青緑の天使、神手海涼 〜誕生〜
はじめまして。初めて書いた作品なのでかなり拙い文章だと思いますが、読んでもらえると嬉しいです。
さて、この話は12人以上のキャラクターが出演予定ですが、この子は1人目です。先は長い。
昔、人間は祈った。周りの人達が幸せになれるようにと。すると、内なる力が呼び起こされ奇跡を起こし、白く美しい光の集合体が生まれた。その白く美しい光の集合体は人のような形となり、人から与えられた力を存分に使いこなし、数々奇跡を起こしたと。後にそれは神と呼ばれることになる。また、それは私の母なる存在だった。
母が生まれてからしばらく時が経ったこと。母は力の衰えを感じ、人間に力の一部を託した。人間は内に無限の力を持っており、その素晴らしい力を拡げてくれ、いつか自分の様に、いや自分よりも力を使いこなすだろうと信じていたのだろう。
白い光は眩く輝き、人間へと移っていった。人間へ近づく程、光はギラギラとした黒と痛い紅に変わっていく。そして光を授かりし人間は角が生え、目は猫のような縦長の瞳孔を持つ紅い目に変わり、蝙蝠の羽が背中から生えた。そして試すように力を使い、槍を生み出し近くの狐を殺した。そしておぞましいその一連光景を見た母は本能的に感じた。……逃げなければ、と。
まず距離を取るため壁を作った。すると人間だったモノは黒い光を手から放ち、異様に爪を鋭くした。そして壁を引っ掻き壊した。次に足に蔦を絡ませる。だがそいつが足を上げただけで蔦はすぐに千切れてしまった。
でも母は知っていた。自分の力は希望を持てば持つ程強力になることを。まだ、希望を持っていれば勝機はあると考えていた。そして母は胸に希望を抱き、精一杯の力でそいつを目掛けて光を放った。その光はいつもの光と違い、全てを覆いつくす白色だった。
一目散に逃げる。逃げて、逃げて、逃げる。突如、背中に鋭い痛みが走り、見てみると赤黒い矢が刺さっていた。希望は一瞬にして絶望へと変わり、母は生きることを諦めた。
そいつは言った。やっと絶望したな、と。絶望を恍惚とした表情で感じるそいつはこうも言った。人間が持つ力は強い、ただ使えないだけでな。そして絶望はその力をより強くする、と。
母は最後の力を振り絞り、そいつから遠いところにこの世の全ての色の光を生み出し、その光たちに母の持つ全ての力を託した。そうして母は死んでしまった。またそして、その一つの青緑色の光が私だった。
……それが私の生まれるまでの物語らしい。
読んでくださりありがたとうございました。次の話も更新しようと思っているので、更新されたその時は読んでくれると大変嬉しいです。