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「サヨダ……?」


首を傾げながら私が問いかけると、丸い形のしらたまたちからにょきっと手が伸びて「ホラ、ソコニイル」「アッチ二イッタ」などと説明してくれる。さっき、小さな声がかすかに聞こえた気がしたけれど、彼らが指さす方向を見てみても、私は何も見つけることはできなかった。


「サヨ、コノイエ二スンデルユウレイ」

「幽霊……?!」


驚く私に「トモダチ」としらたまたちはそう言った。それから、もう一度ふわりと風が吹くと、しらたまたちは慌てて四方に散っていき、あっという間に消えてしまった。私が人質にと握りしめていたしらたまも、気づけばもういない。


シュークリーム盗難事件からの、怪奇な出来事に頭が追い付かずに、何だったのだろうと、ぽかんとしてしまう私。


「それにしても、さっきの『早く出て行って』は、やっぱり私に言った言葉なのかしら……」


残念ながら、あやかしは見えるという特異体質ではあるものの、幽霊はなぜか今まで一度も見えたことがない。だから、「小夜」がどんな幽霊なのかも私には分からない。


「でも、ちょっと待ってよ。私『小夜』って名前をどこかで聞いたことがあるような……」


しばらく過去の記憶を辿るように、うんうんと腕を組みながら考えてみたものの、一向に「小夜」に関する記憶は出てこなかった。幽霊と同居か……。目に見えないあやかしのようなもの、と思えば何とか怖さは和らぎそうかと思ったけれど、その翌日から私は「小夜」の存在に大いに悩まされることになる──。

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