女もその出席者の一人です」


そう言われ、今日は団体客2組の宴会が開かれていたことを思い出した。私が担当していた宴会場は河童たちの宴会だったけれど、もう一方の会場にいたのがその神様たちだったというわけか。部屋の前は何度か通ったときは、かなり賑やかそうに盛り上がっていたような……。


「結構わいわいやってて、会合というよりは飲み会って感じでしたけど」


私がそう返すと、美鶴さんが苦笑いを浮かべながら「神様にも息抜きは必要ですからね」とフォローしていたが、私の中での神様のイメージがどんどん変わっていく。


「なにはともあれ、あかねが見つけて介抱してくれてよかったです」

「……あのまま道端で寝ていたら風邪引きますしね」


時景様の言葉に、布団に顔を埋め、すやすやと眠っている稚日女尊様を見つめる。先ほどまでは青ざめていた顔も、今は随分と血色が戻ってきたようで一安心だ。

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