第10話:絶体絶命
「こちら深谷国境防衛担当班、グンマー帝国軍の侵入を許してしまいました。深谷の利根砦決壊。もう大宮まで時間の問題です」
国会議事堂にいた恵の無線に連絡が入る。
「そんな、、、」
恵は焦る。
こんなに早く行動してくるとは思わなかった、、
中之条は何を考えているのかが私には理解ができない。
「グンマー帝国、戦闘機は20機だと思われます」
「20機!?」
想定していた5機よりもはるかに多かった。
この攻めは本気で戦いを終わらせようとしている。
東京共和国連邦は資金も少ない。
「どうすれば、、」
「こちら八王子中央防衛班。甲斐王国の戦車10台、戦闘機5機が橋本(神奈川県相模原市の主要都市)を攻撃した模様。そのまま八王子駅方面に向かってきています」
グンマー帝国以外にも動いてる!?
甲斐王国とグンマー帝国が同時に攻撃を仕掛けている。
絶体絶命だ。
「了解した。では命令をだす。横田、厚木から戦闘機を20機ずつ出動、甲府に空襲を仕掛けて。羽田、成田からも戦闘機を20機ずつ出動、前橋に空襲を仕掛けて。陸軍は今すぐ各駐屯地から10台ずつ出動させてちょうだい。相模地区、多摩地区の陸軍は八王子を守って。さいたま地区と東京地区は国境を守ってちょうだい」
「了解いたしました」
無線は切れた。
「それでは、私は市ヶ谷に戻る。いくわよ、透君」
議長に言う。
恵の表情は落ち着いていた。さすがは最高司令官だ。
市ヶ谷に戻ると、会議が待っていた。
「東京は資金がない!このままだとやがて尽きるだろう。総理は何をやっている!」
東京帝国軍の幹部、大崎真波は机をドンと叩いて怒鳴る。
「そんなことを言っても仕方がないわ。今はどうするか考えるしかないの」
恵は真波に言った。
俺は、良い考えがある。
「同盟国を増やすというのはどうでしょう」
恵と真波はこっちをみて目をパチパチさせる。
「そうか、その手があるではないか!」
真波は手をパチンと叩く。
「財力があって、戦力もある国、そしてどちらかといえば東京側の国といえば、北海道民国か!」
「しかし、あくまでも北海道は中立国。こっちの話に乗ってくれるとは思えないわ」
「でも、他に良い案がない。この方法しかないんだよ!」
その時、ガラリとドアが部屋のドアが開いた。
「司令官、全空港、全駐屯地の出動準備が完了しました」
「了解。ごめんなさい大崎さん、席を外させていただくわ。透君と話し合ってちょうだい。大丈夫、新人だけど賢い子だから」
恵は部屋を出ていく。
「ちょ、ちょっと!恵!」
部屋には俺と真波の二人だけになった。
めっちゃ気まずいけど大丈夫?
「ねえあんた。私と北海道いこ」
美白で赤髪ロングの美女は言った。
えーっと、美女と北海道行けるってまじ?
「ぜひとも。お供します!」
ってかさ東京帝国軍って、顔面偏差値異常すぎん?